コラム
2026.07.19
【戦略記事】 「ディズニーロルカナ チャレンジ 2026 Summer 横浜」Top64 メタゲームブレイクダウン
世界規模のイベントであり、日本では2回目の開催となった「ディズニーロルカナ チャレンジ 2026 Summer 横浜」(以下、ディズニーロルカナ チャレンジ)。今大会には2000名を超えるイルミニアが集い、各々工夫を凝らしたデッキを持ち込み、全9回戦を戦い抜きました。
スイスドロー9回戦を経て、決勝ラウンドへと駒を進めたイルミニアはわずか64名へと絞られました。
本稿では上位64名のデッキ分布、メタゲームブレイクダウンをお届けしていきます。「未知なる彼方へ!」環境の総決算ともいえるディズニーロルカナ チャレンジ。イルミニアはどのような調整を経て、デッキを選択し、構築したのでしょうか。イルミニアの発想力と構築力の見せ所ともいえます。
人気のデッキは何だったのか、確認していきましょう!
Top64メタゲームブレイクダウン
2000名を超えるプレイヤーが一堂に会した本大会。激しい対戦を制しTop64まで勝ち進んだイルミニアのデッキ選択は以下の通りとなりました。
1位 「アンバー/エメラルド」 14 21.9%
2位 「アンバー/スティール」 12 18.8%(内訳:歌ミッドレンジ10名、アグロ2名)
3位 「エメラルド/スティール」 10 15.6%
4位 「ルビー/サファイア」 6 9.4%
5位 「アメジスト/エメラルド」 5 7.8%
5位 「アメジスト/ルビー」 5 7.8%
5位 「アメジスト/サファイア」 5 7.8%
8位 「エメラルド/ルビー」 2 3.1%
8位 「サファイア/スティール」 2 3.1%
10位 「アンバー/アメジスト」 1 1.6%
10位 「アメジスト/スティール」1 1.6%
10位 「エメラルド/サファイア」1 1.6%
ディズニーロルカナ チャレンジでは、「ディズニーロルカナ グランプリ 2026 Summer 福岡」のメタゲームと比較して、大きな変化が見られます。「エメラルド/スティール」の大躍進です。
数のうえでは「アンバー/エメラルド」と「アンバー/スティール」に及ばないものの、「エメラルド/スティール」の伸びは明確な理由があります。「エメラルド/スティール」こそ「アンバー/エメラルド」キラーにほかなりません。メタゲームの覇者ともいえる立ち位置にあります。
細かくデッキを見ていきましょう。

最多デッキとなったのは「アンバー/エメラルド」でした。「ディズニーロルカナ グランプリ 2026 Summer 福岡」以降、人気絶倒中の攻撃的な戦略です。最序盤から積極的にキャラクターをプレイしていき、数の力で最速20ロア獲得を目指します。1~2コストのキャラクターを多く採用しており、安定性と爆発力を兼ね備えたデッキです。
高速展開によって枯渇気味となる手札を補充してくれるのが《エリノア – 名高い外交家》です。条件を満たせばダメージ、ロア、カードを供給してくれる、まさにアドバンテージの権化。低コストのキャラクターを多用する戦略と非常に相性が良く、仮にほかのキャラクターが退場したとしても《エリノア – 名高い外交家》の効果が相殺してくれます。

「アンバー/スティール」の戦略には変化が生まれています。以前は低コストキャラクターを連打するアグロが優勢でしたが、ここにきて歌ミッドレンジ(中速デッキ)が増加と逆転現象がおきています。
「アンバー/スティール 歌ミッドレンジ」は《アリエル – 麗しい歌姫》をはじめとした歌声を持つキャラクターと《風よ吹け》などの歌カードを組み合わせ、キャラクターの展開と歌カードによる盤面掌握を同時におこなうテンポの良いデッキです。同じカラーリングでもアグロと比較してサイズ感のあるキャラクターが多く、ダメージ系アクションで退場しにくくなっています。
ダメージ系アクションを採用しながら、それらに強い構築にする。それこそが歌ミッドレンジに求められていた答えでした。《アースラ – ヴァネッサ》や《トルバドール – ミュージカル・ナレーター》などの意志力のある歌い手(歌声を持つキャラクター)をプレイし、《風よ吹け》で盤面を整理していきます。《エリノア – 名高い外交家》を一撃で除去できる《そこに登場、ゼウス!》への布石となる点も見逃せません。

ここにきて、今大会の主役である「エメラルド/スティール」の登場となります。《背すじがゾクッ!》などの手札破壊カード(手札を捨てさせる効果)をプレイして、対戦相手の手札へダメージを与えていくデッキです。序盤から《背すじがゾクッ!》や《アースラ – 騙し屋》を積極的にプレイし、手札にあるカードを捨てさせていきます。中盤以降、《アースラ – 七つの海の騙し屋》や《ディアブロ – 忠実なる使い魔》の効果で優位を確固たるものとして、ゲームを進めていきます。
《アースラ – 七つの海の騙し屋》はメタゲームにフィットした1枚であり、《風よ吹け》を歌うことで「アンバー/エメラルド」の盤面に壊滅的なダメージをあたえます。《持つんだ熱い心》や《俺は悪党!意地悪!下品!》など選択肢は多岐にわたります。
その一方で、ミッドレンジやコントロールなど遅いデッキに対しては《背すじがゾクッ!》があり、全方位に対して有効なキャラクターとなっています。

《アースラ – 七つの海の騙し屋》と《ディアブロ – 忠実なる使い魔》の2枚看板は魅力ではあるものの、これまで数が伸び悩んでいたのには理由があります。《ジェデダイア・ファーンズワース – クッキー》という明確な弱点が存在していました。
その弱点を克服する助けとなったのが《ディアブロ – 石使いの召使い》です。2コストながらヴィランズ・キャラクターと強烈にシナジー(相乗効果)を形成し、強固な守りとなってくれる頼もしい1枚。《乱闘》で除去されず、《ジェデダイア・ファーンズワース – クッキー》と相打ちできます。
メタゲームの合致とデッキの最適化。この両方を成立させたからこそ、「エメラルド/スティール」は今大会の勝ち組となったのです。

4番手は「ルビー/サファイア」でした。インク数を増やし、早期に高コストのカードを使っていく戦略です。インクブースト(カードの効果で使用できるインク数を増やすこと)から《モーリスの工房》を設置、アイテムを多面展開してドンドンカードを引いていきます。このデッキの場合、《タマトア – ゴージャス!》や《シスー – 兄弟姉妹の希望》は本来よりも1~2ターン早くプレイ可能となります。
メタゲームの変化により、《ティポ – 育ち盛りの息子》よりも《ジェデダイア・ファーンズワース – クッキー》や《リキッデーター – こおりゃ結構!》を優先する構築が定番となっています。対アグロでは2ターン以内に攻撃力3以上のキャラクターをプレイし、相手を低速化させられるかが焦点となります。
立ち位置は決して良いわけではありませんが、対アグロには《ジェデダイア・ファーンズワース – クッキー》と《リキッデーター – こおりゃ結構!》、対ミッドレンジには《モーリスの工房》と必要なカードがハッキリしています。序盤さえ乗り切れれば、あとは潤沢なドロー(カードを引く効果)を駆使して、有効なカードをかき集められます。安定性の高さから選択し、スイスラウンドを越えたイルミニアが多かったようです。

おわりに
大人気の「アンバー/エメラルド」がメタゲームを牽引し、対抗馬として「アンバー/スティール 歌ミッドレンジ」と「エメラルド/スティール」があがっています。
果たして、優勝するのはどのデッキなのでしょうか。熱戦が続く、ディズニーロルカナ チャレンジの模様は、ぜひ配信でご覧ください。
後日優勝者インタビューも掲載予定なので、そちらもお楽しみに!
ライター:富澤 洋平