【バトル攻略コラム】

ウィクロスアカデミー

ウィクロス九州フェスティバル「夢限少女杯権利戦」振り返り!対策された“あのルリグ”はどうなる!?〜おまけもあるよ〜

はじめに

おはようございます、ウィクロスアカデミー担当講師のシロネコです。
すっかり秋ですね、まだまだ暑い日々が続いて暑がりの自分は辟易しています。いったいいつになったら涼しくなるのやら……。
さて、そんな暑い9月の中とっても“熱い”コンテンツといえば——


そう、『ウィクロス』ですね!


8月のディーヴァグランプリ6th(以下GP6th)の熱気をそのままに、9月も『ウィクロス』のイベント盛りだくさんとなっています。
そしてそのうちの一つが今回お話しする「九州フェスティバル」です。
9周年にちなんで“九州”で“9月9日”に行われたイベントで、イラストレーターさんのサイン会やYouTuber「博多どんよくチャンネル」さん、
ウィクロス運営チームのボスである原部長との対戦イベントなど大盛り上がりの1日でした。

私は会場に最後までいたのですが、目算で120人を超える方がイベントに参加されていらっしゃり、かなりの熱気を感じてうれしかったです。

今回はそんな激アツだったウィクロス九州フェスティバルのメインイベント、「夢限少女杯権利戦」についてデータを見ながら振り返っていきます。
GP6thから間もないですが、プレイヤーの思考はどのように変化していっているのかなどを分析していきますので、ぜひ最後まで読んでいってください!

それでは、始めていきましょう!

目次
  • 振り返りその1:環境の中心は一体誰? プレイヤーの出した答えとは?
  • 振り返りその2:決勝トーナメント分析!優勝を手にしたのは…
  • 振り返りその3:おわりに〜今後の環境を考える〜
  • 振り返りその4:おまけ〜原部長クイックインタビュー〜

振り返りその1:環境の中心は一体誰? プレイヤーの出した答えとは?

まずは今回のルリグ分布からプレイヤーの思考を読み取っていきましょう。分布はこちら

WXDi-P14-008

使用者がもっとも多かったのはアンでした。
私も「フェゾーネ DIVA with 電音部」が発売してからアンの評価は高めでしたが、まさか使用率1位になるだろうとはまったく予想していませんでした。
この増加の背景としては、みこみこが上位に食い込んでくることを多くの人が予想していたからでしょう。
持ち前の手札破壊や《エクスクロスファイア》《幻獣神 LOVIT//ディソナ》を中心としたエナ破壊を並行して行いながらゲームを進めるみこみこに対して、
《翠美姫 アン//ディソナ》のリソース回復の自動効果が明確に刺さっています。

WXDi-P13-051

さらに普通のデッキであれば、《翠美姫 アン//ディソナ》を立てたとしても《みこみこ☆さんさんまぜまぜ》のエクシード能力でデッキ下送りを受けたり、
《幻獣神 LOVIT//ディソナ》のバニッシュ効果を受けてしまいますが、《盛夏の成果 アン=サード》のシャドウ付与で守れるため、効果的に機能させることができます。
さらにGP6thを優勝したみこみこを想定した時に《メル・インビジブル》にグロウされてもシグニアタックを止められる《幻怪姫 翠子//メモリア》も現実的なラインで使うことができ、
みこみこ対策のデッキとして注目を集めていたようです。

一方、肝心のみこみこは3人とかなり少なめでした。おそらく対策される側に回りたくないと考えた人が多く、対策する側やメタから外れたデッキを使用したプレイヤーのほうが増加したと考えられます。

ほかのルリグについても見ていきましょう。
気になったポイントとしては花代の使用数でしょうか。
GP6thでは使用数1位でしたが、今回はその座をアンに譲る結果となりました。推測にはなりますが、花代はリソースを縛る現環境が厳しいと見られたのではないかと思います。
花代は圧倒的な破壊力を持っている反面、リソース奪取、主にエナ破壊にもろい性質があるので、みこみこが上位に食い込んでくると考えた時に不利な戦いを強いられると考えたプレイヤーが多かったのでしょう。


まとめると、多くのプレイヤーの中に「環境の中心はみこみこであり、みこみこを使う or みこみこを対策する選択をしなければならない」という認識があり、結果この分布になったということがわかります。

WXDi-P12-008

振り返りその2 決勝トーナメント分析! 優勝を手にしたのは……

続いては決勝トーナメントのルリグ分布から環境を分析していきます。対策筆頭のみこみこは一体どうなったのでしょうか……。
本分析ではベスト8、ベスト4、決勝それぞれについて触れていきたいと思います。
まずベスト8の分布・マッチングは以下のとおりです。

  • みこみこ…3人(おうか選手・ぺお選手・しょぱん選手)
  • ピルルク(アロス)…2人(イシイ選手・シロネコ選手)
  • ナナシ…1人(コーヒー選手)
  • 花代…1人(かぜはら選手)
  • 白タマ…1人(しみずき選手)
1回戦
  • おうか選手 vs コーヒー選手
  • シロネコ vs かぜはら選手
  • イシイ選手 vs ぺお選手
  • しみずき選手 vs しょぱん選手

……みこみこ使用選手、全員決勝トーナメント進出!!!!

はい、ということで予選分布からかなり対策が厚く取られていたと見られるみこみこが、まさかの全員予選突破となりました。
加えて使用数1位のアンは予選で姿を消しています。
一体どうしてこんなことに……。

この結果の要因として挙げられるのは「想定構築とみこみこ側の構築の乖離」と「対策デッキたちがみこみこと当たる前に敗北」の2点です。
前述したとおり、GP6thで優勝したみこみこは《メル・インビジブル》を採用した形でした。
しかし、今回参戦のみこみこのうち2人は《ゆかゆか☆ぶっぶー》を採用した白ベースの構成になっていました。これにより対策例としてあげた《幻怪姫 翠子//メモリア》がアタックできなくなることがあります。
さらにアタックできてシグニ面を止めたとしても《幻怪姫 ドーナ//ディソナ》による連続ルリグアタックなどがあるため、ダメージレースで競り負けてしまう展開になる可能性があります。
みこみこ側もさまざまなアシスト選択をできる柔軟なデッキなので、その強みをうまく使われてしまい、思うようにゲームが進まなかったと考えられます。

WXDi-P05-023

もうひとつはとてもシンプルではありますが、みこみこが3人しかいない影響でみこみこに勝つことにフォーカスしたタイプのデッキが、ほかのデッキに負けてしまったというパターンです。
これについてはマッチングの運などもあるのでしかたない部分もあります。
ウィクロスはすべてのルリグが高水準にまとまるようにできているので、特定ルリグに寄せすぎず満遍なく勝てるデッキの構築の中にみこみこへの対策を入れられたらよかったのかなと思います。

続いてベスト4の分布・マッチングはこちら
  • コーヒー選手 vs シロネコ
  • イシイ選手 vs しみずき選手

ここでまさかのみこみこが全員姿を消す展開となりました。
これについて考えたところベスト4の選手から明確なみこみこ対策がしっかりとなされていることがわかりました。

まずはしみずき選手の白タマ。
みこみこが自分のエナリソースを生み出しにくいことを逆手にとり、序盤から《オーバー・パシュート》《聖英 タンゴカード》でバニッシュではなく手札に戻す効果でエナを縛りながら攻めていき、レベル3からは《コードハート リメンバ//メモリア》でガードさせにくい状況を作りながら盤面を強固にして有利にゲームを進めることができます。
それに加えて今回の相手はルリグアタックが止まる《メル・インビジブル》ではなく《ゆかゆか☆ぶっぶー》採用型だったのでより戦いやすかったようです。

WXDi-P06-031

続いてコーヒー選手のナナシ。普段からさまざまなデッキを使いこなす方なので今回は実際に本人にお話を伺ってきたのですが、やはりみこみこの活躍を見てナナシの使用に踏みきったようです。
ナナシがみこみこに立ち回りやすい点は「コストパフォーマンスの良さ」にあります。《ナナシ 其ノ参ノ禍》によるウィルス配置効果によりエナを使うことなくレベル1シグニはバニッシュでき、エクシード効果はリフレッシュを目指しながらレベル3シグニ相当をバニッシュできます。
盤面形成についても《羅菌姫 ヘドニム//ディソナ》1枚から少ないエナでできるため、みこみこの得意な手札・エナ両方を縛って攻めていく展開に持ち込まれにくく立ち回りやすいです。コーヒー選手が自身でみこみこを使った時もかなり苦戦を強いられたそうなのでまさに経験に基づいた的確な対策だったと言えるでしょう。

WXDi-P13-010

さて、もう1人は原子軸アロスを使用のイシイ選手です。
原子軸アロスのみこみこに対して有利なポイントは「レベル3シグニの取り合いに負けない」ことと「ライフバースト(以下LB)のめくりあいに強い」ことです。みこみこは《羅原姫 H2O》を除去したうえでライフを削る手段が非常に少ないです。
《コードメイズ ペイラビ//ディソナ》で効果を消したうえで《みこみこ☆さんさんまぜまぜ》のエクシード能力を使用したり、複数種類の黒のマイナス効果を組み合わせてバニッシュしてようやく1点を取ることができます。
それを諦めてとりあえずバトルでバニッシュしようにも《羅菌姫 ミコオシ//ディソナ》だけではパワーが足りないため、《幻獣神 LOVIT//ディソナ》《翠魔姫 バン//ディソナ》を絡める必要があります。
しかしその場合は手札破壊を緩めることになるうえ、《羅菌姫 ミコオシ//ディソナ》《幻獣神 LOVIT//ディソナ》or《翠魔姫 バン//ディソナ》の組み合わせでは《羅原姫 H2O》が2体出てきた時に1体取りこぼしてしまいます。

除去されなかった《羅原姫 H2O》は次のターンもバトルでシグニをバニッシュしながら手札破壊orドローを繰り返すためリソースの差を広げていけます。
みこみこは攻撃力とリソース奪取能力で成り立っているデッキのため、みこみこ自身が手札を減らされ、盤面を固められながらロングゲームを仕掛けられると崩れやすいという弱点を抱えており、そこを《羅原姫 H2O》がうまく突いている形になります。
また、細かいところになりますが《羅菌姫 ミコオシ//ディソナ》の自動能力でみこみこ親衛隊がこちらに付与されますが、《アロス・ピルルク kl》の自動能力によって1枚までは相殺できる点も、みこみこに対して強く出られるポイントになります。

もう1つのポイント「LBのめくりあいに強い」というところですが、お互いのLB構成を比較した時に1枚めくった時のゲームに影響するレベルに大きく差があるという意味です。
手札破壊をメインとするデッキと戦う場合、重要になるLBは状況にもよりますが、

ドローやシグニを回収する効果>アップしているシグニをバニッシュする効果

となります。

原子軸デッキは《羅原姫 H2O》《羅原 Ga》といったドロー系のLBが自然に多く入るのに対し、みこみこ側は《サーバント #》のシグニ回収効果と少々採用されている《コードイート マチャフラ//ディソナ》しかありません。
そのため、よほど一方的にLB枚数差がない限りはLBの質で有利に試合が進行していきます。
これらの理由から盤面とLB期待値の2点でみこみこに勝つことができています。
ということで、上記の三者三様の対策がしっかりと刺さり、みこみこを倒すことができていました。
余談ですが準決勝で夢限少女杯権利所持者(シロネコ、コーヒー選手)と未所持者(しみずき選手、イシイ選手)が綺麗に分かれて当たったので、片側では実質的な決勝戦が行われており、大変ヒリついておりました。

さて、長かった決勝トーナメントもこれで最後。

最後のマッチアップはこちら
  • シロネコ vs しみずき選手

ということでディソナ軸デッキは全て淘汰され、原子軸vs白単タマという昨年何度も見たマッチングが実現しました。
私自身も日々しみずき選手と切磋琢磨しているので、とても感慨深い気持ちでした。8回戦という熾烈な戦いを乗り越え迎えた決勝戦。制したのは——


シ…

シロ…

シロネ…

キュキュキュキュキュイーン! レバーヲヒケェェェェェェ!!!!!!!

ガチャ

しみずき「俺!俺!俺!俺!OLE!OLE! Ah〜!」


はい、ということで白単タマを使用したしみずき選手が優勝しました。

決勝はそれはそれはもうボコボコにされて最後はエナ・手札全てを失い咽び泣くシロネコがいました。
悔しいですが、元々しみずき選手応援隊として本イベントに参加したことを思い出し、決勝で戦うことができたので自分としても満足のいく結果となりました。

ちなみに白単タマですが、《カオス!chaos!混沌!》により盤面の再現性が上がったことやリフレッシュを現実的なラインで狙えるようになったことで火力面も安定するようになり非常に強力なデッキとなっています。
今環境おすすめのデッキですので、ぜひ一度試してみてはいかがでしょうか?

WXDi-D08-004

振り返りその3:おわりに〜今後の環境を考える〜

いかがでしたか? 優勝こそ逃しましたが、みこみこが上位に食い込む環境はまだ続きそうです。
ポイントはみこみこ以外の対面の勝率をいかに落とさずみこみこ対策をするかというところになると思います。
非常に難しい環境ではありますが、活路はあります、まずはみこみこを触ってみるのもいいかもしれませんね。

本日の講義はここまで。次はフェゾーネ杯でお会いしましょう!

振り返りその4:おまけ〜原部長クイックインタビュー〜

今回のイベントではタカラトミーの原部長と対戦するサイドイベントが開催されていたので、イベント後お話を伺ってきました。
本当は私も部長の座をかけて対戦する予定だったのですが、本戦まで進んでしまったので残念ながら叶いませんでした。
インタビューと仰々しく書いてますが普通にトークしてきただけです。軽い気持ちでお読みください。

僕と対戦してください!
今日はもう時間が来ちゃったから終わっちゃった、ごめんね。
(oh……。)
(部長の座が…。)
久々にやったけど一戦一戦が重いね(カロリーを使うの意)。4戦やっただけでヘトヘトだよ。
※原部長は普段デュエル・マスターズをプレイされているそうです
久々の対戦はどうでしたか?
楽しかったね。デュエマで言う“赤緑アポロ(※)”だよって言われてディソナの花代使ったんだけど全然そんなことなくて難しいじゃん! ってなったよ(笑)。
アシストルリグとかピースの知識不足があってなかなか勝てなかったな。そういう読みとかの部分で練度が出るよね?
※デュエル・マスターズの速攻デッキ。シロネコも使ったことがあるが、あまりにも速すぎて光デッキでは?となった
そうですね、知らないと勝てないところとかは結構あるのでプレイングはあると思います。
あとはライフバースト(以下LB)がめちゃくちゃ強くなってて驚いたな。今日4回やって1回勝たせてもらったんだけど、その試合はLBで3点くらい止めちゃったから。
ギャラリーが「(おいおいこいつマジか…)」みたいな顔になってたね(笑)。
LBの前では人類皆平等ですからね。僕もよく昇天するのでわかります。
でもそういう逆転要素みたいなのがあるのもおもしろかったな、普通にやったらみんな上手くて全然勝てなかったよ。
みなさん仕上がってますからね(笑)。またイベントに出られたりとかはありますか?
すごく楽しかったから、またこういう形でやりたいね。
それは(まだ部長の座をかけて戦える機会がありそうで)よかったです!
本日はありがとうございました!またよろしくお願いします!

こうしてシロネコの部長への道は続くのだった。

〜完〜

タカラトミーモール