祭りの後 – ひとつのエピローグ

祝典の陰で進行していた催眠的展開

「これは興味深い。あらゆる手がかりが…空き部屋の一つを示しているとは?」バジルのグリマーは首をかしげた。遠くからは、たけなわを過ぎた祝祭の物音がまだ聞こえてくる。
その暗い部屋も、大イルミナ内部にたくさんある、興味をそそられる場所の一つだった。彼はほんの数日前にドーソンに言ったばかりだ…「百年さまよい続けても、これらの部屋すべてを見るには足りないかもしれない」と。
バジルは部屋に足を踏み入れた。目がすぐに暗さに慣れていく。その部屋は全くの空というわけではなかった。部屋の真ん中には古びた書見台が倒れており、開かれた扉から入る風で、干からびた海藻の切れ端が舞い上がった。かすかに潮の香りが漂っている。バジルは部屋を出ようと踵を返した。
「もうお帰りかね?」その声はとぐろを巻いた毒蛇のような危険さを宿していた。

立ち止まったバジルの前に、物陰からぬるりと、彼よりも大きなグリマーが現れた。その手には蛇のような意匠の杖を握っている。蛇の杖の両目が輝いた。
「ヘックスウェルの王冠。お前はその破片を一つ持っているだろう。それを見せろ」謎のグリマーが命令する。
バジルの手が、考えるよりも先に動き、先日拾った王冠のごく小さな破片を差し出していた。
「さて、我がちっぽけな仲間よ、お前は残りの破片を探し出して、わしのもとへ持ってくるのだ」
「僕は王冠を持ってくる…」バジルが考えるより早く、彼の口は自然と言葉を発していた。「待った、もし持ってこられなかったら?」
「必ず王冠を手に入れてこい!もしお前が無能なせいで無理ならば、その在処を教えるのだ、わしが自分で取りに行く」
バジルの足はすでに動き出していた。その聡明な頭にはモヤがかかったように感じられ、ただ言われた通りに、王冠を探すことだけを考えていた。
小さなネズミが出て行ったのを見届けて、ジャファーのグリマーはほくそ笑んだ。「焦りは禁物だ」一人つぶやくジャファー。「愚か者どもめ、祝っているがいい。ヘックスウェルの王冠さえ手に入れれば…ロルカナはわしのものとなるのだ!!」

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