【バトル攻略コラム】

ウィクロスアカデミー

初代夢限少女。その選択は。

こんにちは、シロネコです。
みなさん大変お疲れ様でした、ついに『ウィクロス』一年の集大成である「夢限少女杯2023」が終了しました。今年もたくさん熱い戦いが見られたことと思います。

さて、今回ですがそんな夢限少女杯に向けて、初代・夢限少女であるこの私がどんなことを考えながらデッキを選択したのかという1点を講義させていただくことになりました。
環境のまわり方を中心に講義を進めますので、普段どんなデッキを使えばいいのかと頭を悩ませている人にも今後の糧になる内容となっています。ぜひ最後まで見ていってください。

それでは、やっていきましょう!

その①:現環境の整理 〜防衛派を中心に考えるメタゲーム〜

デッキを選定するうえで、今の環境がどのように動いているかを自分なりに分析することにしました。
地域差はいったん考慮せずに、環境のデッキタイプは大きく分けて以下の4つに大別できると考えていました。

  • 防衛派LION(6面防御タイプ)
  • 4面防御デッキ(リソース奪取対策カードなし)
  • 4面防御デッキ(リソース奪取対策カードあり)
  • 1~2面防御速攻デッキ
1.防衛派LION(6面防御タイプ)

センター:LION アシスト:マドカ、ハナレ

私自身、今回一番対策するべきと考えていたデッキタイプです。
序盤から盤面を高パワー&高耐性シグニでライフを守り《ハナレ//フォービドゥンファング》の2面防御と《マドカ//クラップ》の3面防御、《ひらけ!ゲート!》のシグニバリアの1面防御の最大6面防御を活かして現環境における最も防御寄りのデッキです。《羅星姫 ノヴァ//THE DOOR》が1枚で相手の手札破壊&自身の手札補充を行なうので高い安定感を誇ります。
LEGENDARY DIVAの発売後は《アイン=サンガ//THE DOOR》で序盤の盤面強度がさらに向上したことや《小装 デウス//THE DOOR》の追加により《コードハート リメンバ//メモリア》が採用され、相手の手札を取りきれずガードされそうな時でもエナを縛る戦術に切り替えるなんてこともできるようになったことで自分的に評価をあげていました。
リソースを稼ぎながらこちらのリソースを縛る戦い方はまさに鉄壁で、崩すためにはそれ相応の工夫が必要でした。
対策としてはリソースを縛っている間は《防衛者MC.LION-3rd》の起動効果+ルリグアタックの2点しかダメージを取れないので、削られたリソースで効率よくダメージを刻んでいくことが重要になります。また、手札補充が得意な防衛派ですがエナ補充が得意なわけではないため、こちらも《コードハート リメンバ//メモリア》を出してガードさせることにリスクを負わせたり赤デッキの得意なエナ破壊で相手の防御をフルパワーで使わせずに倒すというような案を考えていました。

2.黒点の記憶採用型ディソナデッキ

センター:花代 アシスト:エルドラ、メル

ディソナの優秀なシグニ達を生かしリソース確保、打点確保を効率よく行なっていき、《黒点の記憶》のシグニバリアとルリグバリアとアシストルリグの防御で合計5〜6点分ほどの防御を確保するタイプのデッキになります。
防御面数が多い点は6面防御防衛派LIONと変わりありませんが、こちらはディソナシグニ達の攻撃力と《炎妖舞 花代・惨》のライフクラッシュやアサシンという多彩な攻め手段があるため、自分より防御面数が少ないデッキに対しては無類の強さを誇ります。くわえて《ゼノ・クラスタ》《俯瞰者からの啓示》といった相手のリソース奪取に対するカウンターピースが採用されていることが多いためリソースを奪われ速いゲーム展開に持ち込まれることも防ぐことができます。
弱点としては防衛派と「受けきって勝つ」というコンセプト自体は似ている部分がありながら、防衛派は高い盤面強度のシグニが揃っていてディソナの攻めが通りにくいことや黒点の記憶型ディソナ側が持っていない手札破壊、エナ縛りの要素を持っているため、かなり不利なゲームを強いられてしまう点です。
防衛派が勝ち上がると環境ではよほど噛み合わないと優勝はないけれども使用者の練度の高さでしっかりと勝ち上がってくるタイプだと考えており、勝ち上がっていけば一回はどこかで当たる想定で調整していました。

3.4面防御デッキ

この項目についてはほかの項目に比べて一つにするにはおこがましいレベルで多くのアーキタイプのデッキが存在するのですが、基本的には二つのタイプに分類できると考えています。

  • ①カウンターピースを採用した確実に4面防御を遂行するタイプ

センター:ナナシ アシスト:マドカ、メル

  • ②カウンターピースを採用せず盤面強度+最大4面防御で戦うタイプ

センター:ウトゥルス(タウィル) アシスト:LION、アキノ

①は手札破壊を戦略に盛り込んだディソナ軸ナナシを想定していました。ディソナ軸はリソース確保力と攻撃力に長けていますが、ディソナユキ以外はお世辞にも盤面強度が高いとは言えないため、相手にエナや手札を縛られてアシスト能力をフルで使用できないゲームがないように、カウンターピースが採用されていることが多いです。そのため、後述する少ない防御面数のリソースを奪いながら速攻を仕掛けてくるデッキに対して確実に防御行動がとれる構造となっており、比較的優位に立ちまわることができます。
反面、カウンターピースはあくまで一定のターンを確実に生き残るためのピースという役割ですので、ゲームを長く引き延ばしてくる防衛派デッキに対しては刺さりにくく不利な戦いを強いられてしまう面もあります。
②は現環境における《NEXT GATE》を採用したタウィルとウムルがこれに該当しています。
タウィル&ウムルは《NEXT GATE》の発動条件の緩さを生かして同色ルリグを2種採用し、《UNKNOWN MEMORY》を採用することで白デッキであるタウィルと黒デッキであるウムルがともに抱えている序盤におけるパワー8000以上のレベル2シグニの除去が困難である点を補っている構築が一般的です。
これにくわえて補充するリソースもエナか手札を選ぶことができるため防衛派戦で足りないリソースを状況に合わせて得ることができる点が強力です。
カウンターピースがないため一気にエナを破壊されてしまって大型防御が十分に使えないということもしばしばありますが、《聖天姫 エクシア》《コードハート リメンバ//メモリア》などの高い耐性を持つシグニたちを採用しているケースがほとんどなので純粋な盤面強度で受けきれることもあります。
苦手としているのはアシストルリグが両方ともシグニ除去系かつ、リソース奪取を得意としているデッキとの対戦です。高耐性シグニにアシスト効果が直撃するため生存して相手ターンを迎えられないことにくわえてカウンターピースを採用していない影響で完全無防備な状況がある程度出てきてしまうからです。
4面防御デッキは良くも悪くも攻防のバランスがしっかりとしたいいデッキという印象のため、環境的に強いか弱いかはさておき今回の夢現少女杯においても一定の使用率があるのではないかと予想していました。

4.1〜2面防御速攻デッキ

センター:ヒラナ アシスト:LOVIT、エクス

このタイプのデッキは従来の形でいえばアシストにエクス&リメンバを採用した「白赤ディソナみこみこ」デッキ、LEGENDARY DIVAから追加されたデッキであればルリグをすべて赤にして《真紅の熱線》を採用した赤単デッキといった、相手のリソースを短いターンでできるだけ奪取して相手の防御を有効に使わせずに速攻で倒してしまう戦術のデッキです。
実はこのタイプのデッキはLEGENDARY DIVA環境から一気に立ち位置をよくしていました。
理由は以下の2点だと考えていました。

①カウンターピースの採用が環境から減ったこと
3陣営の追加や《NEXT GATE》を使ったタウィル&ウムルの参戦により《カウントダウン・ヒールズ》《UNKNOWN MEMORY》の注目度が集まり《ゼノ・クラスタ》の採用率が一気に減りました。これにより手札破壊とエナ破壊を得意とする攻撃力の高いデッキは短いターンでの決着を目指しやすくなりました。
特に環境で猛威を振るっていた防衛派デッキに対しては、防衛派がエナを自分から生み出すことが苦手なことや白青の2色構成であることを逆手に取り、エナ破壊を得意とするデッキが活躍するようになっていた印象です。

②防衛派デッキの攻撃力が高くないこと
従来のデッキと比較して防衛派デッキは受け中心の構成になりがちであったため少ない防御面数でも4〜5ターンはゲームできることが多いです。一気に複数面を開けて攻めてくることもないため、大体のデッキは元々用意してあった防御力の高いアシストを活かすことなく負けることが多いのですが、元々防御面数を削って攻撃力に変えているこのデッキタイプには防衛派の攻めてこない戦い方は好都合でした。
《羅星姫 ノヴァ//THE DOOR》の手札破壊効果は強力ですがアタックが成立しないと発動できません。そのため少ないコストで除去ができるアシストルリグにグロウして防ぐことで相手の手札破壊プランを崩していくことができます。
防衛派の手札破壊は《羅星姫 ノヴァ//THE DOOR》に大半を依存している側面もあるため、両サイドを除去アシストにすることでリソースを守り、その間に決着を目指せるゲーム展開が多いです。

防御面数が少ないため、従来のカウンターピースが入っていながら攻めてくる4面防御タイプのデッキには苦しい戦いを強いられることもありますが、それらのデッキは防衛派が牽制してくれているので環境の立ち位置はとてもいいデッキという認識をしていました。

現環境について長く書いてきましたが、私の中で今の環境のまわり方は

①防衛派が流行し、カウンターピース入り4面防御デッキが減る。
②防衛派への立ち位置がいい速攻デッキが流行る。
③速攻デッキの流行でカウンターピース入りの4面防御デッキの強さが見直される

この①→②→③の繰り返しが行われているのがLEGENDARY DIVA環境だと結論付けました。

この結論の元、次に使用したデッキについてお話ししていきます。

その②:その選択は……? 同型だけは避けたかったが……?

さて、環境の整理が終わったところでとうとうデッキ選択について触れていきます。
今回重要視した点は

①同型ではない形で防衛派デッキに勝てる
②不利対面はいてもいいけれど無理対面は限りなく減らしたい。

の2点です。

①同型ではない形で防衛派デッキに勝てる
いくら環境が回っているとはいえ、私の中で防衛派デッキの最強は揺らぎませんでした。やはり多彩な防御手段と安定的なリソース確保&リソース奪取でしっかり詰めていくのは相手の除去LBの被害を受けにくいメリットもありますし運要素に左右されにくい部分を魅力に感じて持ってくる人が多いと予想していました。
じゃあ自分で防衛派デッキを使えばいいのでは? という話になってくるのですが、やはりここで問題になってくるのが同型(ミラー)対戦です。
ゲームにおいてミラーの試合は同じ動きをすることになるので勝率は50%以上になりにくいです。
では練習量やデッキ構築で差をつければいいのでは? という話もありますが、夢限少女杯というレベルの場においてそこまで差はつかないのではないか? という予想があったので、やはりミラーの対戦は避けるべきと考えていました。
ゆえに防衛派を使わずに防衛派に勝つというところを一つの目標としていました。

②不利対面はいてもいいけれど無理対面は限りなく減らしたい
前提として今回の夢限少女杯は自分の中で2連覇を目標としていたこともあり「優勝以外は全部ダメ」というプレッシャーをかけながら向き合っていました。
そのため、1本先取の試合で絶対に勝てない対面があるようなデッキは選択すべきではないと考えていました。
心の中で「2位じゃダメなんですか!?」と説いてくる謎の人物もいましたが、そのたびに蹴散らしていました。
感覚的には数枚のLBの差でどうにかなる対面はいいけど、コンセプト相性的に無理だったりLBの差が3枚以上ないと勝てないのは避けたいというイメージでした。

この二つの思考のもと使用に踏み切ったデッキは

《NEXT GATE》採用型の白単タウィルデッキでした。

センター:ウトゥルス(タウィル) アシスト:アキノ、LION

白単デッキの強みは相手のシグニパワーに関係なく除去ができる点です。《オーバー・パシュート》《UNKNOWN MEMORY》といったレベル参照の除去が多く防衛派の高い耐性のシグニを序盤から難なく除去できていました。
また《コードハート リメンバ//メモリア》のルリグアタック時にエナを要求する効果や《聖天姫 エクシア》の防御能力が明確に防衛派に対し有効に働いていたことも使用を後押ししました。
そのほかにも《扉の俯瞰者 タウィル=トレ》のパワー上昇効果をパワーの高い下級シグニと合わせて《防衛者MC.LION-3rd》の起動効果を使わせないようにできたり、《扉の俯瞰者 ウトゥルス》の起動効果による継戦能力の高さなどを評価していました。
また、《羅星 ノヴァ//フェゾーネ》の追加によってサーバント回収が従来の白単デッキに比べて安定しており、速攻系のデッキにも盤面を固めながらしっかりルリグアタックをガードしてLBを期待する勝ち筋を作ることができていたので無理対面もかなり少なくできていたと思います。
前述した①、②の条件を自分の中で満たしたタウィルでしたが、使おうと決めた理由のもう一つがあります。
それが「同型での対戦が少ない」という点でした。
先に示した環境予想でカウンターピースのない4面防御デッキである白単タウィルは少し環境から外れたデッキでした。そのため、使用者が少なく同型対戦を避けることができると考えていました。これにより勝率50%の戦いを限りなく避けることができるぞ! とウッキウキでした。

当日会場内の対戦を見るまでは。
まさか使用率ぶっちぎりの1位だとは思いませんよねぇ? ここまでの文章は一体どういう気持ちで書いてきたのか、ドヤ顔で環境予想をしていた自分を引っ叩きたいです。

その③:終わりに

結果としては決勝トーナメントに進むも配信卓で同じ相手に2度も敗北を喫し、4位という結果に終わってしまいました。
最後はもはやワイプ芸を披露するしかない悲しきモンスターとなってしまいましたが、そもそも前回大会優勝から今回準決勝まで進めたことが僥倖という見方もできなくはないので後悔はない……と言いたいところですが、やっぱり僕の中のおしゃべりメガネが「優勝じゃなきゃダメみたーーーーい!」と言いながらギター弾き散らかしてるので来年は必ず王座奪還を目指します。
来月からディーヴァセレクションにもアーツが登場するということで一気に景色も変わってくること間違いなしです。
ウィクロスアカデミー講師兼†初代†夢限少女として恥ずかしくない講義をこれからもお届けしていこうと思います。

ということでありがとうございました!また次回の講義でお会いしましょう!

タカラトミーモール