コラム
2025.05.29
ディズニーロルカナ 最新デッキ情報局 Vol.2
みなさん、こんにちは!ディズニーロルカナ 日本語版 運営チームです。
本コラムは「ディズニーロルカナ 最新デッキ情報局」と題しまして、「セット チャンピオンシップ」の結果を中心に、ディズニー・ロルカナ・TCGのメタゲームの最前線や最新情報を皆様へお届けしていく企画です。
「ディズニーロルカナ 最新デッキ情報局」では、「セット チャンピオンシップ」の結果を紹介し、初心者・中級者の方にも分かりやすい説明で、最新のディズニーロルカナゲーム情報を皆様へお届けしていきたいと思います。
開催2週目には70大会を超える「セット チャンピオンシップ」が開催されました。一体どんなデッキが活躍したのか。また、どのようなカードがキーカードとなっていたのか。前週からの変化はあったのかなど、一緒に勝利のカギを探っていきましょう。
それでは早速みていきましょう!
5/19~25開催 「セット チャンピオンシップ」優勝デッキ分布

1位 「アメジスト/ルビー」 40.6%
2位 「アンバー/スティール」 14.5%
3位 「ルビー/サファイア」 11.6%
4位 「アメジスト/エメラルド」7.2%
5位 「アンバー/エメラルド」 5.8%
5位 「アメジスト/スティール」 5.8%
7位 「アンバー/アメジスト」 4.3%
7位 「エメラルド/スティール」 4.3%
9位 「アメジスト/サファイア」 2.9%
10位 「アンバー/ルビー」 1.4%
10位 「サファイア/スティール」1.4%
前回に引き続き、優勝デッキ分布1位は「アメジスト/ルビー」の組み合わせとなりました。
序盤から優秀なキャラクター達で攻勢に出つつ、形勢不利となれば《BE PREPARED》で場を一掃…と、臨機応変にゲームプランを組み立てられるのが魅力的なデッキタイプです。
シェア率は前回と比較すると下がってきてはいますが、引き続き王者の位置に輝いています。
しかし、そのデッキ構築には、メタゲームに合わせた細かな変化が見受けられます。
その注目すべき変化とは、優勝者の多くがデッキの代名詞でもある《BE PREPARED》の採用枚数を3枚に減らしている構築だったことです。
これは、メタゲームが進み、アグロやミッドレンジよりも「アメジスト/ルビー」同士の対戦となることを意識していることが伺えるデッキ構築の変遷で、今後もメタゲームの流行・変化に応じてデッキのチューンが細かく変わっていくことが予想されます。

2位となったのは、「アンバー/スティール」の歌カードをコンセプトに据えたデッキタイプです。
《シンデレラ – 舞踏会の花形》や《アリエル – 麗しい歌姫》といった歌声を持つキャラクターと、各種アクション・歌カードを組み合わせ、テンポ良くカードを使用していく動きは非常に強力です。また、手札を使いきってからの《アリエル – 麗しい歌姫》に《A WHOLE NEW WORLD》を歌わせる動きは爽快感抜群です。
「アンバー/スティール」も、1位の「アメジスト/ルビー」と同様に前回からデッキ構築の変化が見受けられました。
多く見られたのは、アグロの減少を見込んで《剣をふるえ!》の採用枚数を減らし、その分《そこに登場、ゼウス!》の枚数を増やすといったチューンです。《そこに登場、ゼウス!》は、ロケーションにもダメージを与えられる汎用性の高いカードで、今後も活躍を多く見るカードとなりそうです。

3位には新顔「ルビー/サファイア」がランクイン。
サファイアの特徴である《魚の骨ペン》などのインクブースト(カードの効果で使用できるインク数を増やすこと)を活用し、早期から高コスト帯のカードをプレイしていくデッキタイプです。
インクブーストにより、本来よりも2~3ターンほど早く《タマトア – シャイニー!》や《マレフィセント – 怪物ドラゴン》などのフィニッシャーを場に出す動きは破壊力抜群です。
インクブーストからの高コスト帯カードに繋げていくというデッキの動かし方・プレイ指針も分かりやすく、使いやすいデッキタイプであることから今後も増加が予想されます。

4位は「アメジスト/エメラルド」が登場。
エメラルドの特徴といえば、手札破壊(手札を捨てさせる効果)です。
《アースラ – 騙し屋》は、「ルビー/アメジスト」ならば《BE PREPARED》、「アンバー/スティール」ならば《A WHOLE NEW WORLD》といったキーカードを捨てさせることができ、大きく対戦相手のゲームプランを崩すことができる1枚です。
環境上位のデッキ達に対して有効なカードを擁したデッキタイプの台頭は、ある意味自然な流れのようにも見えます。
前シーズン「フラッドボーンの渾沌」環境でも、段々とエメラルドの成績・使用率が上がっていったという流れがありましたので、「アメジスト/エメラルド」も今後注目のデッキとなりそうです。

《アースラ – 七つの海の騙し屋》は自身が歌を歌うたびに、その歌カードを再度プレイしてくれます。一度に2枚分の歌を歌うことで、ゲームに圧倒的な影響を及ぼします。例えば《FRIENDS ON THE OTHER SIDE》を歌えば4枚ものカードが手に入るのです。先程の手札破壊と組み合わせることで、相手と手札の差は広がる一方です。

デッキタイプ紹介
ピックアップデッキを見る前に、簡単にデッキタイプについて紹介いたします。
一言にデッキと言っても、その中には様々な戦略・方針があり、分類も何種類かに分けられます。
デッキタイプの基本指針・戦略を理解することで対戦がもっと楽しくなると思うので、まだ用語を知らない方は、こちらでぜひデッキタイプの名前や考え方を覚えてください。
アグロ
アグロとは、最序盤から低コスト高ロアのキャラクターを場に出し、積極的にクエストしていきます。《リロ – お願いごと》や《マレフィセント – 竜視眈々》、《ピノキオ – 注目のスター》はその代表格であり、キャラクター数で相手を圧倒します

ミッドレンジ
ミッドレンジとは、キャラクターとアクション、ロケーションなど様々なカードを駆使し、相手の動きに合わせてゲームを有利に進めていく中速デッキです。相手の攻めをさばき、防御を破る攻守万能さが魅力であり、じわじわとゲームの主導権を握っていきます。《ロビン・フッド – シャーウッドの英雄》はチャレンジと同時にロアを獲得できる攻防一体の1枚。変身により本来のコストよりも早期に場に出せるため、クエストによるロアレースも得意としています。

コントロール
コントロールとは、優先的に場のキャラクターを退場させていき、それと同時にカードを引き増すなどして盤石な優位性を築いていく防御的な戦略です。《BE PREPARED》は1枚で何枚ものキャラクターを退場させてくれるコントロールにおけるキーカードです。効率良くキャラクターを退場させ、《FRIENDS ON THE OTHER SIDE》でその優位を確固たるものとしましょう。

インクブースト
インクブーストとは、カードの効果でインクを加速させ、使用できるインク数を増やして早いターンに高コストのカードを使っていくことを得意とするデッキです。《魚の骨ペン》や《How Far I’ll Go》でインクを増やして、早期に《タマトア – シャイニー!》や《マレフィセント – 怪物ドラゴン》を場に出すことができます。

コンボ
コンボとは、複数枚のカードを組み合わせることで、単体の効果よりも大きな恩恵を狙う大振りなデッキです。各セットのカードを隅々まで見渡し、コンボのヒントを探していきましょう。《ジャファー – ド派手な幻術使い》で《A WHOLE NEW WORLD》を歌った瞬間を想像してみてください。たった2枚のカードで、新しい7枚のカードに加えて、7ロア獲得と破格の効果を得られるのです。


ピックアップデッキ
ルビー/サファイア

ブックオフ港北綱島西店:ゲニウス選手「ルビー/サファイア インクブースト」
「ルビー/サファイア インクブースト」は《魚の骨ペン》や《How Far I’ll Go》、《ベル – 美しいけど変わり者》でインクを加速的に増やしていくデッキです。インクを増やす=インクブーストすることで、相手よりも高コストのカードを早期にプレイしていきます。
《魚の骨ペン》は繰り返し使えるアイテムであり、使えば使うほどインクが増えていきます。
この「ルビー/サファイア インクブースト」は参加者48名の大会を優勝しており、確かな実力を持ち合わせています。人気の「アメジスト/ルビー コントロール」にも強く、デッキの潮流に合わせて確固たるデッキタイプが新たに台頭してきたのです。
《魚の骨ペン》でインクブーストできたものの、手札は枯渇気味になることもしばしば。そこで活躍するのが《ヒーラム・フラバーシャム – おもちゃ職人》です。
《ヒーラム・フラバーシャム – おもちゃ職人》は使い終わった《魚の骨ペン》や《アイスポー》といったアイテムを新たな手札へと変換してくれます。《マウイ – みんなの英雄》や《マダム・メデューサ – ザ・ボス》を引くチャンスが広がるのです。

序盤はインクを増やすため、相手のキャラクターは放置気味になります。アグロにキャラクターの頭数を揃えられてクエストされてはいくら《マウイ – みんなの英雄》といえど、チャレンジが追いつきません。
やはりアグロには1枚で場を綺麗にしてくれる《BE PREPARED》の出番です。このデッキでは《魚の骨ペン》などのインクブーストのおかげで本来よりも早いターンに《BE PREPARED》をプレイでき、一方的にロアを稼がれる心配がありません。このカードで攻守逆転を狙いましょう!

インクを十分に加速し、《BE PREPARED》でキャラクターを退場させれば、いよいよこちらが攻める手番です。《タマトア – シャイニー!》はこのデッキにおける不動のフィニッシャーであり、高い意思力と戦略に合致した能力を持ち合わせています。
《タマトア – シャイニー!》をプレイしたとき、またはこれがクエストするたびに、捨て札からアイテムカードを手札に戻せます。さらにこのキャラクターのロア値は自分の場のアイテムと同じ数プラスされます。場に出ている《魚の骨ペン》のみならず。《ヒーラム・フラバーシャム – おもちゃ職人》で退場させた《アイスポー》などを回収することで、ロア値を爆発的に増加させられるのです。
《タマトア – シャイニー!》が3回ほどクエストすればあっという間にロアが溜まります。それほどまでにゴージャスなロア値をもっています。

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アメジスト/スティール

アメニティードリーム新宿店:ぬら選手「アメジスト/スティール 歌コンボ」
「アメジスト/スティール 歌コンボ」は《ジャファー – ド派手な幻術使い》と《A WHOLE NEW WORLD》による一撃必殺を狙うコンボデッキ。《ジャファー – ド派手な幻術使い》が歌うことで7枚のカードと同時に、一気に7ロア獲得できるのです!
複数枚のエグザート状態の《ジャファー – ド派手な幻術使い》がいればその分効果が重複します。2枚場に出ていれば14ロア、3枚ならば21ロアと一撃必殺コンボの完成となります。
クエストでロアを稼ぐのも良いですが、コンボデッキでド派手にロアを稼いで勝利できるものディズニー・ロルカナ・TCGの魅力のひとつ。斬新なアイデアであり、素晴らしいデッキです!

もちろん、引いた7枚の中にさらなる《A WHOLE NEW WORLD》があればコストを支払ってプレイしても良し。再度、7枚のカードと7ロア獲得できます。
複数枚の《ジャファー – ド派手な幻術使い》を場に出すか、《A WHOLE NEW WORLD》を連続してプレイすることで、クエストせずに大量のロアを稼げるのです。

コンボの下準備としていかに早く《ジャファー – ド派手な幻術使い》を場に出せるかが焦点となります。そのためこのデッキには変身元となるジャファーが20枚も採用されています。事前に変身元を場に出しておき、5コストで《ジャファー – ド派手な幻術使い》へ変身したいという意志が強く垣間見えます。
大量のジャファーが採用されているため、《魔法のランプ》は優れた潤滑油として機能します。2コスト2枚ドロー(カードを引く効果)と低コストの割に引ける枚数が多く、《FRIENDS ON THE OTHER SIDE》と合わせてコンボ達成に向けて必要なカードを集めるのに役立ちます。

ここまでコンボばかりに目がいってしまい、相手のキャラクターへの対抗手段を忘れていました。《ジャファー – 秘密の管理者》はコストこそ4とやや重いものの、チャレンジを得意とするキャラクターです。
《ジャファー – 秘密の管理者》は意思力こそ高いものの、何と攻撃力は0。よくよくテキストを読むと手札にあるカードと同数の攻撃力とあり、状況によって浮き沈みの激しいキャラクターともとれます。
ですが、このデッキでは心配ご無用です。コンボパーツである《A WHOLE NEW WORLD》をはじめ、《魔法のランプ》や、《FRIENDS ON THE OTHER SIDE》、カードを引かせてくれるキャラクターが揃っており、一定の攻撃力が担保されているのです。《マウイ – みんなの英雄》もビックリの攻撃力で、積極果敢に相手のキャラクターへチャレンジしていきましょう。

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アメジスト/エメラルド

オリパーク:家系ぼっと選手「アメジスト/エメラルド 手札破壊アグロ」
「アメジスト/エメラルド 手札破壊アグロ」は低コスト高ロア値のキャラクターを多数展開し、積極的にクエストして効率良くロアを溜めていくアグロデッキです。エメラルドの特徴である手札破壊(手札を捨てさせる効果)を持つキャラクターを採用し、ロアを溜めながら相手の手札にもダメージを与えていきます。
《呪われた人魚 – アースラの被害者》はその筆頭であり、1コストで2ロアとアグロ戦略を支える1枚。攻撃力は0と相手のチャレンジで一方的に退場させられてしまいますが、その際に手札を捨てさせます。
手札の減ってくる中盤以降では《呪われた人魚 – アースラの被害者》が要求する1枚は非常に厳しく、チャレンジを躊躇するほどです。2ロアと手札1枚を天秤にかけ、泣く泣くチャレンジせざるを得ません。

《呪われた人魚 – アースラの被害者》が受動的な手札破壊だったのに対し、《アースラ – 騙し屋》は能動的な手札破壊キャラクターです。プレイしたときに、歌カード限定ですが捨てさせることができます。
一見すると捨てさせられる範囲が狭く、使いにくく感じるかもしれません。では、想像してみてください。インクが6枚揃っている「アメジスト/ルビー」の手札や《アリエル – 麗しい歌姫》が場に出ている状況の「アンバー/スティール」の手札を。きっと《BE PREPARED》や《A WHOLE NEW WORLD》があるはずです。そのどちらも歌カードであり、《アースラ – 騙し屋》で捨てさせられます。特定のデッキには効果的なキャラクターなのです。
特に「アンバー/スティール」相手には《マダム・ミム – ヘビ》などで《アースラ – 騙し屋》を戻して繰り返し手札破壊すれば、歌カードは一切残らないでしょう。

序盤からコツコツとロアを稼ぎ、相手の手札を捨てさせていけば自然と勝利が近づいてきますが、ここで最後の仕上げと行きましょう。《女王の城 – 鏡の間》で手札とロアの両方を補充するのです。
キャラクターの大半が低コストのため、プレイから入場までが同一ターンに可能であり、いきなり複数枚のドロー(カードを引く効果)が期待できます。もちろんその間もクエストしてロアを稼ぎます。相手視点ではキャラクターとロケーションと退場させたいカードが複数あり、ジレンマに陥ること間違いなしです。
ロケーションである《女王の城 – 鏡の間》はキャラクターによるチャレンジか《そこに登場、ゼウス!》のような特定のカードでしか退場せず、その高い意思力も相まって非常に強力なカードです。《女王の城 – 鏡の間》は多角的な攻め手であり、「アメジスト/エメラルド 手札破壊アグロ」の最後の一押しの起点となる1枚なのです。

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おわりに
「セット チャンピオンシップ」開催第2週目は、第1週に引き続き「アメジスト/ルビー」が優勝デッキ1位の座に輝きました。
しかし、「サファイア/ルビー」や「アメジスト/エメラルド」といった第1週目ではほとんど見なかったデッキが台頭している点は要注目です。また、仮想敵が定まったことで各デッキのデッキ構築もブラッシュアップが進んでおり、「アメジスト/ルビー」の立場も決して安泰とは言えないでしょう。
来週以降のメタゲームがどのように変化していくのか非常に楽しみなところです。次週はどのようなデッキが活躍するのでしょうか。
このコラムを読んだ皆さんも、新しいカードやデッキに意欲がわいた方が多いのではないでしょうか。
さて、いよいよ今週末には日本で初開催となる大型の競技大会イベント「ディズニーロルカナ グランプリ 2025 Spring 東京」が開催されます。どんなデッキやカードが活躍するのでしょうか。結果が楽しみでなりません。
それでは、また次回の「ロルカナ 最新デッキ情報局」でお会いしましょう!