【バトル攻略コラム】

ウィクロスアカデミー

「ディーヴァグランプリ2025AUTUMN」環境考察

みなさんこんにちは、ウィクロスアカデミーの時間です。今回講師を務めさせていただく、からばこと申します。
このたびご縁をいただきまして、再びウィクロスアカデミーの教壇に戻ることなりました。
1年4か月前に卒業した際に、あれだけ大見得を切っておいて恥ずかしい限りではありますが……戻ったからには尽力致します。どうぞよろしくお願いします。

さて、11月16日に「ディーヴァグランプリ2025AUTUMN」が開催されます。
新弾「RESONANCE SELECTOR」が発売されて3週間。「DIVAルリグパック」の収録ルリグを含めると、新たに12ルリグが登場。果たしてどのルリグが飛び出してくるのでしょうか?
今回はそんな「ディーヴァグランプリ2025AUTUMN」に向けた環境考察です。この記事はGP直前に公開されますから、皆様はもう持ち込むデッキを決めているかとは思いますが、本番に向け、ぜひご参考にしていただけますと幸いです。
それではいってみましょう!

「ひとえ」の天下はどうなる?

前弾「PRIMAL SELECTOR」環境は、最終的に「ひとえ」が定義するメタゲームとなりました。

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「繭の部屋」による枚数制限で、パートナーシグニの《羅植姫 ジャックビーンズ》が2枚になってなお、トップメタの一角に鎮座し続けた「ひとえ」。「PRIMAL SELECTOR」で登場した《大罠 トロイ》《音吐朗朗》などをはじめ、《翠美姫 ムンクシャウト》《翠将 バーバリアン》など、優秀な緑カードを取り入れた「緑グッドスタッフ」のような構築で、多くの結果を残しています。《デッドリー・ポータル》など黒カードを採用したり、純粋な緑デッキになったりと、構築は人それぞれですね。
他にも「ブルアカリメンバ」「夢限」「参上緑姫」など強力なデッキが活躍した環境ですが、やはり「ひとえ」は環境を語るにおいて欠かせない存在です。そんな「ひとえ」は今弾「RESONANCE SELECTOR」環境で、どうなっていくのでしょうか。

結論から述べると、「ひとえ包囲網」の完成はかなり近づいている印象です。
《羅植姫 ジャックビーンズ》をすり抜ける【アサシン】の数々、《参式 一衣》の「植物ガード」を咎めるエナへの圧力、そして《羅植姫 ジャックビーンズ》そのものの枚数制限などもあり、「ひとえ」も完全無欠なデッキとは言い難くなってきました。これから紹介するデッキたちも、「ひとえ」への明確な強みを持った部分が目立ちます。
ただ、「ひとえ」そのもののパワーは《羅植姫 ジャックビーンズ》の枚数制限を除いては落ちておらず、「本当の気持ち」の脅威も健在。緑としては《羅輝石 スフェーン》という防御力を上げるカードを貰っており、デッキのチューンナップもできることから、「蓋を開ければ結局「ひとえ」が強かった」なんてことにもなりそうです。

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ルリグの分布やトーナメントへの進出数、上位入賞があればその構築など、いずれにせよ「ひとえ」がどうなるかが、今回のGPの注目ポイントのひとつと見ています。

ララ・ルー&ソウイに注目!

さて、「RESONANCE SELECTOR」で満を持してレベル1以上のセンタールリグが登場した「ララ・ルー」と「ソウイ」。この2人はなかなか、GPでも活躍が期待できます。

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まずは「ララ・ルー」から。強みは徹底的なエナ破壊です。
赤の<電機>シグニがとにかくエナを焼いてきます。パートナーシグニの《コードハート DンドウバV2》を筆頭に、レゾナの《コードヒート ウィクロンジャービークル》《コードアート Yキソバキ》などなど、エナをどんどんトラッシュに置いてきます。継続的に2〜3エナ、踏み込むと4〜5エナくらいが消えるので、相手のエナはカツカツ。場合によっては《コードハート リメンバ//メモリア》の課税も絡むので、アーツのためのエナコストもギリギリです。
ライフクロスが0枚になったら、「アンチェイン」の【シャドウ】【アサシン】でトドメ。防ぐ手段は、《加持祈禱》などのダメージ無効やライフクロスの回復などかなり少ないため、「ララ・ルー」を前にライフクロスが0枚になると、ほぼタイムオーバーとなります。
局所的なエナ破壊は「ユヅキ」なども得意ですが、「アンチェイン」の【シャドウ】や、レゾナの《コードヒート ウィクロンジャーロボ》を耐性として使うことができるなど、異なる点も多いです。新時代のエナ破壊デッキ、要注目ですね。

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一方の「ソウイ」は「凍結」「アサシン」が強みです。凍結で相手のシグニを足止めしながら、【アサシン】でじわじわとライフクロスを減らしていきます。青ゆえに手札破壊も得意なので、凍結と相まって、相手の動きはかなり鈍ります。
《ソウイ=スリー》の自動能力では、シグニがアタックした際、<武勇>シグニ1体に【アサシン(凍結状態のシグニ)】を付与しますが、この能力での【アサシン】は、アタックしたシグニ以外にも付与できます。つまり相手のシグニがすべて凍結していれば、すべての<武勇>シグニが【アサシン】を得る可能性を持つため、アーツなどでアタックを封じられたシグニ以外に【アサシン】を持たせることで、毎ターン着実に1ダメージを与えられます。
となれば、「ソウイ」を前にライフクロスが0枚になると、防御のハードルがぐっと跳ね上がります。凍結したシグニの正面すべてのアタックを封じなければ、【アサシン】ですり抜けられますからね。そういう意味では「ソウイ」も「ララ・ルー」同様、ライフクロス0枚=タイムオーバーとなるデッキといえるでしょう。

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「ひとえ」視点から見ると、「ララ・ルー」のエナ破壊は「植物ガード」に、「ソウイ」のアサシンは《羅植姫 ジャックビーンズ》に強く刺さる特徴です。それ以外のデッキに対しても、両方とも「ライフクロスを0枚にすると勝利が大きく近づく」という強みを持つゆえ、勝利へのプランがはっきりした、優秀なデッキと評価できます。
登場して日が浅いため、どんな構築が飛び出すかわからない点もまた強みです。前回のGPでは、当時の最新ルリグだった「エクス」「ヤミノ」が好成績を残していますし、「ララ・ルー」「ソウイ」への期待も高まりますね。

エナへの圧力が重いメタに?

エナ破壊は「ララ・ルー」の専売特許ではありません。アーツ《スター・ダスト》の登場で、すべてのルリグが「ガード課税」を手にすることとなりました。白ルリグを中心に、《スター・ダスト》を採用したデッキの台頭を予想しています。

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例えば《過日の巫女 タマヨリヒメ》が1エナ課税しながら2連続ルリグアタックを決めてきたり、《明星の使者 サシェ・モティエ》がルリグアタックにも課税したり……。他にも、《錠前サオリ[et omnia vanitas!]》《ゆかゆか☆さんさんきらきら》など、エナをいじめる白ルリグはたくさんいます。身構えておきましょう。
白ルリグだけではなく、元祖エナ破壊の「ユヅキ」や上記の「ララ・ルー」など、赤ルリグが《スター・ダスト》を採用するケースもあるでしょう。その気になれば《炎剣之舞》でエナ破壊をしたっていいですね。そして、メインデッキに十中八九採用されるであろう《コードハート リメンバ//メモリア》と合わせれば、ガードのために2エナが必要になります。恐ろしい限りです。
言わずもがな、「ひとえ」の「植物ガード」は、《スター・ダスト》の重課税の影響が直撃。無限とも思われるガードにも、ほころびが現れてきました。

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加えて、《コードアート Yキソバキ》と覚醒スペル《電熱の覚醒》を採用した《ロストコード・ピルルク》も活躍の予感がします。自動能力で安定して《コードアート Yキソバキ》《電熱の覚醒》がそろうため、エナ破壊がしやすくなっています。<電機>には《コードハート リメンバ//メモリア》もいるので、従来の「青白ピルルク」がパワーアップして舞い戻ってくるかもしれません。

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どんなデッキを使うにせよ、「エナへの圧力」は避けては通れない課題となるでしょう。
エナコストが重いアーツばかりを採用すると、満足に使えずに負けてしまう危険性があります。《加持祈禱》などの「ウィッシュアーツ」や、今弾で登場した《ホワイト・ホール》など、アーツをルリグトラッシュに置くことでエナコストを軽減できる防御アーツは、いざというときの保険になります。
「参上緑姫」や「GONG」「1止め」などの速攻デッキに対しても、これらのコスト軽減アーツが有利な場面があります。多種多様なデッキと対戦するGPでは、普段のウィクロスパーティーとは違ったルリグデッキ構成を心がけてもいいかもしれません。

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まだ見ぬデッキ、続々?

「RESONANCE SELECTOR」「DIVAルリグパック」からは他にも、ミュウ、ムジカ、マドカなどが直近のセレモニーで結果を残しているようです。
《ミュウ=パピヨン》はゲーム1能力「サイレント」が強烈。シグニの起動能力、自動能力に頼り切ったデッキは、「サイレント」で1ターン沈黙しかねません。<凶蟲>シグニのパワーマイナスや、《ミュウ=パピヨン》のデッキ破壊もあり、火力は相当高いです。
《VOGUE3-EXTREME ムジカ》などDIAGRAM勢は、アーツの再利用が前評判どおり強力でした。速いデッキに対しては防御アーツを、遅いデッキに対しては攻めるアーツを再利用することで、柔軟性高く戦えます。メインデッキは「ブルアカ」で固める場合も、それぞれのセンタールリグに合ったクラスで固める場合もありそうですね。

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また、《スター・ダスト》以外にも、「RESONANCE SELECTOR」で登場したメインフェイズアーツを軸にしたデッキも見られるでしょう。
《シザー・ハンズ》でデッキ破壊とマイナスを兼ね備えた黒ルリグや、《ブリザード・ウィング》で手札を抱え《早瀬ユウカ(体操服)》で高パワーシグニを作る「ブルアカ」系の青デッキなどでしょうか。特に青デッキからは「ミヤコ」は関東圏で注目度が高く、新たなトップメタ候補として期待されている様子です。
そして言わずもがな、前環境を席巻した「ブルアカリメンバ」「夢限」などもまだまだ健在。「参上緑姫」や「GONG」「1止め」などの速攻系も、鋭い刃を研いでいます。世代交代となるか、既存デッキがまだまだ強力か……。カオスなメタゲームになりそうですね。

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おわりに

授業をまとめると以下のとおりです

  • トップメタの「ひとえ」は、【アサシン】やエナ破壊の包囲で数を減らすか?
  • 《スター・ダスト》などでの「エナ課税」が流行の兆し。アーツのコストに要注意。
  • 新勢力からは「ソウイ」「ララ・ルー」「ミュウ」などに注目。デッキの多様性は拡大中。

ざっくり予想しましたが、これまでの「ひとえ」「ブルアカリメンバ」環境からは、大きく変化する予感がします。
何が飛び出してくるか、予想するのは難しいので……「エナには気をつけて!」と、お伝えしておきます。

16日はディーヴァグランプリ本戦の隣で、バトルラッシュやクイックトーナメントなど、さまざまなサイドイベントが開催されます。
前日の15日は「WIXOSS OXPO 2025」も開催。ユーザー出展や5大パビリオンなど、賑やかな企画が勢ぞろい。訪れつつある寒さを吹き飛ばす、ウィクロスづくしの熱い2日間を過ごしましょう!
風邪やインフルエンザなども流行りつつあるので、体調を整えてお越しくださいね。

改めまして、これからもどうぞよろしくお願いします。
ではまた次回の更新で!

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