LinearLiner

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第8話 Road to DREAM

2014年6月のおもちゃショーまでは残り3か月、課題は盛り沢山。

展示にあたり、車体のデザインを決めなければならない。
コースはどうしようか。
そして最大の課題、スピード。。。

車体のデザインについて、社長へのプレゼン時はデザイン画はあったものの(第7話画像)
立体物にはなっておらず、おまんじゅうを二つつなぎ合わせたような形をしていた(第5話画像)。
そして、立体化したこのデザイン(今回の画像)、未来感とどこか懐かしいロボットアニメのデザインのような感覚を覚えるのではないだろうか。
Nの中に、長年タカラやトミーで経験してきたロボット玩具のデザインイメージが夢見た未来として映っていた証でもある。

コースについてもまさかの事態。開催日の前々日に造作・施工を終えた、はずだったのだが、、会場の床面に傾斜があるのか、いくらやっても傾きが出てしまう。
少しでもスピードを出す為に水平をとることは欠かせない条件であり一度作ったコースは作り直し、、、かつ最後まで微調整が必要となった。

コースにはスピードメーターを設置し、来場者に数値を目で見て楽しんでもらえるよう工夫した。
このスピードもスケールスピードで表示しているが、元となる実車は存在しない。
では何を基準としたスケールなのか。これは車両に人が乗ると仮定した場合の車高から算出している。
今回は1/100スケールと定め、速度もその縮尺で表示する事に決定した。

さて、肝心のスピードである。
マグネットの強さ、厚み、形状、マグネット間の距離、コーナー半径、コイル選定、センサーの精度、、気が遠くなるほどのトライ&エラーを繰り返したがスピードが上がらない。
今回設定した1/100のスケールスピード、これでL0系の最高運転速度時速500kmを達成することを目標としていたが見た目のスピードはプラレールよりも遅かった。

「どうしてもスピードが上がらない。浮くだけならこんなにも浮いているのにこのままでは超高速走行は夢のまた夢に終わってしまう。。。」
実は、この言葉の中にこそ超高速走行実現への鍵が隠されていた。

リニアモーターカーは浮いて走るもの、浮いている高さは高ければ高い方がいい。
そんな風に考えていたNとSは浮上の高さには強くこだわり、様々な条件を試す中で浮上の高さは一定に保っていた。むしろここを変えるという事はスッポリ頭から抜けていた。

おもちゃショーも直前にせまった6月、それは本当に偶然の出来事。
その日のリニアはいつもよりも浮上が低かった。
それはほんの数ミリの差であったため二人はその事に気づかないまま走行テストを開始した。
「あれ、なんかいつもより速くないか??」
計測してみると、確実に速度が上がっている。
はじめは何が要因かわからなかった。
車両を分解してみると、車両の浮上用の磁石をいくつか入れ忘れていた事が判明した。
これが影響し、車両の浮上の高さを低くしていた事に気づいたNとSは衝撃を受けた。
「今まで俺たちは、リニアを浮かせ過ぎていたのか・・・」

そこからは浮上の高さと得られるスピードのバランスを取るテストに終始した。
導き出した浮上の高さは、約2㎜。
想定していたスケールスピード時速500kmの走行が安定したのは、おもちゃショー前夜の事だった。

何日も夜通し続いた調整作業の末迎えた東京おもちゃショー2014。
タカラトミーブースの入口一番手、最メインのステージでプロトタイプのリニアライナーは疾走した!
来場者の注目度は高く、食い入るようにその走行を眺める人だかりの山。
中には磁力浮上走行を疑い、空気が出ているんじゃないかと手を近づけ確かめようとする人も。
「確かにそれも半年前までは考えてたけどね、それじゃ夢がないじゃない!」

流通、一般の来場者そのどちらからも思った以上の高評価を得、社長もご満悦。
「で、商品化はいつ??」

 

やっとプロトタイプが走ったその瞬間から、新たな道のりは始まっていました。
新しい開発担当者への引継ぎ、L0系へのデザインチェンジ、車両の増加、ステーションという新たなチャレンジ安全な製品を世に送り出すための様々な基準、類を見ない数の磁石の発注、工場での量産本当に本当にたくさんの課題を乗り越え、本日9月30日、リニアライナーは皆様のお手元に届きます。

製品化への道のりについても、またいつかの機会で皆様にお伝えできればと思います。
リニアライナー開発日記、第1部はこれにておしまいです。

あの日描いた未来の乗り物、浮いて走る夢の超特急をご自宅で楽しめる日がついにやってきました。
浮いて走る姿、そしてそのスピードを是非体験して下さい。
部屋の明かりを消して、お酒でも飲みながらゆっくり楽しんで下さい。
お子様やお孫さんに仕組みを教えながら、みなさんの未来についても語ってみて下さい。

それではリニアライナー、出発進行!!

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