【バトル攻略コラム】

ウィクロスアカデミー

ディソナ&フェゾーネの集大成!ディーヴァグランプリ7th環境分析

はじめに

きりーつ、きをつけー、れーい。
みなさんこんにちは、ウィクロスアカデミー講師のからばこです。
9月の「ウィクロスフェスwith電音部」の出張授業では、たくさんのご観覧、及び温かいお言葉、ありがとうございました。
授業の前に、この場を借りて改めて御礼申し上げます。我ながら白衣が良く似合っていましたね。また着たいです。

さて、10月21日に東京で「ディーヴァグランプリ7th」が開催されました。
合計283名が参加し、夢限少女杯への出場権利と頂点の栄誉をかけた、熱い戦いが繰り広げられました。
今回はGPのセンタールリグ分布や上位入賞デッキを分析しながら、「フェゾーネ DIVA with 電音部」環境を総ざらいしていきたいと思います。

それでは、さっそく授業を始めましょう。

  • 1時間目:ルリグ分布から見えること〜ディソナ&フェゾーネの集大成
  • 2時間目:注目の上位入賞デッキ
  • 3時間目:「ブルーアーカイブDIVA」はどうなる?

1時間目:ルリグ分布から見えること〜ディソナ&フェゾーネの集大成

まずはセンタールリグの使用分布です。

使用数上位は、上から順にナナシ、タマ、みこみこ、ピルルク、花代です。
タマの《奏月の巫女 タマヨリヒメ》《残黒の巫女 タマヨリヒメ》のように、複数のルリグが含まれているものも、まとめて集計されています。
前回8月のGP6thの使用数上位は、上から「花代、タマ、ナナシ、ユヅキ、みこみこ」でした。そこからの変化も含めて見ていきましょう。

今回の使用数トップはナナシ。
多くが《ナナシ 其ノ参ノ禍》と考えられ、使用数36、使用率は12%と非常に高い数値です。

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ディソナ編後編の「CONCORD DIVA」発売直後に開催された、5月のGP5thでも使用数トップだったナナシ。最近はやや他勢力に押されていたようですが、ここに来て一気に盛り返しました。
その理由は、ナナシのルリグデッキの変化にあります。今回は《黒点の記憶》を採用し、アシストルリグにエクス・メルを置いた構成が目立ちました。

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予選4位:ウルズ選手

センター:ナナシ アシスト:メル、エクス

【ウィルス】の火力、エクシードなどでのデッキ破壊、《羅菌姫 ヘドニム//ディソナ》での盤面再現性と柔軟性に加え、《黒点の記憶》で得られるルリグバリア・シグニバリアでの防御力を得た、非常に完成度の高いデッキです。

強みがいくつかありますが、まずは《エクスクロスファイア》から。
「パワーを問わずバニッシュできるアシストルリグ」が、ナナシの苦手を補ってくれます。

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《羅菌姫 ヘドニム//ディソナ》のコイン能力もあり、多くのレベル3シグニをたやすく除去できるナナシ。ですが、《聖天姫 エクシア》《コードハート リメンバ//メモリア》の除去には、他ルリグ同様手間取りがちです。

そこで《エクスクロスファイア》が輝きます。
それらのシグニが並ぶレベル3以降まで《エクスクロスファイア》をなるべく温存し、攻めてきた《コードハート リメンバ//メモリア》たちを除去。防御しながら、次のターンの妨害を減らすことができます。

次はレベル2シグニのラインナップ。
レベル3まで《エクスクロスファイア》を温存すると、レベル3はリミット6で戦うことになります。そこで並べるために、レベル2シグニを厚く採用しています。
《似之遊 カゴメカ//ディソナ》《爆砲 WOLF//ディソナ》はパワー8000で、盤面の強度を高めつつ、前者は《羅菌姫 ヘドニム//ディソナ》などにつながり、後者はパワー8000の上から【ランサー】で攻められます。

他にもさまざまなエッセンスとテクニックが、随所に散りばめられています。
まさしく「ディソナの集大成」にふさわしいデッキでしょう。


続いてはタマ。こちらは《カオス!chaos!混沌!》を採用した《奏月の巫女 タマヨリヒメ》でしょう。

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《奏月の巫女 タマヨリヒメ》自体は2年前に登場したルリグですが、最新弾のピース《カオス!chaos!混沌!》で、一気に使用数上位に返り咲きました。
ディソナ勢が難儀する《聖天姫 エクシア》《コードハート リメンバ//メモリア》で防御力を担保しつつ、《カオス!chaos!混沌!》やゲーム1能力での瞬間火力、《聖将姫 コウメイ》《聖美 ガクブチ》での飛び道具など、総合力の高いデッキです。
アシストルリグはメルとウムルが人気。《ウムル=クリアー》による手札破壊とリフレッシュ戦術も取り込んでいます。

こちらのデッキはフェゾーネ環境序盤で注目を集め、メタゲームを率いる一角となっています。
タマの躍進は「往年の強シグニを《カオス!chaos!混沌!》で束ねる」という、フェゾーネ環境を的確に体現しています。


3位は使用者同数でみこみことピルルクです。このルリグたちもディソナ、フェゾーネの集大成ですね。

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《みこみこ☆さんさんまぜまぜ》はディソナ編前編で登場してから、「攻められる青ルリグ」として長く環境を牽引してきました。
アシストルリグやピースの選択肢も豊富で、アシストルリグは「エクス+メル」「エクス+デウス」「エクス+ゆかゆか」など、ピースは《不穏☆FU☆ON!》《Instigate》など、環境に応じてさまざまなチューニングが施されてきました。

続くはピルルク。まずはコードのピルルクから。
《コード・ピルルク・極》もまた「攻められる青ルリグ」の一人です。スペル連打による圧倒的なアドバンテージ獲得能力を活かし、どっしり戦い続けています。
そしてアロスピルルク。こちらはフェゾーネ環境で登場した最先端のルリグです。
基盤は《羅原姫 H2O》を中心とした原子軸で、《カオス!chaos!混沌!》を採用したものが多く、「往年の強シグニを《カオス!chaos!混沌!》で束ねる」考え方は、《奏月の巫女 タマヨリヒメ》と通ずるものがありますね。

続いての5位に《炎妖舞 花代・惨》です。
前回のGPでトップの花代は、大きく使用数を落としました。速攻が武器の花代が数を減らしたことが、環境の変化を如実に示していますね。

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以前のしみずき先生の環境分析記事で、「ゲーム終了ターンが、4ターンから5ターンに移ろいつつある」とありましたが、このルリグ分布を見ると、もう「移ろった」と言い切っていいのではないでしょうか。
《奏月の巫女 タマヨリヒメ》《アロス・ピルルク kl》がその環境の変化の旗振り役で、変化に適応した、あるいはできた《ナナシ 其ノ参ノ禍》《みこみこ☆さんさんまぜまぜ》らが食い下がった、と考えられます。

そして新弾「ブルーアーカイブ DIVA」で登場するシグニの顔ぶれを見るに、この「5ターン目決着」の傾向はどんどん強くなっていく予感がします。もしかしたら「5ターン目の先」が見えるかもしれません。

圧倒的な攻撃的環境のディソナと、それに待ったをかけたフェゾーネ。
GP7thのルリグ分布は、その「移ろい」を如実に表しています。


そして、ベスト16進出ルリグは以下の通りです。

上位4ルリグが順当に勝ち上がっていまね。
ナナシは全員が《黒点の記憶》を採用、ピルルクは《コード・ピルルク・極》《アロス・ピルルク kl》が2人ずつでした。
そしてヒラナが2人!それぞれ《頂点へ一歩 ヒラナ》《王手の一歩 ヒラナ》ですが、このうち《王手の一歩 ヒラナ》はベスト4入賞です。
「決着は5ターン目に移ろいつつある」と書きましたが、そうではないぞと言わんばかりの存在感を放っています。今後の環境での活躍に注目したいところです。

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2時間目:注目の上位入賞デッキ

「ゲームエンドは5ターン目」「攻め一辺倒の時代は終わり」「《カオス!chaos!混沌!》
そんな環境の中、GPで上位に輝いたデッキから、私が注目したデッキを紹介していきます。

まずは《奏月の巫女 タマヨリヒメ》
《カオス!chaos!混沌!》《ウムル=クリアー》を採用……、していないんですよ、これが。

何と言っても目を引くのがアシストルリグ《マキナネビュラ》でしょう。
《マキナスマッシュ》《マキナバインド》《マキナリペア》に続く、第4のマキナです。

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【ソウル】関連の効果はさておき、2エナで自分のトラッシュの共通する色のカード10枚をデッキに戻すと、相手のシグニ1体をバニッシュできます。コスパとしてはアシストルリグにありがちな「2エナで1面バニッシュ」ですが、この「10枚戻す」が、《カオス!chaos!混沌!》のデッキ破壊&トラッシュ封じに刺さります。
《カオス!chaos!混沌!》がトラッシュを封じるのは、次のメインフェイズとアタックフェイズ。《マキナネビュラ》がグロウする多くのタイミングは、そのトラッシュ封じが適用される前です。《カオス!chaos!混沌!》でリフレッシュされなければ、デッキ破壊を遠のかせることとなり、結果的にライフクロスを1枚守ることに繋がります。また、《ナナシ 其ノ参ノ禍》もリフレッシュ戦術を得意とするので、そこへもマッチしていますね。
何より意表がつけます。普通マキナといえば《マキナスマッシュ》《マキナバインド》でしょうから。

ピースは《スプラッシュフィールド》です。

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手札補充と【シグニバリア】の獲得、または除去と【ルリグバリア】の獲得。攻防一体のピースです。
1番の効果では、《マキナネビュラ》で取り戻したデッキから必要なカードを引き込みつつ【シグニバリア】を獲得するなど、こちらも《カオス!chaos!混沌!》をすり抜けられます。
メインデッキは《聖天 アークアテナ》を厚く採用しています。ルリグデッキでの除去が少ない点を補っているのでしょうか。

メタゲームを強く意識したタマが、見事準優勝です。おめでとうございます!

予選16位:吉蔵選手

センター:ピルルク アシスト:エクス、マキナ

続いては《アロス・ピルルク kl》
《羅原姫 H2O》を中心とした原子軸で、《カオス!chaos!混沌!》を採用した、人気のデッキタイプです。
残り1枚のピースがこちら。

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吉蔵選手に取材したところ、「《羅原姫 H2O》《羅原姫 H2O》《UNKNOWN-CODE-RU-》」と並べるのが目標。除去耐性の《羅原姫 H2O》と、【シャドウ】の《UNKNOWN-CODE-RU-》を並べ、盤面強度を極限まで高めつつ、手札とエナをどんどん稼ぎ、相手を押していくのがコンセプトです。
足りない除去はアシストルリグを《エクスクロスファイア》《マキナスマッシュ》にすることでフォロー。《アロス・ピルルク kl》のパワーマイナスやフェゾーネマジックもあり、見た目以上に火力も出るようになっています。
基盤はいわゆる【原子アロス】ですが、《紅将 ランスロット》《轟炎 フレイスロ団長》など、往年の赤シグニも採用。序盤はこれらで攻めたり、《エクスエコー》のドローコストに充てたりしているようです。「青デッキの《轟炎 フレイスロ団長》はアツいですよ!」と、吉蔵選手からのお墨付きです。

リミット9で《羅原姫 H2O》が襲ってくる……。まさに《ゆかゆか☆ぴーひゃら》を採用した《デウス・スリー》……。
往年の基盤と最新弾のカードをマッチさせた、新型のアロスピルルクがベスト8入賞です。

予選1位:しみずき選手

センター:サシェ アシスト:マドカ、マキナ

しみずき選手曰く「俺の理想を詰め込んだサシェ」。
その理想とは「早期にリミット8にして、盤面強度で固めて戦う」ことのようで……。

私も予選で戦いましたが、本当にシグニが硬い!
《コードアート Dスペンサー》が7000、《聖将 トキユキ》が8000と、並のディソナシグニでは突破不能です。
早々にリミットが上がり、《白夜の使者 サシェ・モティエ》のパワー上昇もあり、最後は全員パワー12000以上もザラです。ゲーム1能力と《白羅星姫 フルムーン》での攻撃封じもあり、ライフクロスを全然減らせません。

試合が進み、こちらの防御やライフクロスが減る一方。相手のライフクロスはまだ2枚も3枚も残っています。
しかしサシェの攻めは遅いはず。耐え忍ぶために、こちらも盤面強度を上げ必死で戦っていたところ、降ってきたのが……。

《凶魔姫 エレシュキガル》

「ブルアカ環境の予習ですよー」とおっしゃる通り、硬いシグニと向き合うことの大切さを突きつけられました。

総合優勝:hyakko選手

センター:みこみこ アシスト:エクス、ゆかゆか

今回の優勝はhyakko選手のみこみこ!
みこみこの優勝はGP6thに続くもので、GP初の「同じルリグタイプの連続優勝」となりました。

みこみこはアシストルリグにエクス・メルを採用した「赤緑みこみこ」が主流の中、hyakko選手はエクス・ゆかゆかの「赤白みこみこ」を長く使い続けてきたプレイヤー。5月のGP5thでも、この基盤のみこみこで総合2位に入賞しています。
これまではゆかゆかが大型防御の《ゆかゆか☆ぶっぶー》だったのが、今回は軽量防御の《ゆかゆか☆どじゃーん》になっています。エクスは変わらず《エクスクロスファイア》で、防御面数は2面と軽量。そして、ルリグデッキの大きな変化は……。

新時代のみこみこは、手札破壊&エナ破壊のハイブリッド!

《不穏☆FU☆ON!》などの手札破壊で《ゼノ・クラスタ》を使わせ、その後の《GO TO the TOP!》を直撃させるのが狙いのようです。
GPのような超大型大会だと、ほぼ確実に採用される《ゼノ・クラスタ》。それへの新たな回答が、このデッキには込められているような気がしてなりません。
そして《GO TO the TOP!》は、現状ディーヴァセレクションにおいて、「デッキの中からサーチできる」唯一のカードです。未だにこれ1枚……、だったはずです。
例えば《コードメイズ ペイラビ//ディソナ》をサーチして《羅原姫 H2O》を無力化したり、エナをなくした状況から《羅星姫 サデスタル//ディソナ》で詰めたりなど、非常に柔軟な立ち回りが期待できそうです。《GO TO the TOP!》の特権ですね。

改めて、優勝おめでとうございます!

3時間目:「ブルーアーカイブ DIVA」はどうなる?

GP7th環境をまとめましょう。

  • ゲームスピードは「5ターン目」を意識。「攻め一辺倒」では厳しそう
  • 《カオス!chaos!混沌!》の存在感が光る。往年のシグニにも注目!
  • 「手札破壊とエナ破壊の両立」から見えるこれから

さて、11月3日はいよいよ「ブルーアーカイブ DIVA」が発売され、ブルアカの生徒たちが、ウィクロスに登場します。
現在公開されているカードを見ても、そのスペックは非常に高い印象です。高い防御力に加え、光る火力をそれぞれが持っており、ディーヴァセレクションのステージが、また一つ上がる予感がします。
新勢力のブルアカの活躍はもちろんのこと、引き続きディソナ、フェゾーネなどの既存デッキ活躍も続くでしょうし、まだ見ぬデッキが誕生する可能性もあります。楽しみでなりません。

重要になるのは「5ターン目」の意識でしょう。ここをもっと紐解きます。

GP7thで活躍したデッキはどれも、「攻めも守りもこなす」という印象でした。
構築ではもちろん、対戦でも「ここは攻めよう」「ここは守ろう」など、アクセルとブレーキを踏み分けられる点が重要です。
また、「攻めながら守る」「守りながら攻める」点も大切になってきます。【ウィルス】で攻めながら《黒点の記憶》で守る《ナナシ 其ノ参ノ禍》《聖天姫 エクシア》で守りながらルリグアタックで攻める《奏月の巫女 タマヨリヒメ》のように、「攻守の両立」は、今後のキーワードとなってくる予感がします。

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そしてもう一つが、優勝のみこみこから伝わる、「手札破壊とエナ破壊の両立」です。
手札破壊とエナ破壊の両立は、《ゼノ・クラスタ》を乗り越えるための、シンプルかつパワフルな方法だと感じました。
カードパワーが上昇し、高水準の手札破壊と高水準のエナ破壊が両立できるようになったからこそ形になり、結果に繋がった手段ですが、ここには何らかのヒントが隠されているように感じてなりません。

さて、ブルアカの生徒たちは「絆ギミック」で、1種のシグニに複数の要素を取り込むことが可能です。

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絆を得た場合ですが、《狐坂ワカモ》は「攻めながらエナチャージ」、《猫塚ヒビキ》は「攻めながら手札破壊」、《蒼森ミネ》は「攻めながら守る」が可能になります。ざっくりですが。
このように「攻め+何か」を1枚のカードに託すことで、デッキに余裕が生まれ、その余裕の箇所に別のギミックを詰め込むことが、もしかしたら可能になる予感がします。

もちろんそれは「攻め+攻め」でも「守り+守り」でも「守り+手札破壊」でも良いわけです。
この考え方はブルアカ以外のカードたちにも、可能であれば充てられます。《羅原姫 H2O》はもう、現在進行系で「守り+手札破壊」ができていますしね。
何はともあれ、これからのディーヴァセレクションがどうなっていくか、じっくり見守っていきたいです。

ホームルーム:寒くなっても、熱いウィクロスは続く!

ディーヴァグランプリは一段落。ここからは夢限少女杯の参加権利を賭けた、エリア予選が開幕です。
ウィクロスの熱いバトルで、これから訪れる寒い季節を乗り切っていきましょう!

それではまた次回の更新で。
いろいろな風邪が流行っていますので、みなさま体にはお気をつけてお過ごしくださいね。

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