【バトル攻略コラム】

ウィクロスアカデミー

オールスターの一大イベント「大須星決定戦」をレポート&◯◯学会秘蔵のデッキも…?

はじめに

キーンコーンカーンコーン♪

みなさまごきげんよう、ウィクロスアカデミーのお時間です。
講師を担当します、「しみずき」です。

今回は10/8(日)に名古屋で開催された「大須星(おおすスター)決定戦」を振り返っていきます。
会場は、名古屋で『ウィクロス』と言えばのホビーステーション大須本店。
そして、本大会のフォーマットはマジで久々のオールスター!!

オールスターの大型イベントは2017年の世界大会「WIXOSS TEAM WORLD CHAMPIONSHIP」以来の実に6年ぶりです。
(記憶違いだったらゴメンナサイ)

みんなディーセレにお熱のあまり、もうオールスターのことなんて忘れてるんじゃないか? という個人的な懸念もありました。
ですが、64人の参加枠が受付開始から1時間程度で埋まるという、オールスターの人気がまだまだ健在だと伺える一幕もあり、
僕の勝手な心配は杞憂に終わりました。

かくいう僕も参加枠争奪戦(先着順)には見事勝利し、自慢の新作をお披露目するべく現地に馳せ参じました。
(僕の使用デッキは最後のおまけで紹介します)

つきましては、イベントレポートを残したいと思います。
以下の流れで紹介していきます。

1.分布の振り返り
2.上位デッキの紹介
3.僕の使用デッキ紹介と伝えたいこと

さっそく行ってみましょう!!

1. 63名で開催された本大会のルリグ分布がコチラ。

圧倒的なシェアを誇ったのは、オールスターの象徴と言える主人公ルリグ「タマ」で、続く「グズ子」に対してほぼダブルスコアを付けています。

トップシェアの理由としては型の多さでしょう。《創世の巫女 マユ》《祝輪の巫女 タマヨリヒメ》
通称「ダッシュタマ」といわれる《白滅の巫女 タマヨリヒメ》と言ったポピュラーなところから、
《真名の巫女 マユ》《ホーリー・グランドスラム》《スピリット・サルベージ》を使い回すことで相手ターン中に《大願成就》を連打するユニークな構築まで、数多くの型が見られました。
かくいう僕も一味違うタマのデッキを持ち込んでいます。

WXK02-001 WD13-001

次に使用率の高かったグズ子も、現環境で人気のルリグです。特筆すべきは圧倒的な攻撃力と、専用アーツ《グレイブ・ディガー》による対応力でしょう。

WX22-016

《異血之遊 †アカベコ†》互換のカード群と《似之遊 ハイ&ロー》によって、2ターン目から4枚以上のライフクロスを叩き割ることができます。
《異血之遊 †ダイショウ†》まで絡むとさらなる得点も狙えるので、早期から相手に防御手段の使用を強要させられます。
ディーセレにて登場した《絶歌の駄姫 グズ子》は獲得できるコインの総枚数を増やしてくれるだけでなく、ゲーム1能力によって安定した盤面除去を行使でき、持ち前の攻撃力の底上げをしてくれます。
ここまででも十分強力なグズ子ですが、個人的に最も評価している点が《悲劇の駄姫 グズ子》のコイン効果で《繚乱する花束 アルフォウVSハイティ》を貫通して〆まで持っていける点です。
本来であれば《時雨の調 ゆきめ》のようにルリグデッキの枠を割いての打開策が必要なところをセンタールリグが有している点は非常に優秀です。

WXDi-P09-010 WXEX2-27

また、ディーセレのカード群より、多方面から苛烈なエナ破壊が飛んでくる環境において、0エナで全面防御できる《グレイブ・ディガー》の存在は非常に心強く、
いろんなデッキに対してこのアーツ1枚で強く出ることができます。
群雄割拠になりがちなオールスターにおいては非常に適した選択肢と言えるでしょう。

トップシェアにタマとグズ子、その下に直近で有力とされているルリグが立ち並び、各々の推しルリグがひしめき合うという、「下馬評通りのカオスな環境」と言ったところでしょう。

2. 上位デッキの紹介

記念すべき初代大須星決定戦を制したのは「イシイ」選手の《ドーナ》。
準優勝は「わっく」選手の《ダッシュタマ》でした。

準優勝:わっく選手

ルリグ:タマ

WX21-001 WXK02-001

どちらのデッキも長年オールスターの環境上位に君臨するデッキタイプで、両名ともに同じデッキを愛用し続けています。
デッキレシピは焼き鳥屋さんの秘伝のタレのごとく、長い年月をかけて少しづつ要素を継ぎ足され熟成され、各デッキに対する立ち回りのノウハウも一朝一夕では追いつけないレベルに達しています。

まさに“年季”を感じさせる結果となりました。

その一方で、ディーセレのカードプールという新しい風を巻き込んで、強化されているデッキの存在も見逃せません。

3位:しらいれんか選手

ルリグ:サシェ

《糾う者》の出現時効果で《荒ぶる海洋 §ポセイドナ§》を宣言し限定状態を無視することで、ルリグ以外に耐性を持つ《先駆の大天使 アークゲイン》とルリグに耐性を持つ《先導の堕天使 シェムハザ》を両立できるようになります。
この完全耐性とも言える天使軍団による猛攻がこのデッキの最大の特徴です。

WX02-021 WXEX1-31

このコンボ自体は《糾う者》の登場時から話題になっていましたが、課題になってくるのは《糾う者》にグロウするまでにどうやって相手の攻撃を凌ぎ切るかという点です。

この課題にピッタリとハマったのが、ディーセレにて大きく強化されたサシェです。
《悠久の使者 サシェ・クラフト》にて獲得できる《白羅星姫 フルムーン》と、《白夜の使者 サシェ・モティエ》《快抱の使者 サシェ》のシグニアタックに対する2エナ課税によって、3ターン目から4ターン目にかけての打点を大幅に削減することができます。
これにより、最大の課題が解消されたといっても過言ではなく、非常に大きな強化と言えるでしょう。

WXDi-P11-013 WXDi-P11-TK02

登場から根強い人気を誇る往年の2止めデッキ《簒奪の花嫁 アルフォウ》は、ピース登場による強化を最大限に活かしています。

PR-205

《ウルトラスーパーヒーローズ》は非常に高いコスパとデッキの性質にマッチしたデッキトラッシュを行使でき、《GO TO the TOP!》《烈情の割裂》と組み合わせることで強烈に相手のアーツ使用を制限できます。
それだけでなくアルフォウに与えられた特権シグニである《魔鳩の飼育 ゴージアウト》《凶魔 パイモン》と組み合わせることで、4点以上の得点を狙えるなどディーセレのカードを取り入れることでしっかりと強化されています。

PR-238

個人的に目を引かれたのは《ディストラクト・アウト》の採用です。
僕の解釈としては決定力を高めつつも、止めデッキに対して部類の強さを誇るグズ子の数少ないウィークポイントである複数枚のサーバントを構えにくい点を狙いに行っての採用かなと感じました。

どちらもオールスター環境の開拓を感じさせてくれる素晴らしいデッキ達でした。

僕の使用デッキ紹介と伝えたいこと

今回の大会で僕が使用したルリグは《五体合体 グレートタマヨリオー》です。

全世界3億人の「タマヨリオー学会」の皆様、お待たせしました。
新参者の若輩ではありますが、僕の研究成果を披露させていただきます。
まずは、《五体合体 グレートタマヨリオー》を知らない人のために、外歴を簡単に紹介させていただきます。

PR-469

《五体合体 グレートタマヨリオー》は、1ターン目からレベル5ルリグになれるというトンデモナイ効果を有しいます。
この点は非常に強力で、代表的なところではタマのエースカード《先駆の大天使 アークゲイン》を1ターン目から繰り出すことができてしまいます。
ほかにもオールスターの広大なプールには強力な高レベルシグニがたくさん存在するので、これらを早期に使っていける点はなかなかにロマンに溢れています。

では、何故そんな強力なルリグをセレモニーなどの大会結果でいっさい見かけないのかというと、メリットに見合う、それどころか台無しにしてしまうレベルのデメリット効果を有しているからです。
そんなデメリット効果はザックリと大きく2つ。

1.リミット5
2.アーツとスペルを採用できない

高レベルのシグニは早出しできるものの、低すぎるリミットのせいで複数体並べることはおろか、レベル4のシグニを出してしまうと横にはレベル1シグニ1体しか配置できません。
レベル5シグニなんて立てようものなら強制的に単騎になってしまいます。

また、アーツもスペルも使用できないかつ、ルリグ自身もサーチ効果を有していないので、目的のシグニを安定して運用するにも若干の難があります。
タマの汎用サーチカード《ゲット・インデックス》も使えませんからね。
また、エナや手札のリソース面をアーツに頼ることもできません。
この点から《弩砲 アヴェンジャー》などのシグニで悪さをするのも少し厳しめです。

PR-030 WX05-032

その代わりに、自身のルリグデッキからタマのルリグを除外することで、バラエティに富んだ効果を使用できます。
この点はそこそこに強力で、強制リフレッシュやルリグデッキのカードぶっこ抜きは、戦況を変えうる効果です。
オールスターでは「2止めピルルク」「2止めアン」「2止めウムル」など、何もテキストが書いていない状態のルリグを好んで使うことの多かった僕にとっては新鮮でした。

《五体合体 グレートタマヨリオー》が登場した当時は、ルリグデッキをすべてタマで固めて戦うジョークルリグというのが想定されていた立ち位置でした。

最初に「タマヨリオー学会」と言いました。
この名前に関しては僕が勝手に呼称しているだけではあるのですが、《五体合体 グレートタマヨリオー》を研究しているセレクターが一定数存在しているのは事実です。
このジョークルリグの何が、彼ら(僕を含む)を惹きつけるのかというと、“プール増加による可能性の拡大”。これに尽きます。

《五体合体 グレートタマヨリオー》の信じられないほどに厳しいデメリット効果ですが、『ウィクロス』のプール増加に伴い年々少しづつその枷が外れつつあります。
なかでも大きい変化が、「チアシグニ」と「ピース」の登場です。
前者はリミット5という最大デメリットを大きく緩和してくれます。
後者はさまざまな可能性を与えてくれましたが、《発進!WIXOSSロボ》の登場によってコインを獲得できるようになり、「キー」を採用できるようになった点は革命でした。

WXDi-P07-006

このように徐々に広がっていく可能性はビルダー心を掴んで離しません。僕も新しいピースが公開されるたびに《五体合体 グレートタマヨリオー》で使えるかどうかを一考するようになってしまいました。

そんななかで、僕が真剣に《五体合体 グレートタマヨリオー》で勝つために模索したどり着いた“答え”がコチラになります。

天使軸のビート型タマヨリオーです。

現在確認している《五体合体 グレートタマヨリオー》の構築は、遊具や英知の効果で場に出るカード群を利用して《壱ノ遊 アヤトリ》を繰り返しアップさせ、ワンショットを狙う構築が主流でした。

WX20-049 WXK10-061 WX10-083

最速後攻1ターン目に勝利できる点は魅力的ですが、軽いコストで使用できるアーツや対戦相手のライフバーストで止まってしまう点がネックでした。

そこで注目したのが、1ターン目から《先駆の大天使 アークゲイン》で攻められる点です。
レベル1の天使に加えてチアゾーンに《化身の起源 クリシュナ》を配置することで毎ターンで2点づつ与えていけます。
そこに何らかの手段で追加の打点を用意することで、相手が4にグロウする前に倒し切ってしまうのをコンセプトに構築を開始しました。

追加打点の確保手段として白羽の矢が立ったのが、ディーセレにて登場した《翠天 サテュロス》です。
3エナと言う軽くはないコストと引き換えに天使シグニにランサーを付与できます。
これにより《化身の起源 クリシュナ》をランサーにすることで、追加の1点を獲得することができるようになりました。

WXEX2-55 WXDi-P04-071

相手が4にグロウするまでの3ターン。
こちらに攻めるチャンスがあれば、3点×3ターンで9点となり、しっかりと倒し切れる計算になります。

とはいえ、実現するには莫大なエナが必要になります。
あ~どこかに大量のエナを一気に確保できるカードは無いものかしら……。

WXDi-P14-004

《五体合体 グレートタマヨリオー》はレベル5のルリグなので、驚異の10エナチャージが可能になります。
歴代のカードと比較しても規格外のリソース獲得量です。
最新弾「フェゾーネ DIVA with 電音部」のカードが最後のピースとなりました。

《ビカム・ユー》《対極の選択 タマVSウリス》《ぶりっつあーや!》などのヤバいカードは《五体合体 グレートタマヨリオー》の起動能力の1つ、魂のババ抜きによって使用される前に引っこ抜いてしまえば対処可能です(限りなく低い可能性から目を逸らしながら)。

なんか勝てそうなデッキになった気がしませんか?

結果――最速で2敗を喫し、しっとりとドロップしました。
両試合とも《ビカム・ユー》を使用され静かに息を引き取りました。

流石に現代オールスターはそう甘くはありませんでしたね……。

ネタデッキと割り切っての持ち込みでしたが普通に悔しかったです。
次回は真剣に勝ちに行こうと思います。

結果としては微塵も実りませんでしたが、ここで僕が伝えたいのは、《五体合体 グレートタマヨリオー》というルリグ一つとっても研究のやりがいがメチャクチャあるということです。

ディーセレだけを遊んでいるセレクターの皆さんも、ご自身の推しルリグをオールスターでも使ってみてはいかがでしょうか?
結果を残しているレシピをそのまま使っても良いですが、新たな可能性を模索してみるのがおススメです。
大変ですが、きっとものすごく楽しいと思います。

無限の可能性を秘めたオールスターみんなもやろう!!

以上です。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。

タカラトミーモール