コラム

2025.10.10

ディズニーロルカナ 最新デッキ情報局 Vol.11 ~グランプリ 2025 Autumn 京都 Top32メタゲームブレイクダウン~ 

みなさん、こんにちは!ディズニーロルカナ 日本語版 運営チームです。   

本コラムは「ディズニーロルカナ 最新デッキ情報局」と題しまして、初心者・中級者の方にも分かりやすい説明で「セット チャンピオンシップ」の結果を中心に、ディズニー・ロルカナ・TCGのメタゲームの最前線や最新情報を皆様へお届けしていく企画です。   

今回は特別編として、約1800名のイルミニアが参加した大型競技イベント「ディズニーロルカナ グランプリ 2025 Autumn 京都」(以下、ディズニーロルカナ グランプリ)をご紹介します。 

本稿では決勝ラウンドへと進んだ上位32チームのデッキの組み合わせをお届けしていきます。イルミニアはチームメイトとどのようなデッキを選択したのでしょうか。イルミニアの発想力と構築力の見せ所ともいえます。 

人気のデッキの組み合わせは何だったのか、早速、確認していきましょう! 

Top32メタゲームブレイクダウン

まずは個人ごとのデッキ選択をみてきます。各デッキの使用者数は下記の通りです。 

1位 「ルビー/サファイア」 26名 27.1% 
2位 「アメジスト/ルビー」 23名 24.0% 
3位 「アンバー/スティール」 20名 20.8% 
4位 「エメラルド/スティール」 13名 13.5% 
5位 「アメジスト/スティール」 5名 5.2% 
6位 「アンバー/アメジスト」 4名 4.2% 
7位 「アメジスト/エメラルド」 3名 3.1% 
8位 「アメジスト/サファイア」 1名 1.0% 
8位 「サファイア/スティール」 1名 1.0% 

一番人気は「ルビー/サファイア」であり、使用者数は脅威の26名。デッキの安定性が高く、中~長期戦に強いため、長丁場のグランプリを戦い抜くのに最適解と考えたプレイヤーが多かったようです。 

次からは攻守万能の「アメジスト/ルビー」、回ったときの破壊力の高い「アンバー/スティール」、手札破壊(手札を捨てさせる効果)の「エメラルド/スティール」が続きます。この4種類のデッキで全体の85%以上を占めています。 

では、チームごとのデッキの組み合わせはどうだったのでしょうか。ここでは使用者数の多い「ルビー/サファイア」「アメジスト/ルビー」「アンバー/スティール」「エメラルド/スティール」の4デッキを中心にして、上位32チームのデッキの組み合わせを調べてみました。 

◆上位4デッキから3つを選択した組み合わせ 

「ルビー/サファイア」「アメジスト/ルビー」「アンバー/スティール」 11チーム 
「ルビー/サファイア」「アメジスト/ルビー」「エメラルド/スティール」 3チーム 
「ルビー/サファイア」「アンバー/スティール」「エメラルド/スティール」 3チーム 
「アメジスト/ルビー」「アンバー/スティール」「エメラルド/スティール」 3チーム 

◆上位4デッキから2つを選択した組み合わせ 

「ルビー/サファイア」「アメジスト/ルビー」+α 4チーム 
「ルビー/サファイア」「アンバー/スティール」+α 2チーム 
「ルビー/サファイア」「エメラルド/スティール」+α 2チーム 
「アメジスト/ルビー」「エメラルド/スティール」+α 2チーム 

◆上位4デッキから1つしか選択していない組み合わせ 

「アンバー/スティール」「アメジスト/スティール」「アメジスト/サファイア」 1チーム 
「ルビー/サファイア」「アメジスト/スティール」「アンバー/アメジスト」 1チーム 


「ルビー/サファイア」「アメジスト/ルビー」「アンバー/スティール」

最大母数となったのは下馬評が高く、個々の使用者が多かった「ルビー/サファイア」「アメジスト/ルビー」「アンバー/スティール」の組み合わせでした。この組み合わせはデッキポテンシャルが高いことに加えて、得手不得手の少なさ、強力な動きをもっている点がポイントです。 

安定性の高いデッキを揃えて、横綱相撲をしようというのです。 

懸念すべきは「エメラルド/スティール」の《ディアブロ – 忠実なる使い魔》の存在ですが、それぞれのデッキが《乱闘》、《エルサ – 第5の精霊》、《風よ吹け》など対策カードを用意しており、しっかりと引き込み早期に除去できれば勝負になります。 

《エルサ – 第5の精霊》

「エメラルド/スティール」軸の組み合わせ

次点にきたのは「エメラルド/スティール」を中心に、残る2つを選択したパターンでした。それぞれ「ルビー/サファイア」と「アメジスト/ルビー」、「ルビー/サファイア」と「アンバー/スティール」、「アメジスト/ルビー」と「アンバー/スティール」を組み合わせています。 

サファイア、アメジスト、スティールの持つ強力なドロー(カードを引く効果)をわが物とする《ディアブロ – 忠実なる使い魔》。手札破壊カードをプレイして、対戦相手の手札へダメージを与えていきながら、自分はせっせとドローしていこうというのです。対策カードはあるものの、それを捨てさせたり、そもそも引かれなければ《ディアブロ – 忠実なる使い魔》の独壇場となります。 

どのデッキに対しても《ディアブロ – 忠実なる使い魔》でゲームメイクしていこうという意識がみてとれます。 

《ディアブロ – 忠実なる使い魔》

人気デッキの落とし穴

最大母数の「ルビー/サファイア」ですが、6チームは選択していませんでした。チーム戦の固有ルールを加味したとしても「ルビー」、「サファイア」ともにほかのデッキと色が被る可能性は低く、デッキパワーを考慮して使うほうが無難と思われます。 

しかし、この「無難」こそが落とし穴だったのです。おそらく「ルビー/サファイア」を使用しない理由のひとつは、多くのチームが選択することでそこかしこで発生し得るミラーマッチ(同型対決)の増加を懸念したものと推察できます。「ルビー/サファイア」のミラーマッチは余程のことがないかぎり長期戦となります。コントロール力は高いものの、《タマトア – シャイニー!》や《ラッキーダイム》を引けないと決定力に欠ける点は弱点といえます。 

さらにチーム戦のためほかのプレイヤーと相談でき、普段よりも余計に時間をとられます。ときには自分以外の対戦にも気を配り、時間を割かなければなりません。 

以上のことから、「ルビー/サファイア」はほかのデッキよりも引き分ける可能性が高く、勝ち切れないデッキだったといえます。メタゲームを考慮して、あえて「ルビー/サファイア」を外す選択肢があったのです。 

ピックアップデッキ

ディズニーロルカナ グランプリの決勝ラウンドへ進出したデッキの内、使用者数が1名のデッキが2つありました。今回はそのデッキと、優勝チームの「アンバー/アメジスト」を紹介いたします!   

チームSTT:卍初手竜舞三二一卍選手「アメジスト/サファイア ミッドレンジ」

「アメジスト/サファイア ミッドレンジ(※中速デッキ)」はアメジストのキャラクターを主軸に据えつつ、サファイアのインクブースト(カードの効果で使用できるインク数を増やすこと)と《LET IT GO》でその戦略をバックアップしていきます。3枚の《LET IT GO》から「ルビー/サファイア」を意識していたと思われます。 

このデッキリストの特徴の一つが、セットで運用されることの多い《マーリン》と《マダム・ミム》です。プレイしたときと場を離れたときに効果を発揮する《マーリン》、プレイしたときにほかのキャラクターを手札へ戻すことを要求する《マダム・ミム》は双方が効果を補完し合い、シナジー(相乗効果)を形成しています。これらのカード群はその作品名から王様の剣パッケージと呼称することとします。 

王様の剣パッケージにより《マーリン》はカードやロア、攻撃力といった恩恵を即座にもたらし、ゲーム進行を自分優位へと近づけてくれます。《マダム・ミム》はそれらの《マーリン》を使い回すことで、プレイヤー間の格差をより広げ、先ほどの優位を勝利へと近づけてくれます。 

《マダム・ミム – ゾウ》は高い意思力に加えて、ダメージ・カウンターの移動効果を持っているため、チャレンジが大得意です。 

《マダム・ミム – ゾウ》

《ベル – 熟練なるミスティーク》はプレイ時にダメージ・カウンターを移し替えるトリッキーな効果を持っています。《マダム・ミム – ゾウ》や《エルサ – 第5の精霊》などの意思力の高いキャラクターと相性抜群。 

特に《マダム・ミム – ゾウ》は《マウイ – みんなの英雄》の攻撃を受け止められる高耐久であり、受けたダメージの一部を《ベル – 熟練なるミスティーク》で返せば一方的に退場させられます。 

自軍のみならず、対戦相手のキャラクター同士でもダメージ・カウンターも移動できる点も覚えておきましょう。 

《ベル – 熟練なるミスティーク》

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チームハクナマタターズ:ryo選手「サファイア/スティール コントロール」

「サファイア/スティール コントロール」はスティールの盤面コントロールと、サファイアのインクブースト&フィニッシャー(ゲームを締めくくるカード)の組み合わせです。《アイスポー》や《剛健の宝球》でデッキを回しながら、それを《ヒーラム・フラバーシャム – おもちゃ職人》でさらにドローに変換とカードを引くことにも長けています。 

《ピート – リングのレフェリー》は強力なアクションカードに対するアンチテーゼであり、逆転の一手を封じるゲームに蓋をするカード(勝敗を確定させる一手)でもあります。 

使われたくないアクションカードを明確化してプレイするれば、より効果的です。《BE PREPARED》や《A WHOLE NEW WORLD》、《WE DON’T TALK ABOUT BRUNO》などを封じることで巻き返しのできない1ターンを生み出してくれます。 

《ピート – リングのレフェリー》

「ルビー/サファイア」「アメジスト/ルビー」との対戦を想定し、フィニッシャーの枠も多めに取られています。《タマトア – シャイニー!》と《ラッキーダイム》に加えて、《ムファサ – プライドロックの統治者》まで採用されています。 

《ムファサ – プライドロックの統治者》は単に消耗戦に強いだけではなく、ロングゲームを一気に締めくくる早さも特徴です。クエストすれば実質使えるインクは2倍になり、簡単には返せない不可逆的な盤面を築くことができます。 

先程の《ピート – リングのレフェリー》で《BE PREPARED》を止めつつ、2倍のインクで強固な盤面を作る。これこそが「ルビー/サファイア」や「アメジスト/ルビー」に対する必殺ムーブなのです。 

《ムファサ – プライドロックの統治者》

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チームLoreStar:ぐるみ選手「アンバー/アメジスト ハイパーアグロ」 

優勝インタビューでも語られている通り、チーム戦を読み構築されたスペシャリティ、「アンバー/アメジスト ハイパーアグロ」。4枚×15種類のシンプルながら美しい構築です。 

「ハイパーアグロ」とある通り、かなり攻撃的な戦略です。注目すべきは低コストキャラクターのロア値の高さ。1コスト2ロアが12枚、条件付きながら2コスト2ロア以上が12枚と最序盤からロアレースのみに焦点を絞っています。 

それを象徴とするのが《デイジーダック – ドナルドの彼女》。《リロ – お願いごと》や《マレフィセント – 竜視眈々》と比較すればわかる通り、1コスト2ロアとは思えぬ高耐久デザインです。デメリットを加味してもメリットが勝る強力無比なキャラクターです。先行1ターン目に出せれば、4ロア以上を期待できます。 

序盤の展開力の劣る「ルビー/サファイア」に対してはかなり強力な1枚であり、先手で出せれば事実上の勝利宣言といってもよいでしょう。 

《デイジーダック – ドナルドの彼女》

《ラフィキ – 謎めいた賢者》は珍しいキャラクターです。イメージの近いカードとしては《マダム・ミム – キツネ》があげられますが、ほかにキャラクターがいない状況でプレイでき、かつ突進により奇襲性の高い1枚となっています。 

チャレンジ先として狙うのは各デッキの主要キャラクターです。「アメジスト/ルビー」の《フリン・ライダー – 薄情者》、「アンバー/スティール」の《アリエル – 麗しい歌姫》、「エメラルド/スティール」の《アースラ – 七つの海の騙し屋》などを一方的に退場させます。 

さらに《ラフィキ – 謎めいた賢者》から《ラプンツェル – いやしの賜物》の動きはインクカーブに沿った強力なプレイです。盤面を有利にしながら、ドローも進められます。《ラフィキ – 謎めいた賢者》で相手のキャラクターを退場させ続けましょう 

《ラフィキ – 謎めいた賢者》

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今回のデッキ情報局は、特別編としてディズニーロルカナ グランプリのTop32メタゲームブレイクダウンをお届けしました。デッキパワーの上から順に選んだだけではなく、チーム戦のルールを利用したデッキ選択もあり、組み合わせは多岐にわたっていました。これこそがチーム戦の醍醐味であり、面白さといえます。 

今後も全国のロルカナ公認店で「セット チャンピオンシップ」の開催が続いていきます。このディズニーロルカナ グランプリでの結果を受けて、個人戦のメタゲームがどのように変化していくのか非常に楽しみなところです。  

このコラムを読んだ皆さんも、新しいカードやデッキに意欲がわいた方が多いのではないでしょうか。  
是非、お近くのロルカナ公認店で開催される「ロルカナ交流会」「ロルカナ ショップ大会」「セット チャンピオンシップ」へご参加ください。  

また、11月3日(月・祝)にサンシャインシティで開催される”勝負の勝ち・負けを一切気にせずゲームを楽しめる「超カジュアルなイベント」、「ディズニーロルカナ カジュアルパーティー」のエントリーもこちらのページにて開始しております。 

https://www.takaratomy.co.jp/products/disneylorcana/event/casual-party-2025

ディズニーロルカナは、新しいカードやキャラクターとの出会い、デッキの想像、「イルミニア」同士の交流をお待ちしております。  

それでは、また次回の「ロルカナ 最新デッキ情報局」でお会いしましょう! 

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