コラム
2025.09.12
ディズニーロルカナ 最新デッキ情報局 Vol.7
みなさん、こんにちは!ディズニーロルカナ 日本語版 運営チームです。
本コラムは「ディズニーロルカナ 最新デッキ情報局」と題しまして、「セット チャンピオンシップ」の結果を中心に、ディズニー・ロルカナ・TCGのメタゲームの最前線や最新情報を皆様へお届けしていく企画です。
「ディズニーロルカナ 最新デッキ情報局」では、「セット チャンピオンシップ」などの大会結果を紹介し、初心者・中級者の方にも分かりやすい説明で、最新のディズニーロルカナゲーム情報を皆様へお届けしていきたいと思います。
今回は、先週末に発売された「星々の輝き」が環境に与えた影響についてみていきます。開催1週目にして30大会を超える「セット チャンピオンシップ」が開催されました。一体どんなデッキが活躍したのか。どんなカードがキーカードとなっていたのか。一緒に勝利のカギを探っていきましょう。
それでは早速みていきましょう!
9/7(日)開催「セット チャンピオンシップ」優勝デッキ分布

1位 「エメラルド/スティール」 22.2%
1位 「アメジスト/ルビー」 22.2%
3位 「ルビー/サファイア」 18.5%
4位 「アメジスト/スティール」 14.8%
5位 「アンバー/アメジスト」 7.4%
5位 「アンバー/スティール」 7.4%
7位 「アンバー/エメラルド」 3.7%
7位 「アンバー/ルビー」 3.7%
「星々の輝き」発売後、1位に輝いたのは「エメラルド/スティール」の組み合わせでした。
豊富な手札破壊(手札を捨てさせる効果)と《プリンス・ジョン – 強欲王》のシナジー、《ディアブロ – 忠実なる使い魔》による追加ドロー(カードを引く効果)など彼我の手札枚数に差をつける戦略です。
「星々の輝き」からは強力なアクション対策カード、《ピート – リングのレフェリー》が仲間入りしています。
思いつくだけでも《BE PREPARED》や《A WHOLE NEW WORLD》、《剣をふるえ!》、《風よ吹け》、《乱闘》、《FRIENDS ON THE OTHER SIDE》などなど、きりがありません。特にアクション・歌カードを多用する「アンバー/スティール」に対しては効果絶大であり、勝負を決めるキャラクターとなります。

続く1位タイには、以前より人気が高い「アメジスト/ルビー」が位置しています。存在感は見せつつも、その割合を見るとその勢いは依然より緩やかになっているようです。しかし、デッキパワーは以前から太鼓判が付いている実力派。1コストから始まるキャラクターはどれも優秀なものばかりであり、高コスト帯も充実しています。
「星々の輝き」からは「アメジスト/ルビー」が得意とするチャレンジをサポートする《エルサ – 第5の精霊》が仲間に加わっています。
《エルサ – 第5の精霊》はプレイしたときに対戦相手のキャラクター1体をエグザートするため、効率の良いチャレンジが可能です。加えて自身は突進を持つため、すぐさまチャレンジへ向かうこともできます。

3位は僅差で「ルビー/サファイア」でした。《魚の骨ペン》などに代表されるインクブースト(カードの効果で使用できるインク数を増やすこと)を活用して、ゲーム中盤から高コスト帯のカードをプレイしていくデッキタイプです。
これまでは最序盤のインクブーストは《ONE JUMP AHEAD》のみでしたが、《ティポ – 育ち盛りの息子》が加わり安定感がアップしています。
《ティポ – 育ち盛りの息子》はプレイしたときに手札から任意のカードをインクウェルへ置けます。たとえインクレスのカードであっても、です。このデッキの弱点であるインク不足に陥ることを防ぎ、円滑なインクライフをサポートしてくれます。

4位は「アメジスト/スティール」でした。上位4デッキの中ではもっとも攻撃的な戦略であり、最序盤からロア値の高いキャラクターや場持ちの良い(場に残りやすい)キャラクターを出していき、積極的にクエストしてロアを溜めていきます。
クエスト以外でロアを得られるカードといえば《マーリン – ヤギ》程度であり、実質的にゲームを締めくくるフィニッシャー的な立ち位置のカードでした。これを《マダム・ミム》で場と手札を行き来させることで瞬間的にロアを獲得できたためです。
今後は《知識と知恵の収集》も同様にゲームに幕をひく役割を担います。アクションカードである《知識と知恵の収集》はプレイした瞬間にロアを2つ得られます。《マーリン – ヤギ》が4コストで1ロア獲得だったのに対し、こちらは2コストで2ロアと破格のコストパフォーマンスといえます。予想だにしない一手で勝利を手繰り寄せてくれるのです。

ピックアップデッキ
9/7(日)に開催された「セット チャンピオンシップ」優勝デッキの中から、一部のデッキを紹介いたします!
青馬堂書店矢向店:りくちん選手「アメジスト/スティール アグロ」

まず最初に紹介するのは、参加者49名の大会を優勝した「アメジスト/スティール アグロ」です。
ロア値の高い軽量キャラクターを多数展開し、積極的にクエストして効率良くロアを溜めていくアグロデッキで、《マレフィセント – 竜視眈々》や《ミスター・スミー – マヌケなお仲間》は一度のクエストで2ロア獲得でき、このデッキの要となるキャラクターです。対戦相手がうまくキャラクターを展開できない場合、ロアレースはかなり一方的なものとなります。
ですが、シンプルな戦略は同時に脆さを持ち合わせます。ロアを溜めていく過程で多数のキャラクターが並ぶため、以前は《BE PREPARED》や《剣をふるえ!》をプレイされ、逆転を許すゲーム展開もありました。
「アメジスト/スティール アグロ」愛好家の皆様ご安心ください。今後は《ピート – リングのレフェリー》が自軍を《BE PREPARED》や《剣をふるえ!》から守ってくれます。
《ピート – リングのレフェリー》はあなたの次のターンの始めまで、アクションカードを封じてくれます。先ほどあげた《BE PREPARED》や《剣をふるえ!》はもちろん、《乱闘》など一切のアクションカードに待ったをかけます。さぁ、全力展開のチャンス到来です!

ロア値の高い《マレフィセント – 竜視眈々》などに目がいきがちですが、アグロ戦略にとっては場持ちの良さも同じくらい重要です。《ミッキーマウス – 守備的フードファイター》はまさに場持ちの良さが魅力のキャラクターです。
意思力は2と平均的ながら、耐久+1がいぶし銀のごとき輝きを放ちます。攻撃力1以下をシャットアウトし、攻撃力2であっても退場までに3回のチャレンジを要求します。1コストのキャラクターとしてはかなりタフな、いえ守備的なキャラクターです。

とはいえ中盤以降は対戦相手のキャラクターに攻撃力と意思力の面で後れをとりがちです。軽率にクエストしようものならチャレンジで一方的に退場しかねません。低コストキャラクターのクエストをサポートするカードが必要となります。
《図書室 – ベルへの贈り物》はこのデッキのためにあるような1枚です。新たなロケーションは3コストながら意思力8の高耐久性能であり、毎ターン手堅く1ロアを届けてくれます。
それのみならず、このロケーション上のキャラクターが退場した場合、カードを1枚引くことができます。たとえ対戦相手のキャラクターからチャレンジを受けて退場しようとも、新しいカードを届けてくれるのです。カードを引かせたくない、とはいえ退場させなければロアレースをリードされてしまうと、相手視点では頭を悩ますロケーションです。

継戦力に長けたキャラクターといえば《マーリン – ウサギ》が代表格ですが、「星々の輝き」から新たに《先生 – 剛胆なる騎士》が加わります。
使い勝手の良さでは《マーリン – ウサギ》に軍配がありますが、《先生 – 剛胆なる騎士》は軽さとプレイしたときにドローできる枚数がポイントです。
デッキの構成上軽いカードが多く、手札を使いきりやすくなっています。そのため《先生 – 剛胆なる騎士》のデメリットである手札をすべて捨てる効果はそれほど影響ありません。捨てるデメリットよりも、新たにドローするメリットが勝ります。

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カードショップはなまる:bonzu選手「アンバー/スティール 歌ミッドレンジ」

「アンバー/スティール 歌ミッドレンジ」は《シンデレラ – 舞踏会の花形》や《アリエル – 麗しい歌姫》をはじめとした歌声を持つキャラクターで《A WHOLE NEW WORLD》や《風よ吹け》などの優秀な歌カードを歌い、テンポ良くカードをプレイしていく戦略です。歌カードを歌わせることで、同時にキャラクターの展開も可能となります。ややカード同士の噛み合いは必要であるものの、手札と場の双方で一気に差を作ることも可能です。
序盤のロアレースは《ピグレット – プー海賊団の船長》や《ミスター・スミー – マヌケなお仲間》に頼りきりでしたが、遂に1コスト高ロアのキャラクターが加入します。《デイジーダック – ドナルドの彼女》をご紹介しましょう。
《デイジーダック – ドナルドの彼女》は1コス2ロアの攻撃的なデザインでありながら、意思力が4もあります。既存のカードからは考えられないほど耐久力が高く、チャレンジしようにも意思力1のキャラクターでは返り討ちにあうばかり。そうこうしているうちにどんどんロアを稼いでくれます。退場させるには、2コスト以上のキャラクターでのチャレンジか複数回のチャレンジが求められます。
もちろんこれほど強力なカードですから、何かしらのデメリットを持ち合わせているはず。《デイジーダック – ドナルドの彼女》はクエストするたびに、対戦相手へキャラクターカードを供給してしまう可能性があります。
ですが、たとえ対戦相手にキャラクターカードを供給したとしても、《デイジーダック – ドナルドの彼女》は意思力の高さから3回以上クエストできる可能性があります。これは通常の1コストのキャラクターでは考えられません。メリットがデメリットを上回る好例です。《デイジーダック – ドナルドの彼女》で最高のロアレースをスタートしましょう!

「アンバー/スティール 歌ミッドレンジ」は歌声を持つキャラクターを展開し、歌を歌わせつつ同時にキャラクターを展開することが基本戦略です。手札を補充するにも、相手のキャラクターを退場させるにもアクション・歌カードは欠かせません。
では、アクション・歌カードが使えなくなってしまったらどうなるでしょう。「アンバー/スティール 歌ミッドレンジ」は歌を歌えなければキャラクターを展開するに終始してしまい、それは「アンバー/スティール 歌ミッドレンジ」のミラーマッチ(同型対決)では致命傷となりかねません。
《ピート – リングのレフェリー》の真価は「アンバー/スティール 歌ミッドレンジ」のミラーマッチにおける一方的なアクション・歌カード封じにあります。《A WHOLE NEW WORLD》で得た手札を有効活用させず、《剣をふるえ!》や《そこに登場、ゼウス!》などによる場の切り返しにもストップをかけてしまいます。プレイした側が圧倒的に得をでき、事実上、対戦相手の行動を大幅に制限しています。カードにもある通り「オレがルールだからな!」と自分有利なゲーム進行となるわけです。

さて、エキスパンションが追加されるたびに新たな歌声を持つキャラクターが登場し、「アンバー/スティール 歌ミッドレンジ」の構築の可能性は広がっています。「星々の輝き」では《ナヴィーン王子 – ウクレレ奏者》が該当します。
《ナヴィーン王子 – ウクレレ奏者》は歌声6とかなりの声量を持っています。《A WHOLE NEW WORLD》や《剣をふるえ!》は当然として、《大丈夫、家族がいる》のような合唱を歌う助けにもなります。攻撃力と意思力は平均的ながら歌い手としては十分といえます。

いやいや、《ナヴィーン王子 – ウクレレ奏者》のプレイしたときの効果をお忘れではありませんか。
《ナヴィーン王子 – ウクレレ奏者》はプレイしたときにコスト6以下の歌1枚をただでプレイできます。つまり、《アリエル – 麗しい歌姫》が場におらず、さらに4インクしかない状況から《A WHOLE NEW WORLD》や《剣をふるえ!》をプレイできるです。非常に奇襲性が高く、対戦相手の思惑を崩すのに一役買ってくれます。
また、《ナヴィーン王子 – ウクレレ奏者》はあらゆるアクション・歌カードと相性抜群。メタゲームに合わせて《そこに登場、ゼウス!》などほかのコスト6以下の歌カードを採用しても面白いかもしれません。
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ホビーステーション名駅店:にゃっきー選手「エメラルド/スティール 手札破壊」

「エメラルド/スティール 手札破壊」は《背すじがゾクッ!》といった手札破壊カードをプレイして、対戦相手の手札へダメージを与えていくデッキです。序盤から《背すじがゾクッ!》や《アースラ – 騙し屋》を積極的にプレイし、手札にあるカードを捨てさせていきます。《アースラ – 七つの海の騙し屋》は《背すじがゾクッ!》や《風よ吹け》の効果を倍化させ、ゲーム運びを有利に進めてくれます。
「エメラルド/スティール 手札破壊」は各々の役割がはっきりしているカードで構築されている、逆を返せば状況に応じて適切に引いてくる必要があります。対戦相手の手札がある場合には《背すじがゾクッ!》を、キャラクターで押し負けている場合には《風よ吹け》を、といった具合です。
その中に合って《アナ – 外交的な女王》は汎用性の高いユーティリティーキャラクターです。ロア値は2と高く、ロアレースも得意とします。
そして、余剰インクが支払えるようになれば、いよいよ本領発揮。2インク追加で支払うことでプレイしたときに、追加効果を得られます。戦略に沿った手札破壊はもとより、場が負けている際はキャラクターの攻撃力をあげたり、ダメージを受けているキャラクターを退場させたりとほかの2つのモードが効果的です。
コストを含めて状況に応じて使い分けられる1枚であり、いついかなる時にドローしても無駄になりません。《アナ – 外交的な女王》でゲームを有利に進めましょう!

「エメラルド/スティール 手札破壊」は手札にあるコストの高いカードを対処する(捨てさせる)のは得意ですが、場に出たキャラクターやロケーションの対処を苦手としています。特に意思力の高い《マウイ – みんなの英雄》や《女王の城 – 鏡の間》は頭を悩ませる存在です。
そんな手札破壊好きの方に朗報です。《You’re Welcome》はどんなキャラクターも、ロケーションも、おまけにアイテムまで対処してくれる万能除去カード。アクション・歌カードであるため、《ミューズ – アートとヒーローの専門家》や《野獣 – 悲劇の主人公》などで歌うこともできます。
代償として、そのコントローラーにカードを2枚引かせてしまいますが、背に腹は代えられません。
また、テクニカルな用途として自分のキャラクターへのプレイも可能です。クエスト済みの低コストキャラクターをデッキへ戻して、新しいカードへ変換することで、追加戦力を補充できます。

手札破壊デッキの二枚看板といえば、《プリンス・ジョン – 強欲王》と《ディアブロ – 忠実なる使い魔》でしょう。どちらも強力なドロー効果を有しており、ゲームの優位を確固たるものとしてくれます。
特に《ディアブロ – 忠実なる使い魔》は通常コスト、変身のどちらも場に出るターンが早く、多岐にわたる活躍をみせてくれます。回避によりチャレンジされにくく、クエストによる継続的なロア獲得源に換算できますし、エグザート状態になることで恒久的なドローを見込めます。対戦相手の《マーリン – ウサギ》や《女王の城 – 鏡の間》、《ヒーラム・フラバーシャム – おもちゃ職人》などの効果はすべて自分へも還元されるのです。

《風よ吹け》などで対戦相手のキャラクターを除去し、さあロアレースだと思ったところで、《BE PREPARED》や《剣をふるえ!》でキャラクターを一掃されてはどうしようもありません。手札にダメージを与えていたのに、《A WHOLE NEW WORLD》で回復されては戦略自体が台無しになりかねません。何か対策はないのでしょうか。
手札破壊デッキの最後のピースが、今まさに埋まりました。それこそが《ピート – リングのレフェリー》だったのです。
《ピート – リングのレフェリー》は序盤で築いたリードを確固たるものとし、アクションカードによる逆転を封じてくれます。全体除去を止めれば2ターンに渡りロアを稼ぐチャンスが生まれ、《A WHOLE NEW WORLD》がプレイできない「アンバー/スティール」は円滑にカード使うこと自体ができません。
注意すべきは《ピート – リングのレフェリー》をプレイするタイミングは早すぎても遅すぎてもいけない点です。使われたくないアクションカードを明確化してプレイすることで、相手の行動を制限できます。
特定のカードを封じることで巻き返しの効かない1ターンを生み出してくれる、これが《ピート – リングのレフェリー》の強みなのです。

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おわりに
「星々の輝き シーズン セット チャンピオンシップ」開催第1週は、「アメジスト/ルビー」と「エメラルド/スティール」が同率で優勝デッキ1位の座に輝きました。
しかし、「ルビー/サファイア」や「アメジスト/スティール」も肉薄しており、どのデッキがトップシェアとなってもおかしくありません。
来週以降、「セット チャンピオンシップ」のメタゲームがどのように変化していくのか非常に楽しみなところです。
カード単位では《ピート – リングのレフェリー》が大活躍の週となりました。メタゲームはおろか、デッキの細部にまで影響を与えることになりそうです。
このコラムを読んだ皆さんも、新しいカードやデッキに意欲がわいた方が多いのではないでしょうか。
是非、お近くのロルカナ公認店で開催される「ロルカナ交流会」「ロルカナ ショップ大会」「セット チャンピオンシップ」へご参加ください。
また、10月5日(日)には西日本で初開催となる大型競技大会「ディズニーロルカナ グランプリ 2025 Autumn 京都」が開催されます。
本戦イベントはもちろん、誰でも参加できる併催イベントも開催されますので、ぜひ近隣エリアの方はご来場ください。
ディズニーロルカナは、新しいカードやキャラクターとの出会い、デッキの想像、「イルミニア」同士の交流をお待ちしております。
それでは、また次回の「ロルカナ 最新デッキ情報局」でお会いしましょう!