コラム
2026.07.10
【インタビュー】 「ディズニーロルカナ グランプリ 2026 Summer 福岡」優勝者 はりー選手インタビュー
約700名のイルミニアが集ったディズニー・ロルカナ・TCGの祭典「ディズニーロルカナ グランプリ 2026 Summer 福岡」(以下、ディズニーロルカナ グランプリ)。決勝ラウンド進出者のデッキタイプの一部を紹介したTOP64 メタゲームブレイクダウンでも解説されている通り、イルミニアたちは各々工夫を凝らしたデッキを持ち込み、予選ラウンド7回戦の後、決勝ラウンド6回戦の全13回戦という長丁場を戦い抜いたのです。

その頂点に立ったのは「アンバー/エメラルド」を使用したはりー選手。決勝戦ではぴ選手の「アメジスト/ルビー」との対決となりました。圧倒的なキャラクター展開からの最速《エリノア – 名高い外交家》着地。ぴ選手のわずかな出遅れもありましたが、《エリノア – 名高い外交家》が多大なるアドバンテージとともに勝利までも届けました。
優勝を手にして興奮冷めやらぬ中、喜びを噛みしめるはりー選手に、インタビューを実施しました。

──「優勝、おめでとうございます。改めて今のお気持ちいかがですか」
はりー「ありがとうございます。感無量ですね」
──「簡単に、本大会優勝までの軌跡を教えていただければと思います」
ディズニー・ロルカナ・TCGとの出会い
はりー「始めたのは日本の第1弾からですが、その前から海外で人気のカードゲームと認知していました。これまで色々なカードゲームにさわってきたこともあり、気になっていました。海外の見知ったプレイヤーが遊んでいたんです。これなら間違いないだろう、日本にきたらやってみようと思い、始めました」

──「普段はどんなふうにロルカナをしているのでしょうか」
はりー「茨城県にあるトレカエース結城店で遊んでいます。TSUTAYA内のカード部門のお店です。毎週交流会を開いていて、自然とそこに集まるようになりました」
──「ご自宅から距離があると聞きました」
はりー「2時間かけて移動してまいす(笑)仲良くなったコミュニティーがそこで遊んでいるので合流した感じです。一緒に遊んでいて楽しいので、ロルカナしたり、だべったりして楽しんでいます」
──「ちなみにディズニーではどのキャラクターがお好きなのでしょうか」
はりー「《リトル・グリーン・メン》です。理由は可愛いから(笑)」

本大会に向けての流れ・調整
──「ディズニーロルカナ グランプリに向けて具体的にはどのように調整したのでしょうか」
はりー「先週末、友人宅に二泊して合宿しました。一泊予定でしたが、練習が足りないなと感じて、結果的に二泊になりました」
──「ロルカナに理解のあるご家族ですね」
はりー「ロルカナは妻と一緒に遊んでいます。この二泊の練習でかなり煮詰められたかなと思いました。カードゲームに理解があって助かっています。感謝しかありません」

──「イルミニアたちの腕試しの場である『セット チャンピオンシップ』には参加されたりしましたか」
はりー「参加しましたね。色々試しましたが、成績は悪くなかったです。《ウッディ – ジャングルの案内人》のころ3回くらい優勝しました。地理的な問題もあり、茨城県、栃木県、福島県の3か所で参加していました」
デッキに関して
──「使用されたアンバー/エメラルドについて解説をお願いいたします。どのような経緯があったのでしょうか」
はりー「調整初期段階から本命でした。海外の情報を追っていたので、勝っていたのを知っていたんです。海外の影響を受けた感じですね。当時はまだ《エリノア – 名高い外交家》が入っていませんでしたが」
はりー「実はこれから開催される海外のロルカナの大型大会にも参加予定なんです。海外のフォーマットがインフィニティ(セット1以降の全てのカードが使用できる)ということもあり、同じアーキタイプを使ったほうがいいかなとも思いまして」
──「アンテナを高くはられていたのですね」

はりー「直近の海外大会の結果はすべて追っています。《エリノア – 名高い外交家》入りのデッキがワンツーフィニッシュしたのをみて試しました。従来のロイヤルドッグの戦略を覆す、圧倒的なカードパワーがありました。出た瞬間から毎ターンアドバンテージをもたらしてくれて、手札が尽きず、盤面も取り返せます」
はりー「地味な1点ダメージも《リロ – 抜け出し名人》などと組み合わせて、合計2点になるので意味を持ちます。積み重ねが有利な場の形成につながります」
──「多角的な脅威と呼ぶに相応しいキャラクターですね。調整の中で特別なカードやテクニックなどをデッキに入れたりしたのでしょうか?」
はりー「《エリノア – 名高い外交家》は自分たちのグループでは当たり前のカードだったんですが、一番いかせる方法は何かなと考えたところ、《プルート – 人なつっこいわんこ》へたどり着きました。《プルート – 人なつっこいわんこ》が革新的かなと思います」

はりー「3ターン目に《エリノア – 名高い外交家》を着地させながら、効果を誘発させるかどうかが重要です。海外と違い《柳の木のおばあさん – 古き善き相談相手》が未収録のため、元々の構築だと《オーロラ – 姫のお披露目》がからまないと無理でした。しかし、代わりとなる《プルート – 人なつっこいわんこ》を採用したおかげでコスト軽減できるカードが2種8枚となり、かなり安定するようになりました。これによって対戦相手の遅い展開を咎められるようになりました。押し付ける、簡単な勝ち筋があるといいかなと思いました」
──「確かに決勝戦では《エリノア – 名高い外交家》が早期に登場して大活躍しましたね」
はりー「展開にブーストをかけられる《プルート – 人なつっこいわんこ》が一番の工夫と言えます。これまでも入っているデッキはありましたが、《トランプ – 裏路地暮らしの犬》を3ターン目に出せる意味しかなく、レディ状態を維持したいのに噛み合わないなと感じていました。でも《エリノア – 名高い外交家》がいれば、退場してもOKです」
──「『アンバー/エメラルド』のアグロ戦略だと《デイジーダック – ドナルドの彼女》がメジャーかと思いますが」

はりー「そこを《プルート – 人なつっこいわんこ》に変更しました。このデッキは単なるアグロデッキにみえて、リソース勝負もできる。一線を画したデッキになっています。リソースゲームでは《デイジーダック – ドナルドの彼女》は噛み合わず、ないほうがすっきりします」
はりー「《プルート – 人なつっこいわんこ》は早い動きをサポートするので、速攻キャラクターを展開すれば《デイジーダック – ドナルドの彼女》出しているのと変わりません。こちらのほうが対戦相手のデッキによってプランを変更でき、戦略の幅が広がっています」
──「奥深いですね」
はりー「『ルビー/サファイア』に対しても《デイジーダック – ドナルドの彼女》より《エリノア – 名高い外交家》のほうが手札も補充されて強いですよね?ほかにも《ライノ – 16分の1はオオカミ》もポイントです。《UNDER THE SEA》の効果範囲を広げられたり、《ナニ – ステージマネージャー》で山札から引っ張ってこれたり、《レディ – ミス・ニューヨーク》で回収できたり、1コストながら噛み合わせが多くプレイに幅が出るキャラクターです」
──「《女王 – 欺きの姿》も気になります」

はりー「《女王 – 欺きの姿》は先週の海外大会で使用者が増えたカードです。見た目は使いにくそうですが、汎用性の高いカードです。アグロ相手には出さず、対「ルビー・サファイア」などの遅いマッチアップではロアをあたえても気になりません。《トランプ – 裏路地暮らしの犬》と《エリノア – 名高い外交家》を引けず、《女王 – 欺きの姿》とほかのリソースカードで勝ったゲームもありました」
はりー「相手のロアを追いかける展開になっても、盤面を制圧した後に、3ロアになってロアレースを一気に詰められます。勝つにはクエストしなきゃだけど、クエストすると《女王 – 欺きの姿》のロア値が上がって、ロアレースがひっくり返る、なんてこともありました」
本大会を終えての感想
──「大会当日の当たりはどうでしたか」
はりー「『アンバー/スティール』と『アメジスト/ルビー』が多いかなと思っていました。前者は動き次第で五分、後者には強い認識だったので多ければいいなと思っていました」
はりー「蓋を開けてみると『ルビー/サファイア』が増えていて、キツイなと。《シスー – 兄弟姉妹の希望》が厳しくて。3回対戦しましたが、噛み合いが良く勝利できました。『ルビー/サファイア』側もベストハンドが求められるため、完璧な手札以外は勝てます。それと先手をとれたのも大きかったですね」
──「厳しい理由を詳しく教えてください」
はりー「最近の『ルビー/サファイア』は低コストのキャラクターが増えている点です。《リキッデーター – こおりゃ結構!》や《ジェデダイア・ファーンズワース – クッキー》がキツイ。こちらは攻撃力の低めなキャラクターが多く、後手1ターン目に《リキッデーター – こおりゃ結構!》を出されると、動きを制限されてしまいます」


はりー「昨晩、友人の『ルビー/サファイア』と対戦したんですが一回も勝てなくて。構築を『アンバー/エメラルド』へ寄せに寄せていたのもあって。その分、今日は多少楽に感じられました」
──「大会を通して、印象に残っているシーンなどはありますでしょうか」

はりー「スイスラウンドの5回戦で『ルビー/サファイア』と対戦したんですが、《コワすぎる光景》を3枚引かれました。ほぼ何もなく、絶望的な状況から《ゴー・ゴー・トマゴ – ダイナミック・ダイナモ》を引いてピッタリ勝利しました」
はりー「《ゴー・ゴー・トマゴ – ダイナミック・ダイナモ》は今朝まで入っていなかったんです。友人がすすめてくれて、スペースを作って採用しました。本当に感謝です。友人と一緒にやっていて良かった、ありがとう!」
──「本大会の勝因はなんだったと思いますか?」
はりー「デッキ構築がうまくいったかなと思っています。《プルート – 人なつっこいわんこ》を採用したのが良かったかなと。正直、構築勝ちした気持ちはありますね。《プルート – 人なつっこいわんこ》のおかげで再現性と安定感がありました。理想的な押しつける動きが安定してできていました」
──「それこそデッキ勝ちって誰しもが憧れるし、嬉しいところですよね」
はりー「《プルート – 人なつっこいわんこ》はデッキの本来の動きをサポートしてくれる縁の下の力持ちです。さらに『アンバー/エメラルド』同士のミラーマッチでも差をつけるカードです。キャラクターの攻撃力が低いこともあり退場しにくく、展開力に差がつきます」
──「素晴らしいデッキですね。今後は増えるかもしれませんね。苦手なデッキはありますか」
はりー「カラーでいうと『アメジスト・エメラルド』『エメラルド・スティール』。意識されていない今ならば、これ以外は五分以上あるかと思います」


はりー「このデッキは回避キャラクター、具体的には《ディアブロ – 忠実なる使い魔》を対処できないんです。変身を絡めて早いターンにプレイされると厳しいです。《プリンス・ジョン – 強欲王》も《トランプ – 裏路地暮らしの犬》に対して強いです」
──「《UNDER THE SEA》頼みですね」
はりー「《エリノア – 名高い外交家》を最速でプレイすれば、2ターンはかかりますが《ディアブロ – 忠実なる使い魔》を対処でき、ギリギリ間に合います。逆に《ディアブロ – 忠実なる使い魔》さえだされなければ勝機はあります」
はりー「優勝は《ディアブロ – 忠実なる使い魔》が増えなかったのも勝因かもしれません。苦手とする『アンバー/スティール』、『アメジスト/ルビー』が流行っていたのは追い風でした。《風よ吹け》や《ジェデダイア・ファーンズワース – クッキー》のおかげです」
──「メタゲームの勝利ですね。お見事です!」
グランプリ王者として
──「さて、グランプリの王者となりましたが、次の目標などはあるのでしょうか?」

はりー「世界選手権を目指します。横浜と日本一決定戦のほかに、アジア大会の参加権利を持っているので、3回チャンスがあります。とりたいですね」
──「最後になりますが、今日の結果、どなたにお伝えされますか?」
はりー「妻ですね。二泊とか合宿させてもらえて、本当に妻に頭が上がらないですよね。ありがとうございます!」
はりー「支えてくれた皆さんにも感謝です」
──「おめでとうございます、どうもお疲れさまでした!」

前人未踏の全勝優勝を成し遂げたはりー選手。貪欲に情報を追いかけ、家族の協力のもと調整し、最適なデッキを構築していました。インタビューできいた通り、きめ細かなカード選択がありました。
ディズニー・ロルカナ・TCGは誰もが手軽に始められて、ディズニーが織りなす楽しいカードを使い、カジュアルに遊べます。
それのみならず、奥深いゲーム性と戦略をも持ち合わせています。デッキ構築に始まり、カード使うタイミング、チャレンジとクエストの選択など、対戦中は楽しくも頭を悩ませる展開が待ち受けています。
実際、はりー選手はメタゲームを終始追い続け、友人の協力もあり最新のデッキを構築し、プレイを磨き、見事栄冠を勝ち取りました。
情報とコミュニティー。この二つはディズニー・ロルカナ・TCGにおいて欠くことのできない両輪です。この両方を持ち合わせ、さらに飽くなき情熱があったからこそはりー選手は全勝優勝を果たしたのです。
その視線の先には、すでに次なる目標である世界選手権を見据えていました。
今後の活躍を期待するとともに、今は優勝を喜びましょう。
あらためて700名のイルミニアの頂点に立った、勝者をここに讃えましょう!

「ディズニーロルカナ グランプリ 2026 Summer 福岡」優勝は、はりー選手!!
おめでとう!!
ライター:富澤 洋平 撮影者:福井 翔