LinearLiner

TOP > 開発日記:第7話

第7話 いざ、富山!

3月も終わりに差し掛かった頃、ついにその日がやってきた。
タカラトミー代表取締役社長(当時)富山幹太郎へのプレゼンの瞬間。

なんとか浮上走行にこぎつけたリニア。
プレゼンにはエンドレス走行ができるようにコースもオーバル1周分を用意した。

お披露目の時が、きた。
浮上・走行理論の説明を始めるN。
さえぎる社長。
「いいから、実物を見せてくれ」
説明よりもまずは実物、初めて商品を見るお客様の気持ちになっての一言だった。

デモ走行に切り替える。
浮いた、走った!
社長の顔は、、、、、、け、険しい。

「遅いよね、これ」

その通りだった。
開発当初のヨチヨチ歩きから比べれば随分とその速度を上げはしたが、
「夢の超特急」と呼ぶには遅かった。

なんとか経緯を説明するNとS。
まずは実現不可能と思われた磁力浮上・走行の可能性を見いだせた事。
幾度にわたり試作を制作、やっとここまで漕ぎ着けた事。
これから研究を重ねればスピードも上がる見込みがある事。(これは半分勢いで言った)

何かを考えている様子でずっと俯いて話を聞いていた社長、
ゆっくりと顔を上げて、この日初めての笑顔を見せながらこう言った。
「じゃあ6月おもちゃショー、お願いね。メインで出すから」
「あと、商品化だけど、9月いけるかな?」(※2014年当時の話です)

「目から火が出るかと思いました。」Nは語る。
残りたった3か月で、誰もが納得するスピードに仕上げなければならない。
しかも、発売を9月??どう考えてもそれは不可能だ。

まさに一大事。
スピードの課題は残しながらも及第点はもらえた事に安心を感じる間もなく、
時間が足りなくて、足りなくて、震えた。

ページの終わり