プロジェクトストーリー
Project Story
#1

市場を創り、
ブームを巻き起こす。

  • タカラトミー

    キャラクタービジネス本部
    TCG事業部
    企画マーケティング課

    Tomo Yamaguchi

    山口 朋

    2007年入社

    アニメの中でおもちゃをどのように活躍させるかを企画・提案し、コンテンツ全体の宣伝や収益化をコントロールするなど、映像作品のプロデュースを担当。現在はTCG事業部に所属。

  • タカラトミー

    キャラクタービジネス本部
    ポケモン事業部
    企画開発課

    Testuji Kawakami

    川上 哲二

    1999年入社

    ライフエンターテイメント商品、クッキング商品、リカちゃんなどの担当を経て、現在はポケモン事業部に所属。

  • タカラトミー

    キャラクタービジネス本部
    ポケモン事業部
    企画開発課

    Miwako Tan

    丹 美和子

    2006年入社

    入社後、フィールドサポート部門で店舗での販促活動、キャラクター商品のマーケティング担当を経て、特撮コンテンツのおもちゃ開発を担当。現在はポケモン事業部に所属。

  • タカラトミー

    キャラクタービジネス本部
    ホビーキャラクター事業室
    ホビーキャラクター事業部
    企画マーケティング課

    Takahiro Yasuda

    安田 隆宏

    2002年入社

    「ガールズ×戦士」シリーズのCM制作や売り場づくり、イベントやキャンペーン企画など、お客様に商品を知ってもらい、商品価値を効果的に届けるマーケティング業務を担当。

Introduction

ヒーローものや戦隊もの。男児向けのその市場は確立しているが、女児向けのものは、アニメはあっても実写版は長い間存在していなかった。そのような現状に着目し、「ガールズ×戦士」シリーズという女児向け特撮コンテンツを確立し、新たな市場に挑戦し、成功に導いた。今後も加速していく本プロジェクトについて、発足当時を振り返りながら、メンバー4名に語ってもらった。

「特撮ヒロイン」プロジェクトの発足。
放送後に残ったのは、不安の数々。

女の子たちが憧れるヒロイン。ヒロインになりきって過ごす楽しいひととき。そのニーズ、あるいは市場は、間違いなく存在する。ならば、我々は実写版で、その市場に切り込めないだろうか。そうして、実際の女の子を主人公とした「特撮ヒロイン」コンテンツを創造するプロジェクトはスタートした。ヒロインが使うアイテムを開発し、商品化する川上や丹、プロモーションやマーケティングを担当する安田は、特撮ヒロインコンテンツ「ガールズ×戦士」シリーズ第1弾となる「アイドル×戦士 ミラクルちゅーんず!」から、このプロジェクトに参加している。
2017年4月2日から番組はスタートし、毎週日曜10:30、テレビ東京系列で放送された。放送スタートの喜ばしいニュースの裏側で、安田は不安を抱えていた。「ヤッターマン」「十三人の刺客」などを手掛けてきた総監督の三池崇史はじめ、制作スタッフは最高のメンバーを迎えていたのだが、視聴率も、グッズの売れ行きも伸びない。グッズ販売をお願いしている小売パートナー企業も、当初は懐疑的な目をコンテンツに向けていた。しかし、「特撮ヒロイン」コンテンツの市場性を信じ、結果が出るまで続けることは、プロジェクト発足当時から決めていたことだった。

懐疑は予感に変わり、
予感は確信となった。

潮目が変わってきた、と安田が思い始めたのは、番組がスタートして1カ月ほどが過ぎた、ゴールデンウィークの前後あたりだ。大阪を皮切りに、全国主要都市を回り、ヒロインたちが実際に登場するイベントが開催された。安田は、集客を心配していた。しかし、彼の心配をよそに、どこの会場も盛大な盛り上がりを見せた。アニメという2次元の世界ではない、生身のヒロインが目の前で歌い踊り、敵を倒していく。こうなると、ヒロインたちが持っているアイテム、それが再現されたグッズはレプリカではない。ヒロインの愛用品であり、手にした女の子自身の愛用品でもあるという、新しい「リアルさ」が具現化されたのだ。川上・安田・そして丹たちの不安は予感に変わり、秋のイベントで5000人もの集客を実現した時には、彼らの心の中でヒットは確信となった。小売りパートナー企業も、「ガールズ×戦士」シリーズの真価を理解し、積極的に販促に協力してくれるようになった。

いよいよ、特撮が本領を発揮。
魔法とリアルの融合。

2017年末に向かって、急激に熱気を帯びた、「ガールズ×戦士」の世界。「アイドル×戦士ミラクルちゅーんず!」の想定以上のヒットを受け、続編を制作してはどうか、という声もなくはなかった。しかし、結局は次作として予定していたガールズ×戦士シリーズ第2弾を放送することに。「アイドル×戦士 ミラクルちゅーんず!」単体ではなく、「ガールズ×戦士」の世界観を浸透させていくことが目的であることと、 “アイドル×戦士”よりも、次作の“魔法×戦士”という内容の方が、その世界観を素敵に演出できると考えられたからだ。
シリーズ第2弾のタイトルは、「魔法×戦士 マジマジョピュアーズ!」。いよいよ、魔法の概念が世界観に加わり、このタイトルから、映像作品のプロデューサーとして山口がプロジェクトに加わった。“ガールズ×戦士”シリーズの映像には、最先端のVFX技術を投入。ヒロインたちが繰り出す魔法のエフェクトがキラキラと画面を彩り、テレビの前の女の子たちは瞳を輝かせた。ヒロインたちが使うアイテムグッズに投入される技術も、例えばRFIDが投入され、非接触で起動するような形で魔法の世界観を演出するなど、進化が図られた。「魔法×戦士 マジマジョピュアーズ!」グッズの売り上げは、前作の倍。視聴率も跳ね上がった。何より、川上がふと立ち寄った公園で、女の子たちが番組の主題歌を歌っているところを見かけるなど、女の子たちの心を掴んだことを確信できたのが大きな成果だった。

コンテンツとしての確立。
市場規模が広がりを見せていく。

シリーズ第3弾は、「ひみつ×戦士 ファントミラージュ!」というタイトルで、モチーフは“怪盗”。2019年現在、番組は継続中であるものの、グッズの売り上げでいえば、倍増した昨年実績を大きく超えそうな勢いだ。そこには、山口をはじめとした番組製作チームの細かい戦略が利いている。できるだけ、ヒロインのアイテムが映えるようなカット割りや、長時間映るよう、作中での存在価値を高める設定作りをするなど、編集スタッフと交渉を重ねた。併せて、川上や丹たち商品開発メンバーも、アイテムを腕にはめるタイプにし、ヒロインになりきれる要素を高めるため、工夫を重ねた。
制作会社やパートナー会社と協力しながらも、タカラトミーのメンバーがプロジェクトの中心でしっかりと意志を持ち推進していることも、どこにもないオリジナルな価値の創造に寄与している要因だ。丹は、「ガールズ×戦士」シリーズが5年、10年と続き、その後、当時遊んでいた子どもたちやその親に向けて、新たな商品を創りたい、と話す。川上は、いつかはこの市場・世界観を、女児だけではなく男児も楽しめるものにしたい、と考えている。子どもたちが楽しみ、成長して大人になっても親しめる市場や、商品。メンバーたちが築き上げたものは、新たな価値と言えるだろう。

© TOMY・OLM/ミラクルちゅーんず!製作委員会・テレビ東京
© TOMY・OLM/マジマジョピュアーズ!製作委員会・テレビ東京
© TOMY・OLM/ファントミラージュ!製作委員会・テレビ東京

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