LinearLiner

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第5話 試作を作ろう


「理論上では、リニアは既に浮いて走っている」
平面上の設計図を完成させたNは立体の試作製作に着手した。

まずは磁石を探す。通常の試作製作なら磁石もメーカーに発注するところだが、なにせ時間がない。
そこでNは街に出た。そう、大人の工作の部材が揃う場所といえばここ「東急ハンズ」。
さすがハンズ、イメージしていたマグネットバーと円形磁石が売っているだけでなく、この2種類の磁石の厚みが同じという素晴らしいおまけ付き。

「とにかく作ってみよう!」鉛筆書きの設計図を元に、車両を作り上げていく。
センサーやコイル、電池、浮上用の磁石を配置し、メインスイッチを付けてフタをする。
レールも買ってきたマグネットを埋め込んだ簡易レールを製作した。

出来上がったサンプルをテストレールにそっとのせてみる。。。

浮く!しかしズレる!!

磁石の反発によって浮いた状態は不安定で、中空に留まり続ける事が出来ず、レールから車両がそれてしまうのだ。

「なるほど、側面に壁を作る必要があるな。そうなると車両が壁に直接当たらないしくみも必要か。」

解決策として、車両の側面にローラーを設置、レールは通常のレールトイのような平たいものではなく、両側面に壁を作った。
側壁の高さを決める事も重要だ。高速走行を想定しているため、カーブ時の遠心力や何かの衝撃の拍子に車両の高さがずれてローラーが側壁に乗っかってはいけない。

「浮いて走っている姿を見てほしいのに側面が見えないとどうしようもない、レールは透明素材にしよう」

こうしてようやく形になった試作1号機、ドキドキの瞬間がやってきた。

「おぉ!!」
レールからわずかであるが浮いたリニアが、前に前に進みだした!
これまでの苦悩や研究が、閃いたアイデアが、今1つの結果となったのだ。

この時3月3日、リニアに憧れた男たちの夢は、女の子の節句に花開いた。

やっとここまで来れた。そうリニアライナーは浮いて走った。
ただ、この時の感想を一言・・・

「遅い」

 

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