【バトル攻略コラム】

ウィクロスアカデミー

発売日まで待ちきれない!「PRISMATIC DIVA」のセンタールリグ5人について考えよう!!

みなさまこんにちは。
もしくはおはようございます、あるいはこんばんは!
4回目の講師を務めさせていただく「てらたか」と申します。


今のところは梅雨で不安定な天候ですが、まもなく夏が到来しますね!
冬に聞くには厳しい寒さだったウルシハ講師のギャグも、
暑くなった今なら心地よく聞くことができるかもしれません。
新作を期待しています。

さて夏が来るといえば、それすなわち七夕が近いということです。
ここでこっそり自己紹介をさせていただきますと、

  • 主な公式大型大会入賞戦績:2018年の「ウィクロス七夕まつり」WIXOSS CEREMONY オールスター七夕裏トーナメント優勝など
  • ライターとして初めて執筆した記事:上記の七夕裏トーナメントで優勝したデッキレシピの解説記事

となっておりまして、僕が今ここで文章を書いているという事実と
七夕というイベントとは、実は切っても切れない縁があります。

え、た、七夕トーナメントでの表彰式……? 織h……すみません、
ちょっと記憶にないですね……。


そんな七夕の直後、7月9日(土)に発売されるのが「PRISMATIC DIVA」
このセットでは5人のセンタールリグが追加され、
オールスタールリグも全員集結まであと少し。

「花代」「緑子」といえば
第1弾「サーブドセレクター」のころからのファンが大勢いるルリグですし、
「リメンバ」は言わずと知れた人気投票No.1。(ウィクロスチャンネルアンケート調べ)
「ハナレ」も「ミルルン」も
特徴的な能力や見た目からコアな人気が強いルリグで、
特に「ミルルン」なんて元々アイドル気質なルリグなので
ディーヴァセレクションの雰囲気にぴったり!

この5人のルリグの登場を待ち望んでいた人は、
かなり多かったのではないでしょうか。
筆者の周りでも、まだかまだかと延々と呻いている人を何人も見ました。

そんな待望のルリグたち。
情報公開されたからには使い方を、コンボを、
そしてデッキを考えたくなるのがデッキビルダーのサガです。
何より、発売から1週間も経てば待望のディーヴァグランプリ3rd
カードを手にしてからじゃあ間に合いません、一刻も早く研究に着手せねば!

というわけで、最新5ルリグの戦い方、今から考えていきましょう。

やはりピルルクの天敵!? 手札の安定供給で戦う《共宴の巫女 リメンバ・ディナー》!

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ルリグの起動能力に追加コストをかけて《コード ピルルク・Ω》の手札破壊速度を大きく鈍らせる《星占の巫女 リメンバ・ナイト》であったり。
とにかく大量ドローとデッキトップの確認を行ない、手札破壊行為そのものに強力な耐性を持つ《来夢の巫女 リメンバ・ミッドナイト》であったり。
昔から、リメンバには一貫して「特にピルルクが嫌がるであろう能力」が書かれています。劇中での関係性がこんなところにも影響を与えているわけですね。

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それでは今回のリメンバはどうでしょう。
毎ターン1回の起動能力で手札を1枚増やし、ルリグアタック時に相手シグニ1体をダウン凍結し、ゲーム1でルリグとシグニの能力を消す。
うーん完璧!
相手の手札をできるだけ奪い、ルリグの能力を活用することで点数要求を生み出すのが《コード・ピルルク・xi》の戦い方。
奪われても奪われても毎ターン手札を追加1枚しつつ、センタールリグとシグニの能力を消すことでダメージを抑え、そして本来場を張り替える回数を抑えて手札枚数をキープしたいピルルクに対してダウン凍結と能力消しで強制的に場を並べなおさせる。
やっぱり今回も、ピルルクが頬を引きつらせそうな能力ばかりですね。

と、ピルルクとの関係性はここら辺で一区切りつけて対戦面での性能を話しますと、これらの能力は非常に高い安定性を持っています。
場からいなくなってほしいシグニはダウン凍結で無理矢理働かせないようにできるため、ダメージソースに暴れ回られることがない。
ルリグの能力を消せばデウスやエクスなどのルリグを主軸に動くデッキに対して猶予ターンを確保することも可能。
デウスやエクスの能力を咎めるルリグとして前弾の《メル=チアーズ》がいましたが、色も違えばリソースの作り方も大きく異なるので一概に比較することはできません。

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そんなリメンバは昔から凍結軸で戦っていたルリグですし、せっかく今回も毎ターン凍結と書いてあるんだからパッと見ると凍結軸のデッキを組みたいような気もします。
ですが、実は従来の凍結軸のデッキとはそれほど相性が良いとはいえません。
というのも、ディーセレ(ディーヴァセレクション)における従来の凍結軸は、《羅輝石 ロイヤルブルー》《蒼将 ブラダマンテ》《SPINNING HARMONY》などメインフェイズのうちの凍結が重要なデッキが多いためです。
一番処理したいシグニを《羅輝石 ロイヤルブルー》などの対象に取るためにさっさと凍結し、さあルリグアタックだぞというところで凍結するシグニはなんとなく残ってた小型シグニ……というのも、もにょもにょしてしまいがち。
凍結関連のテキストを持っているのがほぼ青だけであるため、ディーセレだと色の選択が難しくなってしまうのも締まらないポイントです。

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凍結軸で好相性なカードというと、凍結シグニをエナフェイズにどかす際にリソースが奪える《羅星姫 オリオン》などを活用した、行動妨害に重きを置いた構築をすることになるかと思います。

ただ個人的な意見を話しますと、凍結軸であるかないかは関係なく、ディーセレのリメンバは妨害と耐久にステータスを伸ばしたほうがよさそうに感じます。
《天翔 ノヴァ》《タタカイススム バン》《でじたるあーや!III》などに代表される「1ターンに1回アドバンテージを得る」タイプの能力は、当然ですが戦うターンが長ければ長いほど多くのアドバンテージを獲得できます。
毎ターン1枚手札補充、毎ターン1面凍結と2つも各ターン発動する能力を持っているリメンバも、この例に漏れず長期戦を見越した構築をしていくほうが良いのではないか、というわけですね。

月並みな意見ではありますが、《聖天姫 エクシア》《コードハート リメンバ//メモリア》といった白ルリグ御用達の耐久系シグニはやっぱり好相性なはずです。
大型のアタックトリガーの正面に《聖天姫 エクシア》を置いてルリグアタックでその正面を凍結していくだけでも、結構いやらしい妨害になることでしょう。

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ただ、相手シグニの能力を消す、つまり相手側の《聖天姫 エクシア》やシャドウを無力化する能力をせっかく持ってるんですから、それを有効活用するための最低限のダメージソースもあって然るべきです。ここを有効活用できないと、それはそれで《天翔 ノヴァ》との差別化が結構難しくなってくる印象があります。

ロングゲームにおけるサーバントの供給、ルリグで手札を増やしていきシグニで手札を捨てて要求と、前弾で登場した《聖魔姫 オロチマル》はこの需要をうまく満たせるカードになるのではないでしょうか。

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変わり種だと、毎ターンの起動能力でデッキを大きく回転させられることを生かし、デッキ内部を参照するカードで戦っていくのもおもしろいんじゃないかと思います。
《コードメイズ レースコース》でデッキ一番下から強力なシグニを引き出したり、《コードラビリンス アト//メモリア》を引かないようにデッキ下に送りやすくしたり、デッキ順を覚えて《羅植姫 ゴーシュ・アグネーゼ》を確定ヒットにしたり、特に緑と絡むといろいろと楽しいことができそうです。


毎ターン手札をひとつ多く供給しながら戦うことができるため、安定性で言えば随一のルリグです。耐久と要求のメリハリをきちんとつけて、うまく使いこなしてやりましょう。

ビートダウンならお任せあれ!《火露炎 花代・参》!

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「露(あら)わな火炎」という花代らしいフレーズの冠詞「火露炎(ひろうえん)」。
こう書いて読み方が「披露宴」になるという脱帽のネーミングセンスと共に登場したLv3花代。
点数要求に絡む能力がふたつに自傷でのリソース供給と、まさにその攻めっ気をテキストでも体現した苛烈なルリグです。

一応、相手シグニ1体バニッシュとゲーム1能力での1枚手札補充&アサシンorダブルクラッシュ付与を使えば普通のルリグぐらいのリソース量は作れているも同然ではあります。
こちらを主軸にして、安定感のある要求を持った赤ルリグとして使うのも悪い選択肢ではないでしょう。

例えば、2エナでグロウできる1面除去のアタックフェイズアシストとライフクラッシュ能力を合わせると、実質的にそのアシストを「2エナ1面バニッシュor1エナ0面防御1面バニッシュ2ドロー」のアシストとして使い分けるような感覚で使用可能。
これによって防御の尺を相手に合わせながらゲームメイクができるようになります。

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《アキノ*パー》《MC.LION-DOPE》《ブレイブリー・ヒロインズ》を組み合わせて、より細かくダメージレースを調節することもでき、これは中々トリッキーな戦い方です。
ひとつ前の試合で5面防御ぐらいの硬いデッキとして戦ったかと思えば、次の試合では実質3面防御の強力な攻めをするデッキとして戦う……なんて芸当も、もしかしたら可能かもしれません。

ただ、「ライフクラッシュしてリソースを手に入れる」というテキストで多くの人が実際に考えるのは、リソースを全力で使って相手をなぎ倒す速攻なのではないでしょうか。

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となると当然、こういうゲームテンポを速めるシグニは好相性です。
なんなら《轟炎 フレイスロ団長》のテキストは花代のライフクラッシュ2ドローと一緒に使うことを想定して書かれているのではないかとさえ思えます。

とは言えども、ここら辺のシグニを使うだけならもっと他の選択肢があるというのも確か。
例えば環境で暴れているいわゆる「ダッシュヒラナ」は、同じく高速での殴り切りを目指した強力なデッキタイプですね。
《頂点へ一歩 ヒラナ》のゲーム1能力がある限り、ルリグアタックの点数要求量ではどう頑張っても勝てません。
さて、これと差別化するにはどうすれば……?

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ダブルクラッシュは、その答えのひとつになるのではないでしょうか。
ルリグアタックの総量で勝てないならシグニが与える点数で差別化するしかありません。
幸い花代にもダブルクラッシュを付与する能力が付いていますし、ライフをクラッシュすればエナも手札も作れるわけです。
ここはいっちょ増えたリソースから破壊的なシグニを並べたいところです。

ところで、花代のゲーム1能力によるアサシンorダブルクラッシュの付与、運ゲーで安定しなくて微妙だなあと思ったりはしてませんか?

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確かに何の準備もせずに発動したら運勝負ですが、ディーヴァセレクションではチームCard Jockeyのおかげで「特定のカードをデッキから引っこ抜く」というノウハウが確立されています。
荒業を使うと、構築の段階でデッキ内の非LBの比率を上げて成功率を高めるなんて芸当もできたりします。できる限り付与したい能力が付与できるように、いろいろと構築段階から考えてみると、思ったより高い成功率を叩き出すことができるはずです。


一見すると使い方が難しいルリグですが、1点要求=2~2.5リソース程度で換算すれば実は総リソース量で他のルリグに負けているということもないですし、工夫次第でいくらでも化ける可能性を秘めています。
ハイスピードに攻めるもよし、中速ぐらいのゲームメイクをするもよし。自分色の花代を作り上げてみてください。

莫大リソース獲得なるか!? 新生・スペルの女王《ミルルン・セツナ》

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以前に登場した《ミルルン・ヨクト》《ミルルン・モル》といったオールスターのミルルンたちは、圧倒的な量のスペルを用いてゲームを支配してきました。
スペルで相手の手札をすべて叩き落とし、スペルでこちらの手札もエナも潤沢にし、そして相手のスペルは封殺。
ミルルンは環境に存在する限り、いつでもスペルの女王でした。

その例に漏れず、ディーセレのミルルンもまた最強のスペルの使い手候補です。ちょうど《ミルルン・ヨクト》を小型化したような能力にゲーム1のスペル踏み倒しが合わさることで、ターン数の短いディーセレらしいド派手で華やかなカードとなりました。

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「スペルを最大で4コスト分踏み倒す」というテキストを見たとき、まず考えるのはやはり3アドバンテージ獲得スペルを使った膨大なリソース獲得でしょう。
平均的なルリグの獲得リソースは4~5枚程度であることがほとんどですので、デッキからこれら2枚を撃ち込むことができれば、ミルルンの獲得リソース総量はそれだけで従来のルリグを上回ることとなります。
あとは膨大な手札から《轟炎 フレイスロ団長》を発射するもよし、重量級ピースや手札破壊に回すもよしです。

問題は、これらを使用すると自分のデッキを一気に7~8枚も削ってしまうこと。
ディーセレにおけるリフレッシュ1点はかなり大きいので、ミルルンのゲーム1でアドバンテージを得るのならこの問題とはしっかり向き合わなければなりません。
リフレッシュに到達する前にゲームを決めるか、リフレッシュ回避用のカードを使うか、リフレッシュ前に相手の攻撃を全弾受けてもいいようなアシスト構成にするか。使い手の手腕が試される点のひとつです。

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無論、多少リソースの獲得数を減らしてもいいから除去や蘇生・回収を撃つという選択肢だってありえます。
コスト4以下のスペルはとりあえずひととおり漁って、コンセプトに適したスペルを採用していきましょう。

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デッキの上から10枚の中に目的のスペルが入っていない状況のケアも考えるべきです。
一気に6リソースを獲得しようと思って3つしか獲得できなかったり、あるいは最悪の0リソース状態になってしまった場合、そのゲームは苦しいをとおり越してもはや敗北が近いとさえ言えます。
たとえ勝っても気持ち的には負けた気分になってしまうかも……。
これをケアする方法としては、スペル枚数を増やす、《蒼天 ヘケト》《コードアート Gラボ》などで見る枚数そのものを実質的に増やすなどの方法が挙げられるでしょう。

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ちょっとおもしろい使い方だと、ゲーム1能力でスペルを2枚使えることを生かして《コードハート LION//メモリア》の覚醒条件を《ハウリング・シャウト》なしで達成するなんてこともできそうです。エナコストの白白の確保という点さえ上手くクリアできれば、《ハウリング・シャウト》と合わせて毎ターン《コードハート LION//メモリア》覚醒なんてことも不可能ではありません。

ある程度めくりたいスペルを軸に構築を考える必要のある、従来とは違ったデッキの組み方が必要なルリグです。
うまく使いこなせれば、スペルの女王の復権を初めて目にするのはあなたかもしれません。

あふれ出る力で豪快な詰めを! 破壊神《参上 緑姫》

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今回のリメンバはやっぱりピルルクを攻め立てるルリグで、花代は高い攻撃力でのビートダウンを行ない、そしてミルルンは《ミルルン・ヨクト》を彷彿とさせるルリグです。
それぞれが過去からの特徴を継承するなか、緑子が得た能力は《大器晩成》《大願成就》の合いの子のような豪快な除去能力でした。

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自シグニの強化という類似点も相まって、イメージ的には《開けし扉 アト=トレ》と似たような性質に見えます。
ただ、あちらがエナ送りなのに対しこちらはトラッシュ送り&エナ破壊、あちらは使用後の2エナチャージで後続がある前提だがこちらはエナをすべて使い切る、などなど結構違いがあるので、単純比較は実は難しいです。
破壊力、ひいてはフィニッシュ能力という点で話せば、相手のリソースをそぎ落としアシストさえ封殺しうる《参上 緑姫》のほうが言わずもがな上でしょう。

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フィニッシュ時のダメージソースこそ《参上 緑姫》自身のゲーム1能力で賄うことができますが、一転してルリグ自身にアドバンテージを生み出す能力はなく、またフィニッシュに移行する前段階に点数を詰めるダメージソースも持っていないので、アシストやピース、メインデッキでうまくそこらへんを補完してあげなければいけません。
そんな緑子にとって、《花代・桜》《マキナウィングスラッシュ》のような除去とリソース回収を両立できるアシスト、またリソースを大きく獲得できるピースなどは非常に重宝するはずです。

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幸い、Lv3にグロウした際の能力によって、手札が増えてもある程度エナへの変換ができる親切設計になっています。
早め早めに決着を付けるという想定であれば、ライフバーストをリソース獲得に寄せてゲーム1能力の爆発力を引き上げるという選択肢も考えられるのではないでしょうか。

ディーヴァセレクションというレギュレーションはライフバーストの運が大きくゲームに左右し、逆を言えばある程度はライフバーストありきでデッキを構築していかなければならない部分もあります。戦略に合ったライフバーストを選択していくというのも重要項目なので、通常テキストだけに拘らずにデッキを組んでいきましょう。

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コンセプト上「エナ破壊で相手のエナをすべて奪い取り、アシストを踏み潰して勝つ」というのがゲームの理想形となり、一方で「ゲーム1を使う前に相手に防御アシストを吐き切られ、多めのライフが残されてしまう」ような展開はできる限り避けたいところ。

そのため、ゲーム1能力を使うまで相手がアシストを吐きにくいような構成にしておくことが求められます。
青や赤を絡めて事前段階から小刻みにリソースを奪う、緑特有の高パワーシグニで相手が除去にかけるコストを多くする、アタックトリガーを優先的に使用して事前にエナを渡さない、ダブルクラッシュで脅しをかけて安易にアシストが吐けないような状況を作るなど、アプローチの方法はさまざま。
採用アシストの色と相談しながら、相手の防御力が機能不全に陥るようなゲームメイクを心掛けていきましょう。


豪快にエナを使って豪快に要求を行なう、緑らしさに溢れたルリグが《参上 緑姫》です。相手のリソースを一気に押し潰す気持ちよさをぜひ体感してみてください。

アドバンテージは出来高制? 仕事人に微笑む《掌握の冥者 ハナレ》

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やりたいことが見えてきやすい他のルリグたちと比べると、かなり曲者っぽく映るのが《掌握の冥者 ハナレ》でしょう。
バニッシュではなく相手シグニ1体のマイナス値の倍化。
トラッシュ送りではなくパワーマイナスによる除去のトラッシュ送りへと変換。毎ターンの起動能力で火力が飛ばせるんだな、というところぐらいしか分かりやすいテキストがありません。
この能力がしっかりアドバンテージを稼げる能力なのかは、一度しっかり考えてみなければなりません。

結論から話しましょう。このハナレ、「アドバンテージは出来高制」が合言葉になっています。

例えば、出現時能力を分かりやすく書くと「相手シグニ1体に対し、1回分のマイナス能力で2回分のマイナスをかける」になります。
マイナス能力はいくつか組み合わせて除去を行なうことが多く、例えばパワー12000のシグニを除去したいのであれば2~3リソース分ぐらいのマイナスカードを組み合わせないと除去が行なえません。それを1~1.5枚分程度のリソース消費で除去できてしまえば、これで1~1.5枚分のアドバンテージを得たと同義であることが分かるはずです。

ゲーム1の起動能力もそう。「相手シグニをバニッシュすればそれがトラッシュ送りになる」ということは、「相手シグニを3体パワー0にすれば、それで相手のリソースを3つ奪えるから最大3枚分のリソース搾取である」わけです。

撃つだけではアドバンテージを生み出さないが、ちゃんと除去を頑張れば頑張ったぶんだけ大きな報酬がついてくる。働き者にのみ笑いかけてくれるのがこのルリグなんですね。

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そんなハナレのオールスターでの相棒は《フィア=パトラ》。となれば、リメイクカードである《ドライ=パトラ》を使ってあげたいのが人情というものです。
実際のところ、これらは相性のいいコンビといえるでしょう。
《掌握の冥者 ハナレ》のターン1能力と《ドライ=パトラ》の-10000は組み合わせればぴったり相手のLv3シグニが除去範囲となります。

-10000といえば《惨之遊姫 ジンロウ》なんかも対抗に上がってきますが、ゲーム1能力との相性はアタックトリガーよりもメインフェイズ除去のほうが断然よいため(ゲーム1能力を使ったターンにアタックトリガーを使って要求すると、アシストやライフバーストで守られてしまった際に相手シグニをトラッシュに送ることができないため、奪えるリソースの総数が減ってしまう)、除去効率だけでの比較は困難です。

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せっかく最大3リソースも奪えるゲーム1能力を持っているのですから、手札破壊あるいはエナ破壊を同時に行なうことでどんどん相手を苦しめていきたいところ。
リソースは、早めに奪えば早めに奪うだけ相手にとって辛い時間が伸びていきます。個人的には、ぜひとも軽量のリソース奪取カードを絡めて、真綿で首を締めるようなゲーム展開を作り上げていきたいです。

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さて、ハナレは出来高制のルリグと書きましたが、デッキトップから落ちたカードのレベルによってマイナスの数値に変動がある以上、デッキトップの操作によってもその出来高は変わるというのは押さえておきたいポイントです。

SRでないカードを2回もプッシュしていますが、最新弾のルリグはリメンバにせよミルルンにせよハナレにせよデッキトップが重要なルリグが本当に多いんです。
もともと安定性を高めるという意味で強力なカードではあった《蒼天 ヘケト》ですが、今後はいろいろなところで採用候補に挙がるカードとなるのではないでしょうか。

黒ルリグは《デウス・スリー》の影響力が強く、まずはデウスとの差別化から! というスタートになりがちな色ですが、ハナレは「ルリグ自体がリソース搾取役を果たす」という明確な差別化要素を持っています。その長所を生かせるような構築を心掛けていきたいですね。

まとめ

というわけで、5人のルリグの戦い方を考えつつ、相性のよさそうなカードも色々とピックアップしてみました。

少々トリッキーな能力が多い今回の面々ですが、ちゃんと考えてみれば取るべき最低限のリソースはしっかり取ることができ、そして特徴的であるがゆえにうまく噛み合うカードを見つければ膨大な費用対能力が得られるようなルリグばかりであると思います。
実は筆者も、最初に《火露炎 花代・参》のテキストを見たときは「これで本当に戦えるのか……? マジで……?」とかーなーり疑心暗鬼寄りだったんですが、今では「ゲーム1能力を有効活用するノウハウをうまく詰めればものすごく対応力の高いルリグになるかも」とウキウキしてきています。

特徴的な能力を、その特徴を損なわずに扱えるかどうかは、プレイヤーの腕の見せどころです。
今回いろいろと案を出してみましたが、これがすべての解答とはもちろんなり得ません。これから公開されてゆくカードで話が変わることもあれば、もっと相性がよいカードが見つかることもあるでしょう。
今は当たり前になっている環境トップデッキの「原子デウス」だって、《羅原姫 H2O》が出てすぐに組まれたわけではありません。常にカードリストとにらめっこして、自分なりに相性のよいカードを見つけていってください。

さすれば、次の環境トップデッキを作るのは、そこのあなたになるかもしれません。

タカラトミーモール