夢限少女杯 準決勝

ぽっきー選手 vs hyakko選手(ライター:からばこ)

人間には何事にも、急成長する瞬間というものがある。
勉強でいきなり成績が上がり、志望校のランクを上げた。スポーツでメキメキと力をつけ、レギュラーを奪取した。絵や音楽のコツが掴めて、ぐっと完成度が上がった。何かに取り組んでいると、そんな瞬間が訪れる。

夢限少女杯本戦。準決勝の卓に座るぽっきー選手は、今、この瞬間こそ、急成長の真っ只中だ。
「アンリアリスティック」を機にウィクロスに触れてから約3年。2022年頭頃からセレモニーでも入賞するようになり、ぽっきー選手はまたたく間にトッププレイヤーの仲間入りを果たした、急成長中のルーキーだ。
同じく本戦に参戦しているわっく選手率いるコミュニティで、これまた本戦に名を連ねるゆきちゃん選手、リク選手らと腕を磨き続けた成果が、現在進行系で花開いている。先日のディーヴァグランプリ4thでは見事優勝。
勢いそのままに、この舞台までやってきた。

相まみえるはhyakko選手。ぽっきー選手と対象的に、ウィクロス歴8年の歴戦の猛者だ。
予選を1位で通過した実力はもちろん、環境を分析し、咀嚼する能力も非常に高い。
自身のYouTubeチャンネル「hyakko TCG」ではその理論を言語化し配信を行い、多くのプレイヤーの支えとなっている。
中学、高校、大学と続けたテニスで焼けた肌と鍛えられた体がまた、強者のオーラをより大きく見せている。

急成長中のルーキーを、歴戦の猛者が迎え撃つ。
頂点まであと2つ。戦いの火蓋が切って落とされた。

ぽっきー選手(リメンバ-マドカ/ウリス) vs hyakko選手(サシェ-みこみこ/マキナ)

すべての手札をマリガンしたhyakko選手。腕まくり一つ、先攻1ターン目のドローを終えた彼は、はたと手を止めた。1枚、2枚とカードを裏向きに置き、じっと考える。
十分な思考ののち、《聖天姫 エクシア》をエナに置き、グロウ。《コードメイズ ユキ//メモリア》《羅菌 オイゴナ》を配置し、ターンを渡した。手札を置き、静かに腕を組む。

後攻のぽっきー選手。トップ2枚のドローを終えると、マスクに隠れた表情がやや緩んだように見えた。
4枚のマリガン後、彼の手札にレベル1の姿はなかった。後攻1ターン目の事故は何としても防ぎたい状況から、無事にスタートを切ることができた様子だ。
ひとまず《幻水姫 シィラ》をエナに置き、グロウ。先に仕掛けたのはぽっきー選手だった。
アシストルリグのマドカを《マドカ//フロート》へグロウし、3枚のドロー。
そして2枚の《蒼魔 マノミン》を並べ、アタックフェイズへ移行した。《蒼魔 マノミン》の手札破壊効果を2度使用し、hyakko選手に瞳で訴える。「みこみこ、グロウしてくださいよ」と。
《蒼魔 マノミン》の手札破壊で2枚の上級シグニを捨てたhyakko選手は、応じるようにアシストルリグのみこみこを《みこみこ☆きらっきら》へとグロウ。
3ドローして2枚捨てるが、同ターンに相手に手札を捨てさせられていれば、ドローの枚数は5枚へ跳ね上がる。さながら、アシストルリグ版《ゼノ・クラスタ》と言った能力。
ぽっきー選手の挨拶代わりの手札破壊から復帰した。
ぽっきー選手は《蒼魔 マノミン》でライフクロスを1枚割り、ターンを渡す。コントロール環境でよく見られる静かな立ち上がりは、両者の想定通りだろう。

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先手2ターン目。hyakko選手が一呼吸入れ、アクセルに足をかける。
場の《コードメイズ ユキ//メモリア》をチャージし、《悠久の使者 サシェ・クラフト》にグロウ。自分のトラッシュ、手札を念入りに確認し、クラフトレゾナをルリグデッキに加える。
そしてhyakko選手が小さくうなずき、動き出した。
《マキナウィングスラッシュ》《蒼魔 マノミン》をバニッシュし、《羅菌 オイゴナ》でもう一方の《蒼魔 マノミン》も除去。最後に《聖凶天 マスティマ》を配置。
またたく間に3面要求が整った。1回戦でも見られたhyakko選手によるお得意のゲーム展開。
アタックフェイズ。下級シグニたちがぽっきー選手に襲いかかる。最初のシグニのアタックで見えたライフバーストは……、《羅星 レプス》
シグニのアタックを2点に抑え、ルリグも《サーバント #》で防ぐ。ぽっきー選手は先手2ターン目を、2ダメージというひとまず最低限の被害で切り抜けた。

ターンを受け取り、手札から《大装 ゲイヴォルグ》をチャージし、リメンバをレベル2にグロウ。お返しと言わんばかりに、hyakko選手に食らいついた。
まずはアシストルリグのウリスを《ウリス・スケアー》にグロウ。《聖凶天 マスティマ》をバニッシュしながら、hyakko選手のデッキを4枚削る。
さらにルリグデッキに手をかけて、飛び出したのはピース《ウルトラスーパーヒーローズ》だ。
ぽっきー選手が手札を潤す対面で、hyakko選手はデッキから10枚をトラッシュに送る。その中には《サーバント #》が2枚見えた。先ほどのガードを含めると、《サーバント #》はもう1枚しかない。

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増えた手札を燃料に、盤面を食い荒らしにかかるぽっきー選手。《中装 デウス//メモリア》に下敷きを1枚与え、場に残る《羅菌 オイゴナ》を狙う。そして覚醒した《凶魔 テューポーン》《聖将 チョウウン》を展開した。パワー15000と、レベル2以下シグニシャドウ。hyakko選手のレベル3に備え、火力と堅牢さを両立した盤面でアタックフェイズへ入る。《中装 デウス//メモリア》《羅菌 オイゴナ》を焼き、3面要求で切り替えした。
hyakko選手はこれを通す。1発目の《凶魔 テューポーン》のアタックで見えたライフバーストは、こちらも除去の《幻水姫 シィラ》だ。《中装 デウス//メモリア》をトラッシュに叩き落とす。
前ターンのポッキー選手と同じく、シグニの要求は2点で切り抜けた。
続くリメンバのアタックを、hyakko選手はその身で受けた。《サーバント #》の有無を読ませないスムーズな被弾。ライフクロスは残り3枚とリードされるも、表情一つ変える素振りはない。
カードを置く所作、トラッシュや場を眺める視線、姿勢や呼吸のリズム。その佇まいの一つひとつもまた、彼の武器だ。

hyakko選手にターンが渡る。2ドローを経て、残るデッキの枚数は4枚だ。《ウルトラスーパーヒーローズ》の10枚落としが、遅れて1ダメージをちらつかせる。「ちょっと考えます」と、この試合で初めて、ぽっきー選手に長考を告げた。
多くのカードが送り込まれた自身のトラッシュ。8枚と告げられたぽっきー選手のトラッシュの枚数。手札を置き、指を折り数え、ゲーム展開を脳裏に描いていく。小さく息を吐き、エナチャージを通過して、hyakko選手のサシェがレベル3《白夜の使者 サシェ・モティエ》へとグロウした。

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まずは「ゲーム1」と力強く宣言。そして中央に立つ《凶魔 テューポーン》の前に《コードハート リメンバ//メモリア》を配置し、起動能力で自身のライフクロスに目を通す。続けてアシストルリグを《マキナリペア》にグロウさせ、《聖凶天 マスティマ》を4枚目のライフクロスとして置いた。
続けて《スーパー・ヘルエスタセイバー》。選択肢十分なトラッシュから《サーバント #》《聖魔姫 オロチマル》《羅星姫 ミュウ//メモリア》を手札に呼び戻した。そして盤面に2枚目の《コードハート リメンバ//メモリア》を配置し、ダウン。正面が空いたシグニゾーンには《羅星 レプス》を要求札として配置。中央の《コードハート リメンバ//メモリア》のパワーを《白夜の使者 サシェ・モティエ》の起動能力でアップさせ、アタックフェイズへと進んだ。

hyakko選手の手札は6枚。リフレッシュを見据え、ライフクロスは《マキナリペア》で非ライフバーストのカードを置き、手札には後半戦で必要なアタッカーたちを控えさせている。ゲーム1能力が宣言された盤面には、ダウンした《コードハート リメンバ//メモリア》が2体。起動能力を軸に戦う《共宴の巫女 リメンバ・ディナー》にとって、これほど嫌らしい状況はないだろう。
ぽっきー選手はそんな状況に目を落とし、小さく首を傾げ、うなった。残る自身の手札は2枚。《ウリス・アフリクト》へのグロウも可能な場面だが、《羅星 レプス》にマイナス除去を使うのも、デッキ破壊によるリフレッシュで、《マキナリペア》で埋められた非バーストの《聖凶天 マスティマ》をトラッシュに送るのも、リターンが少ない。グロウコストを含めればエナの総量も心もとなく、2枚の《コードハート リメンバ//メモリア》がここにのしかかる。
長考の末、ぽっきー選手はここを通した。
hyakko選手の《羅星 レプス》のアタックで見えたのは、再び《羅星 レプス》だ。

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ここで初めて、hyakko選手が軽くのけぞった。ポーカーフェイスを貫く彼の、小さいながら大きな動揺。アタックを終えた《羅星 レプス》が手札に戻される。
しかし打点への影響はない。《コードハート リメンバ//メモリア》たちに阻害されたルリグアタックはすんなりと通り、ぽっきー選手のライフクロスは3枚となった。が、ルリグアタックによるライフバーストからは《RANDOM BAD》が飛び出す。《コードハート リメンバ//メモリア》が凍りついた。

《白夜の使者 サシェ・モティエ》のゲーム1能力と《コードハート リメンバ//メモリア》に抑えられながらでも、ライフクロスを犠牲に、ある程度は動けるエナを手にしたぽっきー選手。場の《凶魔 テューポーン》をチャージし、リメンバをレベル3《共宴の巫女 リメンバ・ディナー》へグロウさせるも、しかし息苦しい状況であることに変わりはない。
2ドローを経て手札は4枚。《共宴の巫女 リメンバ・ディナー》の起動能力は《コードハート リメンバ//メモリア》に封じられている。加えてリミットは6だ。だがこのターンは、サシェにとっては厄介な《聖天姫 エクシア》を配置することに成功した。
残る場に《プリパラアイドル ファルル》を置き、《聖将 チョウウン》と合わせてアタックフェイズに入る。hyakko選手に通されたところで、2エナを支払い、《聖将 チョウウン》のアタックで1点だけ取り、ルリグアタックで残る《コードハート リメンバ//メモリア》を凍結させた。hyakko選手はこのライフクロス――《コードハート リメンバ//メモリア》で見ていた《中装 デウス//メモリア》――を、《サーバント #》のガードで残した。

hyakko選手の返すターンは静かだ。エナチャージもせず、手札に戻された《羅星 レプス》を再び場に出すのみ。
《白夜の使者 サシェ・モティエ》の自動効果に《聖天姫 エクシア》が誘発するも、この状況ではあまり影響はない。中央の《コードハート リメンバ//メモリア》をバフさせ、ルリグアタックのみで攻めた。ぽっきー選手はサーバントと《コードハート リメンバ//メモリア》によって課税された2エナを差し出す。残るエナは青1。息苦しい展開が続く。

このままでは《コードハート リメンバ//メモリア》に窒息させられてしまいかねない。リミット6でレベル3シグニを2体同時に展開しづらい状況もまた、彼の手足を縛っている。
ぽっきー選手は一度、サシェに対して有効な《聖天姫 エクシア》をチャージ。ここで手札から突きつけたのは、《羅原姫 ZrO2》だ。

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相手の手札を見ないで選び、捨てさせる。これにはさすがのhyakko選手も、大きなため息をこぼした。
抜かれたのは《サーバント #》……、ではなく《聖魔姫 オロチマル》だったが、動揺を誘うには十分だ。
アタックフェイズ。場の《プリパラアイドル ファルル》の手札破壊を使用。これで《羅原姫 ZrO2》で横の《羅星 レプス》を溶かし、《プリパラアイドル ファルル》で1点を取る形となった。
だがhyakko選手はこれに応じない。アシストルリグを《みこみこ☆ずばしゃーん》にグロウさせ、《羅星 レプス》の正面に立つ《プリパラアイドル ファルル》を除去した。手札破壊は行わず、ぽっきー選手のルリグアタックを《サーバント #》で防ぐ。
hyakko選手のデッキはここで残り2枚。すべての《サーバント #》が、リフレッシュへと巻き込まれることが確約された。

ドローフェイズでデッキが消え、リフレッシュへと入る。
お互いにライフバーストの総数を念入りに確認し、守り続けたライフクロス《中装 デウス//メモリア》を、リフレッシュ処理でトラッシュに置く。残りライフクロスは2枚。この中に何が埋まっているか、hyakko選手はわかっている。
《共宴の巫女 リメンバ・ディナー》によって凍結させられた《羅星 レプス》をチャージし、メインフェイズ。伝家の宝刀、《ウルトラスーパーヒーローズ》を引き抜いた。デッキの上から5枚を見て、うち2枚を加え、相手のデッキを10枚落とす。加える候補の5枚に目を通し、hyakko選手は天を仰いだ。《サーバント #》《聖凶天 マスティマ》2枚、《コードアンシエンツ ファラリス》《聖天姫 エクシア》。求めるカードではなかったようで、《サーバント #》《聖天姫 エクシア》を加え、ぽっきー選手のデッキを削る。

そして正面が空いたシグニゾーンに《聖凶天 マスティマ》を立て、《羅原姫 ZrO2》の正面の《コードハート リメンバ//メモリア》のパワーを《白夜の使者 サシェ・モティエ》の能力でアップ。レベル3グロウ以降、《コードハート リメンバ//メモリア》2面が揺るがない状況が続く。
アタックフェイズ。間髪入れず、ぽっきー選手はマドカを《マドカ//ダブ》にグロウさせた。ライフクロスを狙う《聖凶天 マスティマ》をダウンさせると、ルリグアタックのみを通すことに。見えたライフバーストは……、この日3度目の《羅星 レプス》だった。《聖凶天 マスティマ》がまたも返っていく。ライフバーストを味方に、ぽっきー選手がようやくリミット7で本領発揮だ。

hyakko選手のルリグデッキに残るは、見えないレゾナのみ。防御手段を使い切ったサシェを突き崩すのは今だ。
ターンを受け取り、意を決したかのように、ぽっきー選手はこの日一番の声量で《共宴の巫女 リメンバ・ディナー》のゲーム1能力を宣言した。《コードハート リメンバ//メモリア》に2エナを支払いながら、だが。
hyakko選手のシグニとセンタールリグがすべての能力を失う。《幻水姫 シィラ》《蒼魔 マノミン》を配置し、アタックフェイズ。《幻水姫 シィラ》で手札を1枚増やし、ライフバーストの《羅星 レプス》で空いたシグニゾーンへ《蒼魔 マノミン》でライフクロスを狙う構図だ。無論、そのアタックは止まらない。
まずは《幻水姫 シィラ》《コードハート リメンバ//メモリア》をバニッシュ。もう1体の《リメンバ//メモリア》はパワーアップされており《羅原姫 ZrO2》のアタックではバニッシュされないが、それでも能力を失うことで、返すターンのガードへの課税がなくなる。ここでようやく、レベル3グロウ後からそびえ立ち続けた《コードハート リメンバ//メモリア》の壁が崩れ去った。そして《蒼魔 マノミン》のアタックがhyakko選手のライフクロスを割り、続くルリグアタックはガードも、残るライフは1枚。

ぽっきー選手の目から見れば、hyakko選手が「あえて」1枚を残した、とも捉えられる。
クラフトされて生まれた13枚目のルリグデッキ。対リメンバにおいて、セオリー通りであれば《白羅星姫 サタン》だろうが、このゲーム展開でもし《白羅星姫 フルムーン》が振ってくれば、勝利が1ターン遠のくには十分驚異だ。hyakko選手はここで、ぽっきー選手のサーバントの枚数を確認する。その問いかけすら、戦略の1つとすら受け止めてしまう。
見えている《サーバント #》枚数は3枚。hyakko選手はターンを受け取り、首を傾け、大きく息を吐き、4枚の手札を裏に伏せ、腕を組み、考える。そして残り続けていた場の《コードハート リメンバ//メモリア》に手をかけ、エナとしてチャージ。ビッグスイングの気配に、緊張感が張り詰める。《幻水姫 シィラ》の正面に《聖魔姫 オロチマル》を置き、出現時能力でエナを支払い、《サーバント #》を回収。そして。

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「ミスった……!やっちまったねえー」

初めてhyakko選手の“素”の声が響く。
《聖魔姫 オロチマル》の支払いによってエナゾーンから消えた黒エナと、手札に残る《レティクル・ディガー》《聖天姫 エクシア》《レティクル・ディガー》で12000のシグニを溶かし、2枚の《聖天姫 エクシア》でこのターンを凌ぐ算段を、hyakko選手は自ら手放してしまった。
それでも無情にバトルは進む。《羅原姫 ZrO2》の正面に《羅星姫 ミュウ//メモリア》を出し、トラッシュからレベル1シグニを回収し、自身の下に置く。残りに《聖凶天 マスティマ》を置いてアタックフェイズに入り、《羅星姫 ミュウ//メモリア》の除去に寄る1面要求のみを突きつけた。
ぽっきー選手は《ウリス・アフリクト》へグロウし、《羅星姫 ミュウ//メモリア》を除去して応じる。デッキ2枚、ライフクロス2枚に対し、hyakko選手は何のアタックも行わずにターンを渡した。

返すぽっきー選手はスムーズだった。
自身のリフレッシュを見送ると、場の《幻水姫 シィラ》をエナチャージし、この試合初めて《共宴の巫女 リメンバ・ディナー》のターン1能力を起動する。手札、エナ、トラッシュを確かめ、防御手段のないhyakko選手に飛びかかる。
《スーパー・ヘルエスタセイバー》で手札を1枚のみ補給すると、《中装 デウス//メモリア》《聖魔姫 オロチマル》を配置。すべての手札をシグニたちに託し、hyakko選手のシグニを吹き飛ばす。

最後のライフクロス《聖天姫 エクシア》と、ルリグデッキに残された《白羅星姫 サタン》と共に、hyakko選手は自らの敗北を受け入れた。


勝者:ぽっきー選手


「ミスったねえ……。スタミナ切れでした」
黒エナを払ってしまった唯一にして致命的なミスを、hyakko選手は悔やんだ。プラン通り、《聖天姫 エクシア》を2枚並べられることができれば、何かが変わった可能性は大いにあっただろう。
「僅差だったので、悔しいです」。hyakko選手の夢限少女杯は、ここで幕を閉じた。
それでもhyakko選手は自分のデッキを、「すべてのデッキと戦え、勝てる良いデッキ」と胸を張った。
「もっともっとプレイングを極めたら無敗になれると思うんですけど、あとちょっとが足りませんね」。ベスト4という実績を手に、「あとちょっと」を探しに、これからも歩む。


「グランプリと連覇したらアツいなあ」。
一方のぽっきー選手。《コードハート リメンバ//メモリア》に支配されたゲームを乗り切り、ホッとした表情を見せた。
「リミット6で長く戦ったのは初めてだったんですよね」「序盤に手札破壊を仕掛けるか迷いました」と、どこか自身なさげに対戦を振り返るが、大一番を乗り切った実力と胆力は確かなものだ。

急成長中のルーキーが、とうとう決勝戦のテーブルに乗り込む。
頂点まで、あと1歩。

タカラトミーモール