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【夢を叶えた人のあの頃】

よしもとばななさん 『人生ゲーム』で振り返る、ばななさんちの家族像

2012.10.10

よしもとばななさん

幼い頃から小説を書き始め、今は日本を代表する作家の一人であるよしもとばななさん。一見、「夢を叶えたあの人」に見えるばななさんですが、ずうっと小説を書き続けてきたばななさんにとって、小説家になったことは、私たちが思い浮かべる「夢を叶えること」とは少し違うようです。ばななさんはこれまでどんな環境で過ごし、小説を書き続けてきたのでしょうか。

おもちゃで交流した家族との思い出を振り返りながら、作家としてのよしもとばななさんだけでなく、「娘」として、「母」として、ばななさんの素顔に迫ります。

【よしもとばななさんプロフィール】
1964年7月24日東京都生まれ。小説家。「キッチン」で第6回海燕新人文学賞を受賞しデビュー。作品は国内外でも高く評価されており、代表作は「デッドエンドの思い出」、「TUGUMI」、「もしもし下北沢」など多数。近著は、フラダンスを通してハワイの魅力や思い出をつづったエッセイ「ゆめみるハワイ」。詩人・思想家の故・吉本隆明の次女。一児の母。

『人生ゲーム』から浮き上がる、吉本家の家族像?

——ばななさんは小さいころ、どんなおもちゃで遊んでいましたか?

「5歳から10歳くらいのころ、家族みんなで『人生ゲーム』で盛り上がっていた思い出があります。私は末っ子だったせいか、いいカモにされてしまって、家族4人中いつも最下位でした。こっちは地道にコマを進めて、不動産で儲けるようなこともせず、堅実にプレイしているんですけれどねえ。そういうところは今の仕事の仕方とちょっと似ているかもしれないなあ。地道に連載を続けて本を出して……村上春樹さんみたいに、何年に一度、どーんと長編を書くというような、ハイリスクハイリターンなやり方は自分には合わないみたいで」

——『人生ゲーム』って、プレイヤーの性格がかなり出ますよね。家族で一番強かったのは誰でしたか?

「母でしたね。人を押しのけたり、足をひっぱったり、そういう技を使えるタイプ。一方で父は、何にもないところから突然億万長者になるようなタイプでした。何のゲームをやってもそうだったなあ。あまりに地道すぎてかえって全てを失ったり、多くを得たりと、『人生ゲーム』に関してはそういう感じでしたね。父は、大胆だけど山っ気がないんですよ。地道さと大胆さを両立しているような感じ。そういうところは、私も父に似たのかな」

——案外奥深いですね、『人生ゲーム』。あんまり性格が出ちゃうと、ただ遊んでいるだけなのに、ちょっと場の雰囲気が悪くなったりしますよね。単に笑えて面白いおもちゃやゲームなら、ひたすら笑っていられますけれど。

よしもとばななさん

「あ! それなら『手探りゲーム』かな! 箱のなかに手を入れて、何が入っているか当てるんですよ。家族みんなで『うーん』とうなりながら当てるんですけど、あれはすごく盛り上がったなあ。今でも夢に出てくるんですよ! 夢中になれるし笑えるし。こっちのほうが、我が家では好まれたかも」

おもちゃの代わりにホラー漫画

——一人で遊ぶおもちゃよりも、家族みんなで遊ぶもののほうが多かったのですか?

「一人で遊ぶおもちゃは買ってもらえなかったですね。『人生ゲーム』みたいに、家族みんなで遊べるものならアリだったんでしょうけれど。その代わり、文房具や本、漫画に関しては制限がなかったな。当時もあまり裕福ではなかったけれど、それでも週に1冊は本を買ってもらっていました。小さいころは『ムロタニ ツネ像』さんのホラー漫画にハマっていて、かなり残酷な描写もあったんですが、『こういうジャンルはだめ』と止められることもなく、ずいぶん自由に選ばせてもらいました。今の仕事をしていても、それはすごくよかったなと思いますね。そういえば小さいころ初めて書いた小説もホラーものでした。少年少女が出てくる物語なんですけれど、最後はちゃんと霊が成仏して、ハッピーエンド、みたいな」

——ご両親から、「これを読みなさい」と指示されることは?

「なかったですね。5歳くらいから『オバケのQ太郎』を読んでいて、あとは手塚治虫、藤子不二雄などもくまなく読んでいました。小説に関しては、『ホームズ全集』『ルパン全集』『少年少女小説全集』があって。あとは宮沢賢治とか日本の古典的なもの。それを順番に読んでいたくらいで、文学的なものは、それくらいしかねだらなかったな」

——ばななさんのご両親は、だめなものはだめだけれど、いいものに関しては自由にさせてくれる感じだったのですね。例えば吉本隆明さんの著書「ひきこもれ」で、ご自身の教育方針について「子どもの時間を分断しないように心がけていた」という主旨のことが書かれていますが、当時、その実感はありましたか?

「確かに、遊んでいるときに父に頼まれごとをされたり、お使いを頼まれたりしたことってなかったですね。そもそも父は昼間は家で仕事をしていたし、私も学校から帰ったら近所の友達の家で遊んでいたので、それほど交流することはなかったんですけれど。でも、母は父の1,000倍くらい口うるさかったので、それでプラマイゼロでしたね(笑)。自由すぎず不自由すぎず、なんだかんだで母がバランスをとっていたような感じ。父の著書では、その点については触れられてないんですけれどね」

やたらと凝っていたお母さんの冷蔵庫メモ

——当時、お母さんとの交流で、何かモノを介してコミュニケーションをとっていた思い出はありますか?

よしもとばななさん

「母は出かけるとき、メッセージカードを書く習慣があったんです。ほら、よく冷蔵庫に張ってあるようなメモってあるでしょう。母の場合、それがものすごく凝っていて、絵が飛び出すしかけがあったり、絵がたくさん描いてあったりとかなりクリエイティブなカードでした。おかげでつまらない留守番も、楽しみになりましたね。あれは記憶に残っています。まだどこかにとってあるんですよ。母も、最初は子どもを楽しませるためにやってくれていたのだと思うけれど、完璧主義なので、どんどんのめり込んだんじゃないかな。私が3歳とか5歳のころの話ですね」

——では逆に、母親であるばななさんが、息子さんと自分をつなげているなあと思うツールはありますか?

「iPadですね。私は3を持っているのですが、古いヴァージョンのものを息子に貸しているんです。クラウド上でつながっているから、彼がアプリを入れると、私のiPadにも全て反映されるんですよ。『こいつは今こんなものに興味があるのか!』と分かるので、これがなかなか面白い(笑)。3ヶ月前はパントマイムのアプリで、今はマジックショーや太鼓のアプリ。この傾向を見ていると、大道芸人になっていくのかな? 彼は9歳になりますが、すでに独自の人生を歩んでいますねえ。それにしても、なんだか近未来っぽいつながりですよね。現代っぽいというか」

「喫茶ばなな」、誰かつくって!

——お話を聞いていて、モノを介したコミュニケーションには、時代性や親子のあり方が見えてくるんだなあと思いました。そんな環境で、ばななさんは幼いころからずうっと小説を書かれてきているのですよね。はたから見れば、幼いころからの夢を叶えているようにも見えるのですが。

「夢というより、現実ですからね」

——子どものころから小説を書く現実が先にあり、それを柔らかく整えてくれる環境で育った、という印象です。では今のばななさんにとって、叶えたい夢はありますか?

「うーん! なんだろうなあ。健康でいたい、とか、そういうことならあるんですけれど。小説を書く以外に、こうしたいということもなかったので。あ、でもお店はやってみたかった。スナックと喫茶店の中間みたいな。そのお店のオーナーになって、私は客のようにそこにいたい(笑)」

——「喫茶ばなな」! 家以外の、ちょっとした居場所みたいなものですか?

「1日中家で書き物をして、晩ご飯を食べてという生活をしていると、さあ寝ようと思ってもなかなか眠れないんですよ。逆にそれが得意な人もいて、さくらももこさんは『むしろ出たくない』っておっしゃってましたけど。私は外に出たいですね。まあ、息子につれ回されてお台場でゲームしたりもしますけれどね。でも音がすごいし、私は人ごみが苦手だし……だけど彼は行きたがるから、やむなく連れて行きます。この間なんて、息子とゾンビを撃つゲームをしていて、もうムチ打ちになるかと思いましたよ!(笑)。でもすごく嬉しそうだから、かなわないなあって。こっちはへとへとですけれど」

よしもとばななさん

——外出が息抜きになるどころかへとへとに(笑)。喫茶ばなな、今からでも遅くないのでは!

「ねえ。誰かやってくれたら行くのになーって思います。お友達の間でも『やろうよ〜』なんて話にはなるんですけれどねえ、なかなか。友達がやってくれて、そこに行くのは夢ですね。ずっと続いている、叶えたいような夢、ですね」

——なんだか他力本願な感じもしますが(笑)。「喫茶ばなな」は有志に任せるとして、ばななさんには、ぜひこれからもすてきな作品を期待したいです! ありがとうございました。

Information

「ゆめみるハワイ」(世界文化社)

「ゆめみるハワイ」(世界文化社)
定価1,300円
著:よしもとばなな 写真:潮千穂

よしもとばなな公式サイト

2017

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2017/02/20

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