コラム

2025.06.03

「ディズニーロルカナ グランプリ 2025 Spring 東京」優勝者 ちゃみ選手インタビュー

約1000名のイルミニアが集ったディズニー・ロルカナ・TCGの祭典「ディズニーロルカナ グランプリ 2025 Spring 東京」(以下、ディズニーロルカナ グランプリ)。 

参加者それぞれが工夫を凝らしたデッキを持ち込み、予選ラウンド7回戦と決勝ラウンド6回戦の合計13回戦によって競われました。 

その頂点に立ったのはアメジスト/ルビーを使用したちゃみ選手。決勝戦では奇しくもフィオ選手のアメジスト/ルビーとの完全同色対決となりました。《BE PREPARED》の存在により有利すぎる場を構築せず、わずかな優位を保ち続ける必要のあるバランス感覚が求められる繊細な対戦でしたが、絶妙な場を維持し、見事勝利を引き寄せました。 

最終局面では《マーリン – ヤギ》をプレイするのみでターンを終え、《マーリン – ヤギ》が残った状態でターンが返ってきたためクエストからの《BE PREPARED》でピッタリと20ロア獲得してみせたのです。 

優勝を手にして興奮冷めやらぬ中、喜びを噛みしめるちゃみ選手に、インタビューを実施しました。 

──「優勝、おめでとうございます」 

ちゃみ「ありがとうございます。優勝者が僕で良かったのかなと謙虚な気持ちはありつつも、素直に勝ててよかったなと思います。僕最強だということで!」 

──「簡単に、本大会優勝までの軌跡を教えていただければと思います」 

ディズニー・ロルカナ・TCGとの出会い 

ちゃみ「ディズニー・ロルカナ・TCGとの出会いはインクランド探訪発売に際しての公式動画へのオファーでした。多忙なこともあり、最初はオファーを断ろうと思ったんですが、動画の共演者が原根くんとわかって。気心知れた仲なので出演を決めました。自分のパフォーマンスが心配でしたが、杞憂でした」 

──「実際2連勝されてましたね」 

ちゃみ「自分は、これまでの経験から場で起こる戦闘の駆け引きに自信があるんですよね。ディズニー・ロルカナ・TCGでいうところのキャラクター同士のチャレンジです。これまでのカードゲームキャリアで培った知見を、しっかりとアジャストできました」 

本大会に向けての流れ・調整

──「ディズニーロルカナ グランプリに向けて具体的にはどのように調整したのでしょうか」 

ちゃみ「正直に言ってほとんど練習できませんでした。仕事が忙しくて時間がとれず、ほかのゲームに時間を割いてしまったこともありまして。仲の良い友人たちでディズニー・ロルカナ・TCGを遊んでいる人もいなかったので」 

ちゃみ「当選後は、先ずカードリストから使用頻度の高そうなカードを確認し、先行後攻での対戦をイメージしました。それと平行して、YouTubeでの対戦動画はかなり見ましたね。片っ端からデッキを紹介している動画をあさり、5時間くらいは見ました」 

──「さながら見取り稽古のようですね。デッキはどのように選択されたのでしょうか」 

ちゃみ「僕は安定しているデッキが好きで。予選ラウンドを6勝する必要があり、その条件を満たすには動きにブレが大きいデッキでは難しいかなと思いまして。デッキとして動きの再現性が高く、一番安定しているのがアメジスト/ルビーでした。《マダム・ミム – キツネ》や《マウイ – みんなの英雄》などのキャラクターによるチャレンジで場の優劣をコントロールしていくため、自分の得意とする土壌を生かせるデッキだったと思います」 

──「カードゲームというと自分のデッキを黙々とプレイして動きを理解する壁打ち練習、いわゆる一人回しがありますが」 

ちゃみ「一人回しだけでは各デッキとの再現性がとれないためしていません。面白いんですが、自己満足しているだけでデッキ間の相性理解にはならないためです。先ほどあげた動画の視聴と、公式HPに掲載されているコラム『ディズニーロルカナ 最新デッキ情報局』でメタゲームを確認したりと、座学のみに終始しました」 

──「少ない時間を効率良く使い、調整したわけですね」 

デッキに関して 

──「なにか、調整の中で特別なカードやテクニックなどをデッキに入れたりしたのでしょうか?」 

ちゃみ「『セット チャンピオンシップ』の結果からアメジスト/ルビー同士のミラーマッチが多発するのは明らかでした。そのミラーマッチで面白そうと思ったのは《女王の城 – 鏡の間》の使い方。これが難しいんですよ。ゲームに蓋をするカード(勝敗を確定させる一手)という認識です」 

《女王の城 – 鏡の間》 

ちゃみ「《女王の城 – 鏡の間》をどれだけうまく使えるかが大事かなと思いました。ロアレース中に場に出すことで相手にクエストさせず対処を迫り、その上で場に残ったらラッキー程度。理想は場の有利を確保し、蓋をするために出します。ミラーマッチでは実際に出すこともありました」 

本大会を終えての感想 

──「大会当日の当たりはどうでしたか」 

ちゃみ「アメジスト/ルビーの使用率が高いというのは『ディズニーロルカナ 最新デッキ情報局』から明らか。実際、決勝を含めてアメジスト/ルビーのミラーマッチは4回でした。それを予想してミラーマッチに強い構築を意識し、採用率の高い《ピノキオ – おしゃべり人形》は攻撃力と意思力の低さ、インクレスによる使いにくさから解雇しました」 

ちゃみ「代わりに《トレメイン夫人 – 横柄な女王》を採用しましたが、《マダム・メデューサ – ザ・ボス》とコストが被るため、枚数の難しいカードでした。このデッキはロア値が1のキャラクターが大半であり、その中で《トレメイン夫人 – 横柄な女王》はロア値が2と貴重です」 

《トレメイン夫人 – 横柄な女王》 

──「実際に《トレメイン夫人 – 横柄な女王》は活躍しましたか」 

ちゃみ「アンバー/スティールとの対戦で攻撃力4のキャラクターを退場させられたのは記憶にあります。本来の用途は対ルビー/サファイアで《タマトア – シャイニー!》を退場させるイメージで採用しています。実際使い勝手が良かったので、もう一度ディズニーロルカナ グランプリへ参加するなら2枚に増やすと思います」 

──「Top8をかけた対戦では、カードゲームの世界大会で優勝経験を持つ強豪選手との対戦となりました」 

ちゃみ「相手が強者であることは明らかで、胸を借りるではないですが、多少のリスクをとりながら対戦しました。受け身に回らず、自分から動いて攻めていかなければと思いました。相手のデッキはアンバー/スティールで《A WHOLE NEW WORLD》で《BE PREPARED》2枚を捨てさせられてしまいましたが、3枚目を引きプレイ。その後、対戦相手が場に多数のキャラクターを展開し、《BE PREPARED》の4枚目を引かなければいけないところまで追い詰められました。そこで《FRIENDS ON THE OTHER SIDE》を歌ったところ、見事4枚目を引き込め逆転でき、勝利することができました」 

──「大会を通して、印象に残っているシーンなどはありますでしょうか」 

ちゃみ「ディズニー・ロルカナ・TCGは他のカードゲームと比べて、様々なきっかけでイルミニアとなった方がいるなと思いました。カードゲームが好きで始めた方ももちろんいますが、ディズニーが好きでイルミニアへなった方もいて。プレイマットやスリーブもディズニーに統一していてコンテンツ愛に溢れているなと思いました。カードゲーム界隈は狭いと思っていましたが、ディズニー・ロルカナ・TCGに関してはディズニー好きで始めたという新規の方が多く、未来が明るいなと感じられて良かったです」 

──「本大会の勝因はなんだったと思いますか?」 

ちゃみ「総合的にラッキーだったのと、対戦を進めていく中でカードへの理解度が深まっていき、それをプレイへと落とし込めたことですね。最後《BE PREPARED》と《マーリン – ヤギ》をセットで持っていたのも含めて、今日は自分の日だなと思いました」 

グランプリ初代王者として 

──「初開催となったグランプリの王者となりましたが、次の目標などはあるのでしょうか?」 

ちゃみ「優勝したことで次の大会にむけてモチベーションがとても上がりました。来年に開催される『ディズニーロルカナ 日本一決定戦 2026』での優勝にむけて、練習していけたらなと思います。今回自分が優勝したことをきっかけに、友人たちも始めてくれれば練習環境が整うのではと期待しています」 

──「ディズニー・ロルカナ・TCGを始めようと思っている方へ一言メッセージをいただけますか」 

ちゃみ「ディズニー・ロルカナ・TCGはほかのカードゲームで遊んだことがある人ない人問わず、ディズニー好きの方も含めて誰もが手軽に始められてカジュアルに楽しめる。それでいて奥深さも持ち合わせているカードゲームです。勝ちたければ自分に適した練習あるのみ。動画を見たり、対戦したり、一人回しをしたりとその人に合った練習方法でできるのも良いところです」 

──「今後の大会では多くのイルミニアから目標となるわけですが」 

ちゃみ「ディズニー・ロルカナ・TCGを盛り上げるために、機会があれば大会に参加していきたいですね」 

ちゃみ選手の言葉通り、ディズニー・ロルカナ・TCGは誰もが手軽に始められてカジュアルに楽しめます。 
カードを手にしたその瞬間からあなたはイルミニア。 
ただし、それだけに終始せず奥深いゲーム性も持ち合わせています。各デッキとの相性の理解、カード選択、デッキ構築の最適化、調整方法など。 

限られた時間の中で最大効率を求め、自分に合った練習方法を実践し、優勝という最高のかたちでその正しさを証明してみせたちゃみ選手。全13回戦を終えて疲労困憊の中、優しく、朗らかな雰囲気でインタビューに応じてくれる姿には、王者の風格が漂っていました。 

これまでのキャリアで培ったカードゲームというジャンルに対する知見。さらには、たった今行われたばかりの対戦すらの経験値に変える理解力の高さ。ゲームの根本にある場の優位性を巡る攻防を得意とするプレイスタイル。そして、必要なカードを引き込める力強さ。 

その全てを持ち合わせていたからこそ、ちゃみ選手は優勝を果たしたのです。 

あらためて参加者約1000名のイルミニアの頂点に立った、勝者をここに讃えましょう! 

「ディズニーロルカナ グランプリ 2025 Spring 東京」優勝はちゃみ選手!! 

おめでとう!! 

ライター:富澤 洋平 撮影者:福井 翔 

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