コラム

2026.07.01

【戦略記事】 「ディズニーロルカナ グランプリ 2026 Summer 福岡」Top64 メタゲームブレイクダウン

日本でのディズニー・ロルカナ・TCG最大規模のイベントにあたる「ディズニーロルカナ グランプリ 2026 Summer 福岡」(以下、ディズニーロルカナ グランプリ)。約700名を越えるイルミニアが各々工夫を凝らしたデッキを持ち込み、全7回戦を戦い抜きました。

全7回戦の予選ラウンドを経て、決勝ラウンドへ駒を進めたイルミニアはわずか64名へと絞られました。

本稿では上位64名のデッキ分布、メタゲームブレイクダウンをお届けしていきます。限られた中でイルミニアはどのような調整を経て、デッキを選択、構築したのでしょうか。イルミニアの発想力と構築力の見せ所ともいえます。

人気のデッキは何だったのか、確認していきましょう!

Top64メタゲームブレイクダウン

約700名ものプレイヤーが一同に会した本大会。激しい対戦を制しTop64まで勝ち進んだイルミニアのデッキ選択は以下の通りとなりました。

アンバー/スティール  16名    25.0%(内訳:”アグロ”:9名、”ソング”:7名)
アンバー/エメラルド  12名    18.8%
アメジスト/ルビー   10名    15.6%
ルビー/サファイア    10名    15.6%
アメジスト/サファイア 5名      7.8%
アメジスト/エメラルド 4名      6.3%
サファイア/スティール 3名      4.7%
エメラルド/サファイア 2名      3.1%
アメジスト/スティール 1名      1.6%
エメラルド/スティール 1名      1.6%

今環境が始まってから「セット チャンピオンシップ」を独走状態だった「アンバー/スティール」が使用者数1位となりました。なかでもスイスラウンドを上位で抜けたのは流行のアグロではなく、《アリエル – 麗しい歌姫》を軸にした「歌ミッドレンジ」でした。

カード選択を詳しくみてみると、《風よ吹け》や《持つんだ熱い心》以外にも、アグロへの意識が垣間みれました。

《アークーデテムーティ》は「アンバー/スティール」が手に入れた新しい攻め手であり、展開力を大幅にブーストしてくれます。《シンデレラ – 舞踏会の花形》や《トルバドール – ミュージカル・ナレーター》で歌うことで、かなり早いターンに《ナマーリ – 一本気な宿敵》や《アリエル – 音響の戦士》などの場持ちの良い(場に残りやすい)キャラクターをプレイできます。《アークーデテムーティ》のおかげで「歌ミッドレンジ」は変身以外での大型キャラクターの早期展開手段を手に入れたのです。

《アークーデテムーティ》

いまや「アンバー/スティール」を代表するキャラクターでもある《ライノ – パワーハムスター》。盤面制圧力が高く、変身による奇襲性も持っています。
先手後手を問わない安定感もあり、ロア値も高め。どのデッキに対しても無駄にならない万能感のあるキャラクターです。

アグロが多いと予想されたメタゲームを、「歌ミッドレンジ」は《アークーデテムーティ》と《ライノ – パワーハムスター》で乗り越えてきたのです。

《ライノ – パワーハムスター》

次点となったのは海外のトーナメントでも結果を示し注目を集めていた「アンバー/エメラルド」でした。最序盤から積極的にキャラクターをプレイしていくアグロ戦略であり、数の力で最速20ロア獲得を目指します。《デイジーダック – ドナルドの彼女》を筆頭に、1~2コストのキャラクターを多く採用しています。展開力とロアレースで圧倒する狙いがあるのです。

そんなデッキにあって、やや重めのコストである《エリノア – 名高い外交家》。ダメージ、ロア、カードと多角的にアドバンテージをもたらしてくれるキャラクターであり、4コストも納得のカードです。たった1ダメージでもアグロにとっては脅威となります。

序盤に展開しておいたキャラクターと相性が良く、「アンバー/エメラルド」における新しいフィニッシャーとなっています。3ターン目まで毎ターンキャラクターをプレイし、《エリノア – 名高い外交家》でゲームに蓋をします(勝敗を確定させる一手)。

《エリノア – 名高い外交家》

《UNDER THE SEA》はアグロに効果的なメタゲームに合致した1枚。合唱のため、展開力の高い「アンバー/エメラルド」で使いやすく、あらゆるアグロ戦略に対して必殺技となります。「アンバー/エメラルド」のミラーマッチでは《UNDER THE SEA》を先にプレイしたほうが圧倒的に優位に立ちます。

さらに《UNDER THE SEA》の効果範囲を広げるため、《キーダ – アトランティスの守護者》まで採用した構築もあります。攻撃力下げることでアグロのみならずミッドレンジに対しても有効なカードとして機能するようになります。

《UNDER THE SEA》

同率3位には「アメジスト/ルビー」と「ルビー/サファイア」がランクインしました。「アメジスト/ルビー」は王道のミッドレンジ(中速デッキ)であり、環境に合わせて変幻自在に姿を変えます。現在は対アグロを意識して、《BE PREPARED》や《シスー – 兄弟姉妹の希望》を減らして、序盤からしっかりとチャレンジできるキャラクターが増えています。

《ジェデダイア・ファーンズワース – クッキー》は最序盤の攻防を支配する1枚です。2コスト3/3というスタッツに、回避付き。上位にみられた「アンバー/スティール」や「アンバー/エメラルド」に非常に効果的です。《ジェデダイア・ファーンズワース – クッキー》はアグロのみならず中コストのキャラクターにまで大きくプレッシャーをかけます。

さらに、《ディアブロ – 忠実なる使い魔》や《ダンボ – 世界の七不思議》などの回避対策、《シンデレラ – 舞踏会の花形》や《アリエル – 麗しい歌姫》などの歌い手が歌うのを牽制するなど、盤面に睨みをきかすキャラクターとなります。環境にもマッチした最高峰の2コストキャラクターといえます。

《ジェデダイア・ファーンズワース – クッキー》

「ルビー/サファイア」は《ティポ – 育ち盛りの息子》や《アズライト航海記》でインク数を増やし、早期に高コストのカードを使っていく戦略です。インクブースト(カードの効果で使用できるインク数を増やすこと)から《モーリスの工房》を設置、アイテムを多面展開してドンドンカードを引いていきます。このデッキの場合、《マウイ – オレって半サメだろ?》や《タマトア – ゴージャス!》は本来よりも1~2ターン早くプレイ可能となります。

《リキッデーター – こおりゃ結構!》は1コストの少ない「ルビー/サファイア」にピッタリなキャラクターです。展開で不利になりやすい後手で嬉しい「後攻の功」をいかして、序盤から盤面にプレッシャーをかけていきます。「アンバー/スティール」や「アンバー/エメラルド」に強いキャラクターです。

《リキッデーター – こおりゃ結構!》と《ジェデダイア・ファーンズワース – クッキー》の2種類の加入により、「ルビー/サファイア」の序盤はかなり強化されました。

《リキッデーター – こおりゃ結構!》

おわりに

大会前から人気だった「アンバー/スティール」を筆頭に「アンバー/エメラルド」が続き、「アメジスト/ルビー」と「ルビー/サファイア」が追従するかたちとなっています。

そして、激戦の末に栄冠を手にしたのは・・・!?
後日優勝者インタビューも掲載予定なので、お楽しみに!

ライター:富澤 洋平

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