【バトル攻略コラム】

ウィクロスアカデミー

「ディーヴァグランプリ2025SUMMER」振り返り①

みなさんこんにちは、ウィクロスアカデミーの時間です。
今回の講師を務めますルの人です。

楽しかったお盆休みがついに終わってしまいました。みなさんはどんなお休みを過ごしましたか?
特に「WIXOSS CUP ~夏の11人チーム戦~」と「ディーヴァグランプリ2025SUMMER」に参加した方は、充実した2日間になったことでしょう。

今回は、熱い戦いを繰り広げた「ディーヴァグランプリ2025SUMMER」の振り返りです。
先日おうか講師にお話いただいた『「ディーヴァグランプリ 2025 SUMMER」直前!!環境考察』と合わせて、これからの「PRIMAL SELECTOR」環境を予想していきましょう!

ルリグ分布からわかること ~「あきら・ひとえ」環境はどうなった?

まずは全体の使用者数から見ていきます。予想どおり「あきら」「ひとえ」がツートップを飾る形となりました。
そこに続いたのは「緑子」「タマ」です。

WXDi-P10-008 WX25-P1-018

この2ルリグが躍進した理由としては、緑子は《参上 緑姫》が、タマは「赤タマ」こと《合炎奇炎 タマヨリヒメ之参》の使用者が増えたことが要因と考えられます。
緑子は《讃型 緑姫》、タマは《月日の巫女 タマヨリヒメ》《過日の巫女 タマヨリヒメ》など、根強い人気を誇るルリグが多いルリグタイプですが、そこに上記の2ルリグの使用者が増えたことで、分布も上位になりました。

WXDi-P10-005 WXDi-P11-010A

あきら・ひとえと共に事前考察で注目されていた<ブルアカ>軸の「リメンバ」や「夢限」は、上記のルリグ達と比較するとやや少なめな印象です。
特に「ブルアカ夢限」については、13名の「夢限」の中にさまざまなデッキタイプがあることを考えると、かなり数を減らしたように思えます。
リメンバと夢限は、ともに長期戦を得意とするデッキです。これらが数を減らしたということは、「長期戦向けのデッキはグランプリに持ち込みにくいのでは?」とプレイヤーに思わせる要因が、「PRIMAL SELECTOR」環境にあったのでは、と考えられます。
その要因は決勝トーナメントのルリグ分布にありました。

そして予選を勝ち抜いた上位16名による決勝トーナメント。
最多が「緑子」の3名、それに続く形で「あきら」「ひとえ」「リメンバ」が2名ずつ。それ以外は多種多様なルリグが1名ずつと、全体の使用者数からはなかなか予想しづらい結果となりました。大本命とされた「あきら」「ひとえ」は勝ち残りこそしていますが、予選で大きく数を減らしたと言える結果となりました。
一体予選で何が起こったのか、そして勝ち抜いたのはどのルリグなのか。そこに注目して見ていこうと思います。

《炎剣之舞》から見る攻撃的な環境

最多の3名が決勝トーナメントで使っていたのが「緑子」。そのすべてが《炎剣之舞》を採用した《参上 緑姫》でした。2022年夏に登場したセンタールリグが、3年越しに大躍進です。

WX25-P1-003

躍進を支えたのは、「PRIMAL SELECTOR」で新登場した赤のアーツ《炎剣之舞》
エナ破壊やバニッシュ、そしてライフクラッシュを使いわける赤らしい1枚です。

《参上 緑姫》の戦術は至ってシンプル。
序盤からシグニで積極的に攻めたのち、レベル3グロウ後に《断炎轢断》《竜花相搏》《鏡花炎月》《炎剣之舞》の4枚のアーツを連打し、残ったライフクロスをすべてクラッシュ。そしてゲーム1能力を使って、与えたエナと場のシグニと合わせて一掃。
最後に《アーク・ライト・オーラ》を使ってフィニッシュです。
エナの無い相手はアーツも使えず、例え使えたとしても、相手は1エナ支払わないと【ガード】ができません。この怒涛の攻めを耐えるのは非常に難しいです。

WXDi-P06-031

《参上 緑姫》のデッキ自体は、昨年から注目されていました。<プリパラ>シグニと《OPEN DREAM LAND!》を採用したデッキですね。
《OPEN DREAM LAND!》《炎剣之舞》に変わったことで、アタックフェイズに配置するシグニの自由度が上がりました。
そこに、《アーク・ライト・オーラ》と相性の良い《コードハート リメンバ//メモリア》が配置できるようになったのが、大きなポイントと言えるでしょう。

《炎剣之舞》を含めた4枚のアーツでライフクラッシュを行なう戦術は、他のルリグにも積極的に採用されていました。
まずはエクス。「PRIMAL SELECTOR」同梱の「DIVAルリグパック」で新たに登場した《エクス・スリーNEO》のデッキが、ベスト4に入賞しました。

SPDi43-03

ゲーム1能力「バーテックス」を使えば、最大5枚のライフクロスをルリグデッキだけでクラッシュできます。何より、ルリグアタックでダメージを与えられなければ1エナでアップする能力は強烈そのもの。
大量に赤エナを抱えれば、《参式 一衣》の植物によるガードさえも貫通する破壊力を擁します。
メインデッキは【ディソナ】軸で攻撃力は高め。《コードアクセル Mドラゴン》を採用し、【シャドウ(コストの合計が1以下のアーツ)】で《フローズン・ギア》などの貫通を狙った、シグニでのフィニッシュも意識した構築のようです。

SPDi43-10 WX24-P1-006

《炎剣之舞》はライフクラッシュだけでなく、エナ破壊の点でも大いに貢献しました。
特に【アサシン】を得意とし、黒ルリグながらエナを与えないプレイができる「ヤミノ」との相性は抜群です。

SPDi01-129

《幻怪 キツネビ》《幻竜姫 ヴリトラ》でエナを削りつつ、《炎剣之舞》《コードハート リメンバ//メモリア》で反撃のチャンスを奪う構築は、発売後約2週間とは思えないほど洗練されていました。
登場から日が浅いヤミノは、どんな戦術を取るかまだあまり知られていなかったようです。「一見何をしてくるか分からない」というのも、この環境で戦うための強さだったと思います。

WX24-D1-10 WX24-P3-038

そしてそんな《炎剣之舞》の流行に合わせ、これまでの環境ルリグたちも構築を適応させていきます。

「リメンバ」は《ミラクル・チャージング》《スリップ・ストップ》を採用し、エナ破壊をされても守り切れるようにカスタマイズ。
「ひとえ」は《日常茶飯》を採用し、ライフクロスが0枚の状態からの防御力を格段に上昇させたり、黒シグニの採用をやめることで、エナ破壊の影響を受けづらくしました。
環境ルリグの中でも、上記のように環境の変化に挑み、デッキを大胆にカスタマイズしたプレイヤーが勝ち進んだ印象が強いです。

環境に鳴り響くゴングの音!

このように波乱の幕開けとなった「PRIMAL SELECTOR」環境。《炎剣之舞》を主軸に据えたライフクラッシュとエナ破壊、そしてそれに対応した防御アーツの数々。
その中で頂点に立ったのは、そんなアーツたちをものともしない“超攻撃的”デッキでした。

長らく続いた「あきら」「ひとえ」環境を一蹴し、有終の美を飾ったのは《Calm before the gong》を採用し、センタールリグのグロウをレベル1でストップする、通称「1止めママ」。

WX25-P1-048

《レイラ・ザ・ファング》《断炎轢断》を始めとしたカードでライフをクラッシュし、《アーク・ライト・オーラ》《Calm before the gong》によるルリグの波状攻撃でトドメを刺す。非常にシンプルでわかりやすく、それでいて強力なデッキとなっています。
<植物>でガードできることが自慢の「ひとえ」も、レベル3にグロウする前に攻撃を仕掛けるこのデッキでは、そのまま押し切られてしまいかねません。

WXDi-P07-068

もし相手に耐え切られたとしても、このデッキでは《轟音の火柱》などの赤スペルが採用されているため、追撃は容易。
ルリグがコインを得ることのできる「ママ」なので、《仮面の伝説》でベットしてレベル3シグニを除去することができる点もこのデッキの強みと言えるでしょう。
改めて五段選手、優勝おめでとうございます!

さて、《炎剣之舞》と時を同じくして猛威を奮った《Calm before the gong》
上記のような止めデッキだけで無く、アシストルリグを携えたレベル3ルリグにも多く採用されていました。もちろんそこにはエナ破壊やライフクラッシュ、《コードハート リメンバ//メモリア》の姿が。
またグランプリ以降のウィクロスセレモニーでは、手札破壊に特化した「2止め」のデッキも散見しています。相手の手札をすべて捨てさせ、《メル・バーサク》で返しのターンのアーツの使用を封じたうえでゴングを鳴らし、二段構えで勝ち切る、という戦略のようです。

アーツの登場以降、チーム構成は大きく数を減らしていましたが、このピース1枚でさまざまなルリグの構築が激変。
しばらくはゴングの音に震える日々が続きそうです。

これからの環境を引っ張るのは?

ここまで上位入賞者のデッキと、主な戦法についてお話ししてきました。
ここからは、攻撃重視なこの環境でどのようなカードがこれから活躍するのか予想していきたいと思います。

WX25-P1-006

まずは「PRIMAL SELECTOR」にて新登場したブーストアーツ。
基本コストは0エナですが、追加でエナを支払うことでもう1つの効果が発動します。
例えば《ビッグ・キャット》は0エナの場合、パワー10000以下のシグニ1体をダウンします。
そしてここにブーストの2エナを支払うことで、カードを4枚引き、2枚捨てる効果も発動します。

《参上 緑姫》のようなエナを破壊する相手には0コストで使用し、「あきら」のように手札破壊を行なう相手にはブーストするなど、相手のルリグやその時の状況に応じて使いわけることができるのです。
今回は攻撃重視の環境となりましたが、普段のウィクロスパーティーやウィクロスセレモニーがそうとも限りません。
さまざまなルリグに対応できるブーストアーツの採用は、今後どんどん増えていくことでしょう。

WX24-D1-10 WX24-P4-037

スターターデッキでおなじみの《ミラクル・チャージング》と、「FORTH SELECTOR」に収録されている《スノー・チャージング》
この2枚は相手のアタックフェイズ中に、自分の手札やエナの枚数を増やすことができます。
0コストの防御アーツを採用しない場合、これらのアーツを組み合わせることで、支払いに必要なエナが用意できます。

使用したいアーツのコストが重い場合は《ミラクル・チャージング》を。《Calm before the gong》対策にサーバントを引き込みたい場合は《スノー・チャージング》を採用するのが良いでしょう。ルリグデッキの他のアーツと相談しながら、好きな方を選んでくださいね。

SPDi43-05 SPDi43-04

オススメは「DIVAルリグパック きゅるきゅる~ん☆&D・X・M」に収録されている「デウス」「エクス」「マキナ」での採用です。これらのアーツを使用しなかった場合、ゲーム1能力で能動的にルリグトラッシュに送ることができるので、無駄がありません。

さいごに

というわけで、「ディーヴァグランプリ2025SUMMER」の振り返りでした。

変わらず「あきら」「ひとえ」環境が続くと思いきや、新登場のカードによる番狂わせ。
逆にかつての環境ルリグが、手を変え品を変え対策していく形となりました。

攻撃重視な環境の面白い所は、速攻デッキへのガードを上げすぎると、腰を据えてじっくり戦うデッキへのガードが下がってしまう所にあります。
《炎剣之舞》《Calm before the gong》ばかり見ていると、思わぬルリグに足元を掬われてしまうかもしれません。
そのルリグは一体誰なのか。それとも速攻デッキがこのまま駆け抜けていくのか。
まだまだ始まったばかりの「PRIMAL SELECTOR」環境、目が離せません。

それでは今回の講義はここまでにしたいと思います。
また次回のアカデミーでお会いしましょう!

タカラトミーモール