伊豆諸島、新島(にいじま)と利島(としま)の間にある周囲約3.5キロの小島鵜渡根島(うどねじま)は明治後期に無人化島になった。この島にある素偉渡(そいと)神社は祭神不明、造営年数不祥の謎の多い神社である。2023年、その神社に調査が入る。その結果、朽ち果てた社殿の地下から謎の球体(スフィア)が発見された。そのスフィアは見た目よりも遥かに質量が大きく、内部ではなんらかの活発な反応が行われていることが確認された。それはもはや宗教・歴史学の範時に収まるものではなく、スフィアは物理科学の研究機関へと委託されることになる。その移譲の日、スフィアは激烈な反応を示し周囲にある観測機器をすべて使用不能にする。
それからほどなく―鵜渡根島にひとつのポッドが落下する。それは惑星Ziから送られたスフィア(ゾイドコア)をゾイドたらしめる素体のパーツ群を内包したものだった。かくして、スフィアはゾイドになる。さらに、ポッドと共に何体かのゾイドも日本一東京に飛来そして、人とゾイドとの緩やかな共生がはじまる。
当初、ゾイドの扱いに関しては東京都と国との間で綱引きがあった。国はゾイドを自衛隊の管轄下におきたがったが、都は発見された場所がそもそも東京都新島村だったこともあり、ゾイドを警視庁が管理することを主張した。この頃には、ゾイドにも知性があること、ヒトに対して敵意がないことなどが周知され、結局、都はゾイドの兵器転用反対の世論を味方に、その監督権をもぎ取ることになる。その結果、奥多摩町にゾイド特別地区が誕生。比較的近くに警視庁警備部特科車輌二課奥多摩分校があったこともあって、周辺住民とゾイドとの安全確保の任は、警備部特科車輌二課に任せられることになる。

























