コラム
2025.05.31
「ディズニーロルカナ グランプリ 2025 Spring 東京」TOP32 メタゲームブレイクダウン
日本でのディズニー・ロルカナ・TCG最大規模のイベントにあたる「ディズニーロルカナ グランプリ 2025 Spring 東京」(以下、ディズニーロルカナ グランプリ)開幕しました。
多くのイルミニアが各々好きなデッキを持ち込み、対戦を楽しむ1日です。
全7回戦の予選ラウンドを経て、イルミニアは決勝ラウンドへ進む64名へと絞られました。
現在は、さらに1回戦進み上位32名が出揃ったところです。
本稿では上位32名のデッキ分布、メタゲームブレイクダウンをお届けしたいと思います。
今大会は「インクランド探訪」発売からわずか2週間とあまり時間もなく、限られた中での調整となりました。イルミニアの発想力と構築力の見せ所ともいえます。
人気のデッキは何だったのか、確認していきましょう!
TOP32メタゲームブレイクダウン
約1000人ものプレイヤーが一同に会した本大会。
激しい対戦を制しTop32まで勝ち進んだイルミニアのデッキ選択は以下の通りとなりました。
「アメジスト/ルビー」 15名 46.9%
「アンバー/スティール」7名 21.9%
「アメジスト/エメラルド」2名 6.3%
「アメジスト/スティール」2名 6.3%
「エメラルド/スティール」2名 6.3%
「アンバー/アメジスト」1名 3.1%
「アメジスト/サファイア」1名 3.1%
「ルビー/サファイア」1名 3.1%
「サファイア/スティール」1名 3.1%
「セット チャンピオンシップ」でも一番人気だった「アメジスト/ルビー コントロール」が堂々の第1位となりました。
チャレンジに特化したキャラクター群、デッキの代名詞である《BE PREPARED》、潤沢なドローカード(カードを引く効果)と長丁場を戦ううえで必要な要素が揃っています。
特に手札を補充は安定性に直結するため、それを求めて選択したイルミニアも多かったのではないでしょうか。

アメジストの中でもセットで運用されることの多い《マーリン – ウサギ》と《マダム・ミム – ヘビ》。《マーリン》はカードやロア、瞬間的な攻撃力をもたらし、ゲームの天秤を自分優位へと傾けてくれます。《マダム・ミム》はそれらの《マーリン》を使い回すことで、プレイヤー間の格差をより広げ、勝利へ近づけさせてくれるのです。

次点となったのは歌をキーカードとしている「アンバー/スティール」でした。
変身による支配的な場の構築、各種アクション・歌カードを組み合わせてテンポ良くカードを使用していきます。《アリエル – 麗しい歌姫》はプレイしたときにアクション・歌カードを引き込める可能性があり、次のターンには歌声をいかして5コストまでのアクション・歌カードを使えます。《A WHOLE NEW WORLD》はぜひとも狙いたい1枚です。《アリエル – 麗しい歌姫》の歌声と《A WHOLE NEW WORLD》の組み合わせは、インクを使用せずに好きなタイミングで大量の手札が手に入る強力な一手といえます。イルミニアはその爆発力に惹かれたようです。

また、《女王 – 支配者のオーラ》と《ロビン・フッド – シャーウッドの英雄》の2種類の変身キャラクターによる強襲も見逃せません。最速で変身できれば2~3ターン目に5コスト相当のキャラクターが場に出るわけです。特に《ロビン・フッド – シャーウッドの英雄》は意思力が高く、エグザート状態のキャラクターを繰り返し退場させることができます。仮に場で先行されたとしても《ロビン・フッド – 人気の無法者》が《ロビン・フッド – シャーウッドの英雄》へ変身を果たせば、一気に有利なゲーム運びとなります。

3位には3種類のデッキがランクインしました。「アメジスト/エメラルド」「アメジスト/スティール」「エメラルド/スティール」の3種類です。「アメジスト/エメラルド」は《呪われた人魚 – アースラの被害者》をはじめとした低コスト高ロアのキャラクターで積極的にクエストしていく速攻デッキ。出遅れに付け込みやすく、相手が場を構築する前に逃げ切りを狙います。
先ほど紹介した《マーリン – ウサギ》と《マダム・ミム – ヘビ》のセットはここでも登場します。《マーリン – ウサギ》による手札補充もさることながら、《マーリン – ヤギ》はクエストせずにロアをもたらす貴重なキャラクター。《マダム・ミム》で出して戻してを繰り返すは勝利への凱歌であり、相手にチャレンジする隙を与えずに勝利へ到達できます。

「アメジスト/スティール」は低コスト高ロアのキャラクターを多数展開し、積極的にクエストしてロアを溜めていく攻撃的なデッキです。速攻戦略をサポートするのはスティールの役目。場の出遅れを取り返しやすい《ロビン・フッド – シャーウッドの英雄》は当然として、《スマッシュ》や《風よ吹け》、《そこに登場、ゼウス!》といったアクションカードが採用されています。積極的にクエストしていき、相手のキャラクターをアクションカードで退場させることで返しのチャレンジを未然に防ぐように構築されています。

「エメラルド/スティール」は手札破壊(手札を捨てさせる効果)と場に残りやすいキャラクターを組み合わせた中期戦デッキ。《プリンス・ジョン – 強欲王》と《背すじがゾクッ!》で手札破壊しつつカードを引き、ゲームの選択肢を広げていきます。《アースラ – 七つの海の騙し屋》と《風よ吹け》などのアクション・歌カードがセットで採用されており、歌えれば2倍の効果となります。手札と場を少しずつ攻め、だんだんと自分有利なゲーム展開へと持ち込むのです。
《野獣 – 悲劇の主人公》は高い意思力から場に残りやすく、低コストキャラクターへ積極的にチャレンジして退場させていきます。1ダメージでも受けていようものなら攻撃力は7まで上昇するため、意思力の高いキャラクターやロケーションへの強いプレッシャーとなります。

おわりに
大会前から人気だった「アメジスト/ルビー」を筆頭に「アンバー/スティール」が続き、「アメジスト/エメラルド」「アメジスト/スティール」「エメラルド/スティール」の3種類のデッキが追従するかたちとなっています。
果たして、優勝するのはどのデッキなのでしょうか。
熱戦が続く、ディズニーロルカナ グランプリの模様は、ぜひ配信でご覧ください。
ライター:富澤 洋平